ヒーターレバーにデフロスターレバー

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308 には左右別々にベンチュレーターの調整レバーがあります。上の写真はGTBのもの。左のD E F のステッカーが貼られているレバーが運転席側。上がオフ。中央にすると上と足下から風がでてきます。下にするとデフロスター、フロントウインドウに風が出てくる仕組み。車内がくもった時などによく使用するものです。
中央の青と赤の印のあるものが温度調整。下にすると暖気が、上にすると外気が導入されます。そして右が助手席側のもの。
このレバーもたまに動かしてあげないと固着してしまいます。
風向きを調整するレバーは中にあるフラップを開けたり、閉じたりすることによって風を調整しています。
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これがスペアタイヤセクションにある風の吹き出し口を変えるフラップを開閉するワイヤー。
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これは暖気をいれるためのフラップ調整ワイヤー。
通常はフロントにあるこれらのワイヤーが固着していたり、ワイヤ―を固定するネジが緩んでいたり、グリスが入って滑ってしまったりして作動しない場合がほとんど。
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上はgt4のものです。フロントセクションのワイヤーを調整しても治らない場合は、コックピットの操作レバーにつくワイヤーケーブルが外れている場合もあります。
たまに左右とも動かしてスムーズに動くかどうか確認することをお勧めします。
カチカチに固まって動かなくなっている場合は無理やり動かさないでディーラーに持ち込んで修理してもらってください。

  # by cavallino-cars | 2024-07-24 16:29 | Comments(0)

クラッチ、ブレーキのラバーカバー交換

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ブリュッセルから譲り受けた208gt4のクラッチペダルが下のような状態だったので新しいものに交換しました。

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今回はセンターのブレーキペダルカバーも交換。
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上の写真は交換後のもの。
さらに昨日プラグコードとデストリビューターキャップが英国から新品が到着したのでそちらも交換。
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ほぼこれで納車前の整備は完了です。


  # by cavallino-cars | 2024-07-22 17:40 | Comments(0)

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現在ヨーロッパから3台のDino208gt4が 入港済みで、ブレシアからの赤は塗装中、ブルーのものは内装のレストアが終了し、塗装の補修にとりかかっています。2台ともすでに購入希望の方から申込金をいただいているクルマです。
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そして今年5月に入港したシルバーのベルギーから譲り受けた1台は塗装の状態がいいため、先に整備にとりかかりました。
こちらはまだ新しいオーナーは決まっていないfor sale の1台です。

