12月26日BA0006便

最近のヨーロッパへの出張はいつもこの便に乗る。
今回はひさしぶりのイタリアです。
走行18000kmのキャブレターモデルの308GTB が今回の目的。

成田を11時10分の定刻に離陸。
ロンドンヒースロー空港には午後の2時25分に到着。
エコノミーは満席。
ビジネスクラスとエコノミーより少しゆったりめのエコノミープラスの
席の乗車率は1割ほど。かなりゆっくりできました。
ヒースローは騒がれていたほど滑走路に雪はなく飛行機もすべて定刻通りに運行。

いつものようにBAのラウンジで18時半発のミラノ行きの便を待つ。
ところが定刻より1時間遅れ、19時半に離陸。
イタリアのリナーテ国際空港についたのは午後の10時半すぎ。

東京から英国まで12時間、乗り継ぎの待ち時間が5時間。
そしてイタリヤまでが2時間。
合計19時間の移動です。
7時半に離陸してもロンドンとミラノは時差が1時間あるので到着は10時半になるのです。

空港から外のタクシー乗り場にでると100人ほどの行列ができている。
30分ほどで無事にタクシーに乗れたが、吐く息は白く、顔が痛くなるほど寒い。
もちろん手は外にだしてなんていられない。
この時期にイタリヤに来たのは初めてですが予想をはるかに上回る寒さです。

タクシー待ちの間に杖をついた老人のカップルとその息子夫婦?がきた。
彼らも同じ列に並ぶのは忍びないほど寒い。
気の毒にと思っていたら、
空港のセキュリティーのスタッフが先頭車両を彼らの元へまわし優先搭乗させた。
感動的でした。

日本もこれから老人が増えるのでこういうシステムは是非欲しい。
日本の政治家の先生にも海外視察旅行ではこういうところを見て欲しい。
だけど彼らは絶対にタクシー待ちなんかしないのでわからないだろうな。

結局ホテルの部屋に入ったのは日付けが変わった直後。
目当ての308は翌27日の月曜に予定通りに見に行くことにして就寝。

  # by cavallino-cars | 2010-12-30 17:29 | Comments(0)

gt4 series1 入港

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スイス国境近くのドイツのフレイバーグという小さな町から買ったgt4が
昨日大井埠頭で通関がきれた。

小雨の降る山道を試乗してから3ケ月ぶりにコンテナの狭い隙間から
運転席に乗り込む。

はずしてあったバッテリーのターミナルをつないでもらうと
長めのクランキングの後エンジンがかかった。

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ゆっくり下がって初めて日本の土地にタイヤがつく時はいつも
感慨深いものがある。

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だが今回はコンテナからでてブレーキをふんでも効かず、数回ペダルを蹴り、
やっと止まった。
そんな感傷的になっている余裕などない。

ブレーキオイルのリザーブタンクを確認すると規定量の半分も入っていない。
おそらくエアがかんでしまったようだ。

とりいそぎドイツのオーナーに確認してみたらトラックに載せる時に
少しブレーキがスポンジーになっていたという。
それならそうと言ってくれと言いたかったが、
言ったところで嫌な気分になるだけ。

大きな問題じゃないからオイルをたしてエア抜きすれば
クリスマスには乗れるよという話を聞きながら
高ぶる気持ちをぐっとこらえて電話を切った。

とりあえず騙し騙し、西新橋のシュワラスターに入庫。
年内にクリーニングを済ませ、年明けから総点検をする。
ショールームに展示するのは1月末の予定。

  # by cavallino-cars | 2010-12-23 19:43 | Comments(0)

玉石混淆

程度のよい308を出来るだけ多く輸入したいが、
なかなか良いものがないのが現状。

価格の点でおりあわないものもあるが、だいたいは見て諦めるものがほとんど。
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これはサンルーフ付きのオランダの車。
距離が10万キロを超えていたので検討していた間に
ベルギーの業者が買い取った。
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これは個人オーナーから直接オファーが来たが母が骨折したため見に行けなかった。
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こちらはスイスからのオファー。ホイールがオリジナルでないのと、塗装に難があり却下。
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これは英国マンチェスターにあったgt4.
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左のリヤバンパーの内側にヒットした跡があるのと、ルーフの内張りのずれが気になり
購入を見合わせた。
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これは見に行く前に現地ですぐに売れてしまったGTS。
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これはオーナーの心変わりで購入できなかったもの。
レストアに500万円もかけただけのことはあったので残念。

下の写真は英国で売買契約をしたにもかかわらず
他の人に売られてしまった。
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個人オーナーはたまにこういったこともあるが、
わざわざ日本から行ったのに無慈悲なことをするものです。
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ちなみにオーナーは学校の教師でした。

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これは写真ではわからないが塗装がヒビだらけだったたもの。

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これはスイスのgt4。同時期に同じカラーリングのgt4を在庫していたため購入を見合わせ。

