
翌日ハンブルグに1オーナーの1989年のGTBターボを見に行きました。

朝6時30分発のKLMでアムステルダム経由でハンブルグに到着したのは午前10時40分。直行便はLCCしかないので仕方ない選択です。以前イタリア国内でLCCを使って、欠航になり大変な思いをしたので余裕のない日程の時には大手の航空会社を必ず利用します。
空港まで迎えにきていただき、さっそくクルマをみせてもらいました。

もともとは手前にGTSターボを見に行く予定でしたが出張前に売れてしまい、かわりにGTBターボが入庫するので見に来ませんかというお誘いがあったため、急遽ドイツまでの航空券を手配しました。

前日見たクルマとは大違いで35年間でこうも状態が異なるのかと思えるほど。

フロントレンズ類には飛び石などの傷一つない状態、


内装のレザーの状態も申し分ないコンディションで、すべての補器類も良好に作動します。

走行は11700㎞。

ブレーキペダルとクラッチペダルはゴムがすりきれているものがほとんどですがこの状態です。ちなみにフロアマットのかかと部分のラバーはこれがオリジナル。

後期になるとフロントフードのロックは左右2か所に変わり、裏側にこのようなカバーがつきます。

スペアタイヤはスベースセーバーのものが付き、一度も使用したことがないのでしょう。新車時のまま。

最終モデルのホィールはABSが装着されるためこの形状に変わりました。

エンジンルームもまるでクリーニングを済ませたような美しさです。


リヤにつくプランシングホースやGTBturboのデカールもカーボンなどが付着していないこのような状態。

もちろんバンパーとの隙間も均一です。

サイドにつくピニンファリーナのエンブレムも傷ひとつない状態。

マニュアル、保証書、ケースなどもすべて揃い、

鍵は当時のオリジナル。

リヤのウインドウを除くすべての窓には車台番号がサンドブラストでほられています。

エンジンフードには当時の塗料メーカーのグラスリッド製のカラー表示がされたステッカーが貼られています。

給油口につくラバーのカバーもこのような状態です。36年も経過した2025年にこんなにオリジナルで美しい固体があることが奇跡のようです。オーナーはドイツ在住のイタリア人で登録はイタリアナンバーのまま。
なんとイタリアでの住所は昨日208gt4を購入したトレビソでした。
価格は決して安くはありませんでしたが、このような固体と出会えることはもうないと思い譲り受けることに決めました。

F40,288GTOのエンジンを作った二コラマテラッツイ氏のもう1台の遺作がこのGTBターボなのは以前にもお話ししました。
私も実際に乗ってみるまでは328を買えない人のための328の廉価版というイメージでしたが、あのターボの加速を味わってしまうとその考えは見事に覆ります。


ビルヌーブやピローニがF1で活躍していた時代にそのF1ターボエンジンを作ったマテラッティ氏本人がエンツォに指示によりその技術をロードカーに注ぎ込んて誕生したこのGTBターボは40や288GTOと同じ価値があると思います。
日本はもちろん、アメリカでも実際にステアリングを握った人は少なく、このクルマの本来の評価をできる人は今でもほんのわずかです。今やF40 は4億円、288は5億円ともいわれています。彼の設計したターボエンジンを搭載するフェラーリで唯一の低価格?で入手できるモデルという意味でも貴重です。生産台数わずか308台のうちこれほどのコンディションのものは最早存在しないかもしれません。

仲介に入っていただいたRalf さんに近くのレストランでランチをご馳走になりました。クルマに対する考えが同じで意気投合。ハンブルグに新しい友人ができました。

ミラノのリナーテ空港まではエア―フランスで。

シャルルドゴール空港に到着は午後の5時半、すっかり暗くなり、乗換でリナーテに戻ります。
滞在時間わずか2日でしたが、よいクルマと出会えたことを何よりうれしく思います。