ベルギーで試乗した時にはクラッチは問題なかったのですが、コンテナから出した時にはクラッチが張り付いて、外すのに苦労しました。
まずはタイベルを交換します。
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タイミングベルトはフレームに貼ってあるステッカーによると2013年5月、33200㎞の時に交換。現在に走行距離は33567㎞なので11年間で367キロしか走行していないことになります。それもそのはずでベルギーのオーナーは他に2台のgt4と2台の12気筒を所有するコレクターでイタリアからこのクルマを購入後ほとんど運転していないとのことでした。
テンショナーベアリングを交換する際には取付のステーも分解してクリーニングしてから取り付けます。
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各パーツをクリーニングして
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新しいテンショナーベアリングに交換します。
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作業が終了したら新しいベルトとともにエンジンに取り付けます。
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こちらは給油口からガソリンタンクにいくラバーホース。
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ヒビだらけなのがわかりますか?。以前満タンにした時だけガソリン臭いというクルマがあり、原因はこのホースの劣化でした。それ以来、ここは必ず点検し、必要な場合は交換しています。
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これは交換後の写真、右が給油口で左がガソリンタンクです。
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インテークマニホールドに飛び散ったオイルの跡。これは間違いなくドライブシャフトブーツのグリスです。
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予想どうりブーツがきれていました。
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まずは取り外し、クリーニングします。
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外側のものも同様汚れを取って磨きます。
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このままとりつけるより
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こちらの方がいいですよね。ちょっとした作業ですが、自分のクルマなら出来るだけ美しく仕上げたいのでこだわってしまいます。
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ドライブシャフトブーツの交換をする時に必ず実施するのがこのオイルシールの交換。以前ドライブシャフトブーツを交換した時にここを交換せずに100キロほど走行後にオイルが漏れてきたことがあったので必ず左右とも交換します。
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今回もカチカチでした。
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新しいオイルシールを装着。
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こちらは反対側。
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取付時には必ず黄色のペンでマーキングをします。
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こちらは組み上がった左右のドライブシャフト。
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仕上げにブーツ部分をマスキングしてシャフト部分を黒のスプレーで塗装しました。
次はブレーキ。
まずは前後左右のブレーキホースを新品に交換。
まだ引きずりがあるために
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ブレーキキャリパーのオーバーホールをします。
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ATEのブレーキキャリパーオーバーホールキットを使用。
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ピストンはごらんのように取り出すと錆がめだちます。
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左が錆をとったものです。右は取り外したばかりのピストン。
きれいになったものを再び組み込みます。
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オーバーホール時にはもちろんブレーキオイルは抜きます。これはフロントにあるブレーキオイルのリザーブタンク。中には汚れたオイルがヘドロのように。
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残ったダストも
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綺麗にクリーニングをします。
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ブレーキオイルを入れ、エア抜きをして終了。
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デスビからのオイル漏れはガスケット、リップシールにOリングを交換し、止まりました。
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これは交換後の写真。ちなみに下のホースとバンドも新品に交換。
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ホース類はかなり傷んでいたので、すべて交換しました。
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これはホースの内側。おそらく一度も交換していなかったのかもしれません。
なかでもフロントのラジエターからエンジンまでつながるヒーターホースの交換が一番大変な作業で、
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運転席後ろ側のガソリンタンクを外さなければできない作業です。
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こちらはラジエターにつながるホース。
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新しいものに交換。もちろんバンドも新品にしました。
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これはステアリングラックを支えるオレンジ色のブッシュです。完璧につぶれています。
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新しいブッシュはグレイ。
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ステアリングラックとステイをクリーニングしてからすべて交換しました。
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キャブレターのホースも傷んでいたので交換。
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下は新しいものを装着した後の写真。
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エアコンのコンプレッサーはガスをいれたとたん、漏れていたのでオーバーホールをしようとしましたが、もはやオーバーホールキットがなく不可能とのこと。
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アスペラというメーカーはあまり評判がよくないようです。
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英国から代わりになる新しいものがあるとのことなので取り寄せ、クラッチだけアスペラについているものを取付、組み込みました。テストではかなり効きます。
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次はフュエルフィルターの交換。フユエルポンプからのホースはすでに交換しました。
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予想どうりの汚れ具合です。
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底には汚れがたまっていたのでクリーニングしてから新しいフィルターを組み込み、
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パッキンも新品を使用。
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こちらは左右のガソリンタンクをつなぐパラレルホース。一度交換しているようですが切り口が斜めになっていたのでおそらく純正品ではないと思います。
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バンドも新品に交換しました。
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リザーブタンクも新品に交換。もちろんホースも交換します。
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これはウォーターポンプ上につくサーモスタットユニット。リザーブタンクからつながるホースをつなぐ、アルミのチューブが腐蝕して腐った木のようにボロボロです。ちなみにサーモスタットも新品に交換しました。
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ウォーターポンプは新品に交換。
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腐蝕していたアルミチューブも新品に交換しました。
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下はブローバイのホース。滲みはありませんのでそのまま使用も可能でしたが、新品パーツがあったのとそれほど高くないので交換しました。

