water pump 交換
# by cavallino-cars | 2024-05-29 11:12 | Comments(0)
# by cavallino-cars | 2024-05-29 11:12 | Comments(0)
# by cavallino-cars | 2024-05-27 15:35 | Comments(0)
YOKOHAMA LOVERS
2024.4.3
かつては不人気車の烙印を押されることもあった4シーターのミドシップ・フェラーリ、ディーノ208GT4をまるで“愛馬”のごとく丁寧に飼い慣らすひとりの紳士。クルマに対して純粋に、何より真っ直ぐに向き合うその姿からは、“クルマ趣味”のひとつの理想像が見て取れた。
Words:髙田興平 / Ko-hey Takada(Takapro Inc.)
Photography:安井宏充 / Hiromitsu Yasui(Weekend.)
速さよりも操る楽しさ──
そういうことを教えてくれる。
「ドライブというより、馬の散歩に出かける感覚ですね」
“愛馬”を前にしてオーナーである山川敏文さんはそう穏やかに微笑む。
彼のディーノ208GT4は1975年式。半世紀近くも前にイタリアのマラネロにあるフェラーリの生産ラインからローマへと送り出された赤色(イタリア語で言うロッソ)の駿馬は、長らく一人のオーナーの元で過ごし(ガレージで眠っていた時期もあったという)、2年ほど前にはるばる海を渡って神戸に暮らす山川さんの元へとやってきた。
「フェラーリを所有するのはこのディーノ208GT4で2台目です。その前は40歳の節目に手に入れた328GTSに17年間乗りました。328は各所に手を入れながら大切に乗っていましたけれど、少し魔が差したタイミングで手放してしまって。正直に言うとディーノ(246GT)が欲しかったのです。でも昨今のヴィンテージカー市場の高騰の煽りで実際に探すとおいそれと手の出せる状況ではすでになかった。そんなとき、たまたま4シーターの208GT4に出会って横に乗せてもらったら、コレが想像以上によかったわけです」
“ディーノ”とはフェラーリ社が初めて12気筒以外のエンジンを搭載して販売したミドシップのロードカー(量産ミドシップとしてもフェラーリ初)である。エンジンはV型6気筒DOHCで2ℓの「206GT」と2.4ℓの「246GT / GTS」がラインナップされた。フェラーリ社の創業者であり絶対的君主でもあったエンツォ・フェラーリが「フェラーリの名前は12気筒を搭載するモデル以外には与えない」としたことから、搭載されるV6エンジン(元はF2レース用として開発)を考案した長男の“ディーノ”(若くしてこの世を去った)の名を与えて同社の象徴である“跳ね馬”のエンブレムもすべて「Dino」に置き換えたという逸話が残るほか、このディーノこそがその後のフェラーリ社の屋台骨を支えることになるV8ミドシップシリーズ(308、328、348、355と発展を遂げ、その後も進化を続けながら現在に至るまで人気を誇る)の始祖となったことでも知られる。
山川敏文さんのディーノ208GT4は1975年式。フェラーリ車のデザインを長らく独占的に行なってきたピニンファリーナの手による流麗なラインではなく、ランボルギーニ・カウンタックやランチア・ストラトスといったアヴァンギャルドなスタイリングを描き出したマルチェロ・ガンディーニ(当時のベルトーネのチーフデザイナー)によるエッジの効いた直線的なラインが特長となる。ミドシップ4シーター(2+2)らしい伸びやかさも相まって独自の個性を放つ1台である。
「328に乗っていた私にとってその源流にあるディーノは当然ながら憧れの存在でしたけれど、ディーノの実質的な後継車として位置付けられている4シーターのGT4に関しては、当初はまったく興味がありませんでした」
よりはっきり言うとGT4は世のフェラリスタの間では不人気モデルだった。70年代以降、ミドシップ・フェラーリと言えばフォーミュラ1を頂点とするモータースポーツ直系のリアルなスポーツカー(またはスーパーカー)というキャラクターに対する信奉が強まったことから、GT4の持つ4シーター(2+2)という成り立ちがそもそも魅力的に映りづらかったことに加え、ボディデザインは多くの名作フェラーリ車を手がけてきたピニンファリーナではなく、ベルトーネ(あのランボルギーニ・カウンタックのデザインで知られるマルチェロ・ガンディーニがチーフの時代)の手によるものだったことなどもその不人気さに少なからず影響したと考えられる。
GT4のインテリアはスポーツ志向ではなくラクシュアリーかつモダンなテイスト。4シーター(2+2)としたのは当時のスポーツカー・マーケットで勢力を伸ばしていたポルシェ911を意識してのことだった。トリム類にはベッチン素材が多用されレザー素材が主流だったそれまでのフェラーリ・モデルとは一味違った色香を放つ。山川さんの208GT4はシルバーリング付きのホーンボタン(Dinoロゴ)など純正部品が欠品なく揃うことで、フェラーリ社から「クラシケ」の認証を正式に得ている。
「オーナーの私が言うのもなんですが、ひと昔前までのGT4は本当に不人気車でした(笑)。でも、いまとなってはその独特の個性が再評価されてもいます。ピニンファリーナの流麗さもよいけれどガンディーニ(ベルトーネ)らしい直線的なラインも改めて見直すと美しい、といった具合に。ただ、やはり私自身にとっては実際に乗って楽しいクルマであったことがいちばんの発見であり魅力ですね。このGT4は2ℓのV8エンジンを積んだ208です。3ℓV8を積む308GT4に比べて非力とばかり思われがちですが、排気量が小さい分ギヤ比が落とされているのでエンジンのピックアップがいい。だから想像よりはるかに軽快に気持ちよく走れます。積極的にシフトワークしながら4000回転以上をキープして山道を走ると本当に楽しい。速度はそれほど出ませんけれど、逆に私くらいの年齢になってくると速さよりもクルマを操ること自体の気持ちよさを求めるようになる。だからこそ、こうして程よいバランスのクルマに出会えてシアワセだと思っています」
GT4は4シーター(2+2)ながら同世代の2シーターモデル308GTBよりもワイドトレッドかつロングホイールベースであることが手伝って、コースによってはむしろハンドリング性能に優れることもあったという。
山川さんの208GT4はキャブレター車である。まさに早足で駆ける愛馬の息遣いが直に伝わるかのような生々しいエンジンフィールであることも、“操る気分”を大いに盛り上げてくれるのだという。
「キャブ車ですので最低でも月に2回は休みの日に2時間ほど一気に走って調子を整えてやるようにしています。インジェクションのクルマだとそうした気遣いはあまり必要ないですけれど、キャブ車の調子を維持する以上はきちんと向き合うことが大切です。だからこそ、まさに生きた馬と接するかのように散歩に連れ出してやるわけです」
山川さんの208GT4で何より驚かされるのはアイドリングの静かさと安定感だ。まさに完調と呼ぶべき粒の揃ったその息吹は思わず聴き惚れてしまうほど。もちろん一発始動で、走り出しにも妙なクセのようなものを感じさせないスムースさがある。
2ℓのV型8気筒DOHCエンジンはミドに横置きでマウントされる。キャブレター特有の“キーン!”というメカニカルサウンドを奏でながら、小排気量に合わせてローギヤード化された5速MTを駆使してドライブすると、想像以上にファンな世界が堪能できるのだという。クロモドラ製のマグネシウムホイールに履かされるタイヤはADVAN HF Type D(195/70R14)。ディーノ208GT4らしいクラシカルな雰囲気を崩さないデザイン性が光る。
「このクルマの輸入から購入、納車整備までの一切をお任せした東京のキャバリーノ(ハスミコーポレーション)さんが、こちらの方が『大赤字になるのでは?』と思わず心配になるほどすべてを徹底して整えてくださったおかげです。あとは328の時代からメンテナンスで長らくお世話になっている奈良のナカムラエンジニアリングさんの存在も大きい。フェラーリに乗ってから信頼できるよき仲間ができました。クルマを通して多くの人と繋がれるのは嬉しいことです。仕事のスタッフたちとも一緒にツーリングに出かけます。彼らはハーレーで走ってその後ろを私が208GT4で追うのです。仕事とは別にこうした趣味の時間を仲間と共有できるのは、本当に豊かなことだと思いますね」
余計な肩肘を張らない分だけ
丁寧により深くクルマと向き合う。
山川さんのディーノ208GT4はそのオリジナル度の高さも注目すべきポイントだ。実際、海外のECサイトなどを通じてオリジナルの純正パーツを自ら見つけては手に入れ、生まれながらの208GT4の姿をこの先にも維持していくことに労力を惜しまずにいる。
「フェラーリのクラシケ(オリジナル純正度の高いクラシックモデルをフェラーリ社が認定する制度)も取得しています」と話す山川さんの表情は、だからどこか誇らし気だ。
# by cavallino-cars | 2024-05-23 15:00 | Comments(2)
# by cavallino-cars | 2024-05-22 15:44 | Comments(0)
# by cavallino-cars | 2024-05-19 19:13 | Comments(0)
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