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プラグコードも傷がついているため新しいものを現在英国から取り寄せ中。入荷次第、交換します。
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上は交換後の写真。
次はクラッチディスクの交換。
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まずはアイドラーギヤをはずし、クラッチハウジングを取り外します。
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ハウジング内はオイルと汚れで真っ黒。
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クラッチディスクは溝がほぼなくなりかけていて、交換時期です。ブラッセルで試乗した時のクラッチペダルの重さも納得です。
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フライホィールも段差があり、研磨することに。
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上は研磨後のフライホィール。今ではこの作業をしてくれる業者も限られています。
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クラッチハウジングを清掃し、
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オイルシールを交換。
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こちらのオイルシールも新しいものに交換します。
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クラッチのスラストベアリングも新品に。
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こちらは交換前のもの。
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ディスクとプレッシャープレートも交換。
踏力は格段に軽くなりました。
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汚れたエアフィルターも交換します。
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こちらは交換したパーツ。
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タイヤは十分溝はありますが1991年製。
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33年前のもの。新品に交換しました。
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このgt4はフロントにつくエンブレムがDinoなので、ホィールに装着されるホィールキャップも購入時についていた
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跳ね馬からDinoのものに交換しました。
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タイヤ装着前にはホィール内側の汚れも落とします。
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清掃後は
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内側の
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76の打刻は76年製造のものだと思います。
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これはエンジンオイル、
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こちらはミッションオイル。どちらもかなりの汚れでした。
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ドレインプラグも清掃し、銅ワッシャーも新品に交換してから取り付けます。
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フロントワイパーブレードもツインバーのものに交換。
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これだけでぐっと雰囲気が変わります。
下は購入時にあった運転席のサイドサポートの傷。
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シートから一度アップホルスターをとり外し、オリジナルのビニールレザーをいかし、傷の部分だけを補修します。
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すべて張り替えてしまうと元の質感が失われ、左右のバランスが悪くなってしまうからです。
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こちらがレストア後の写真。素晴らしい仕事をしてくれる方がまだ日本にはいることに感謝します。
整備にかかった時間は2か月半。これからテストドライブをし、問題なければ、リヤのナンバーの穴の補修をし、磨きをかけ、コーティングをしてから納車されます。
納車までにかなりの時間がかかるのはこのような整備を行った後に新しいオーナーの元にお届けするからなのです。




  # by cavallino-cars | 2024-07-19 13:31 | Comments(0)

初期モデルのリヤトランクフードにつくDino208gt4 のバッジ

Dino208gt4 の初期型のリヤのトランクの上につくバッジは2の数字の下のバーが短いものがオリジナル。
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今入手できるものは2の数字の下の横のバーが長い上の写真のような後期のものだけ。
ずっとオリジナルを探していたところやっと見つけることができました。
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今回ブレシアから譲り受けた初期型につくバッジが割れてしまっていたため、どうしても上のようなオリジナルをつけたかったのです。
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それが本日到着。さっそく板金工場に送りました。今週にはボディに色がはいり、来週にはリヤクオーターウインドウやグリル、テールライトなどの取り付けに入る予定。その時にこちらも装着してもらいます。

  # by cavallino-cars | 2024-07-18 00:23 | Comments(0)

タイヤの寿命

メーカーの推奨するタイヤの交換時期は5年。使用頻度や、屋外に保管か、室内保管かによってその傷み具合は異なりますが10年以上経過したものは交換をおすすめしています。
夏はよいのですが、冬は10年経過したタイヤは硬化してかなり滑りやすくなるからです。
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今回ファイバーグラスの308を車検でお預かりしましたが、タイヤは10年前に弊社が輸入した時に交換したまま。距離こそ乗ってはいませんが、間違いなく制動力が落ちたり、グリップが低下しています。万一タイヤが原因で事故になるようなことがあれば、タイヤ代の何十倍もの費用がかかります。かといってうゆっくり走らせるのではせっかく308を買った意味がありません。オーナーさんに相談しましたら必要なら交換してくださいとのこと。本日交換しに行ってきました。フェラーリはそれらしく走らせたいので愛車のタイヤの製造年月を確認して、10年以上経過していたら交換をおすすめします。
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製造年月の確認の方法はタイヤに打刻されているこの数字。4桁のものは2000年以降のもの。今日交換した新しいものは4523。2023年の45週生産のもの。つまり12月の1週に作られたものです。このように3桁のものは2000年以前のものです。
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181ですと1981年か1991年の18週ですから5月中旬に作られたものと判断できます。

  # by cavallino-cars | 2024-07-17 19:05 | Comments(0)

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