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これは非常にきれいな車だったがエアコンがオリジナルでなかったため中止。
当時はA/Cはオプションだったので仕方ないが、後付けのものはどうもしっくり
こない。吹き出し口が脚にあたるのも気になった。

他にも見てがっかりして帰国したものはかなりの台数がある。
実際に日本に輸入した308は自分で乗ってもいいと思うものばかり。
今でも自分が輸入した車をみると前のオーナーとその住まいや事務所が
思い出せるほど。
車を譲っていただいたほとんどのオーナーが自宅やオフィスに招いてくれ、
食事までご馳走してくれるほど
よくしてくれたからかもしれない。

他の何十台という車をみなければ、よい車には巡り会えない。
日本のお見合いのようです。
ほとんどのオーナーは自分の車を絶賛しますが、
ヨーロッパまで行って、何度落胆したことか。

写真やデータだけだはわからない。

あとはタイミング。見に行く前に売れてしまったり、
在庫が多い場合は購入を見合わせることもある。

ヨーロッパの308はまさに玉石混交。
これはどこの国でも一緒です。
砂利の中にも必ずダイヤのような308がかくれています。

来年もそんな車を見つけてご紹介いたします。

  # by cavallino-cars | 2010-12-22 12:13 | Comments(0)

CORNESは古い車はみれない?

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よくお客さんや自動車業者からFERRARIの正規ディーラー、コーンズは新しい車はみれても
古い車は整備できないのではないですか?と聞かれる。

答えはYES, They can!
最近は308や246Dinoをメインにお願いしているが まったく問題ないばかりか、
キャブのセッティングも完璧に行なってくれます。

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定期点検時には危なくなったホースや交換時期にきているパーツも的確に指摘してくれる。
上の写真のブレーキホースは英国で交換されており、硬化してなく、
触ってもゴム本来の柔らかさがあるので問題なし。
あらかじめ決めれた場所を彼らはすべてチェックしてくれる。

どこかの外車メーカーのメカニックのように何でもかんでも交換するのではなく、
場合によっては壊れたパーツを加工して再使用もしてくれるそのメカニックの
仕事ぶりは熟練工と呼ぶにふさわしい。

先日308で右のウインカーは正常に作動するが、
左にウインカーをだすとリレーからジーと音がでて、
少し時間をおいて動くというトラブルがあった。

メカニックに相談したところハザードが問題なく動くならウインカーの接点の問題と即答。
ハンドル回りのウインカースイッチに接点復活剤をスプレーしてもらっただけで
完治した。

彼らも仕事とはいえFerrari が好きで働いている。
今回もファイバーグラスの納車整備をお願いしている。

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この車は水回りのホースがかなりくたびれているため交換が必要とのこと。
実際に見せてもらうとウォーターポンプの上の細いホースのクランプの
まわりに緑色のクーラントがもれて乾燥した跡が確認できる。

日本にパーツがないものもあるため整備に時間がかかるのは古い車なら仕方ない。

CORNESはFerrari オーナーには本当にたよりになる存在です。

古い車両のオーナーも1度は近くのコーンズサービスセンターへ
入庫させることをおすすめします。

  # by cavallino-cars | 2010-12-21 18:45 | Comments(0)

308の納車前整備

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9月末にご契約いただいた2台の308がやっと今週末に納車することになった。
通常は2ケ月ほどで納められるのだが今回は予備検査にも時間がかかり、
納車までになんと3ケ月もかかった。
整備内容を写真をそえて新しいオーナーの方にお送りし、
ご理解をいたくようにお願いはしたが、さすがに3ケ月は長い。
しかし、適当に整備して、悪いところは目をつぶって納車することは
したくないので待っていただくしかないのです。

特にGTSを購入いただいた方からはここまで整備をしてくれるとは思わなかったので
時間をかけて下さいとまで言っていただいた。

すべて信頼してお待ちいただいたお客様には本当に感謝です。

すべての車は現地で試乗してから輸入するが、
エンジンルーム内のウォーターホースやガソリンのホース、ブレーキホースなどの
いたみは車をリフトしてみなければわからない。

もっともわかりやすいのはエンジンフードを開けて見える
リヤクォーターのガソリンキャップからタンクまでのホース。
ギュッとつかんでみるとほとんどの車のものはヒビわれているので交換する。

車をリフトして次に見るのは左右のガソリンタンクをつなぐホース。
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これも車によっては硬化して、左右のクランプのセンターが膨らんでいるものがある。
上の写真が交換前、下のものが交換後のもの。

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タイヤのインナーフェンダーをはずしてわかるのがミッションケースの上のウォーターホース。
写真は交換後のもの。
アンダーカバーを外してフロントのラジエターの回りのホースも点検する。

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古い車なのでパワーウインドウが手をそえないと上がらない車もある。
そんな車は新しいモーターに交換したり、ワイヤーを交換してから納車する。
上の写真は右パワーウインドウモーター交換とサイドブレーキ修理のためセンターコンソールを
外している308。

もちろんウォーターリザーブタンクの圧力テストやそのキャップのテストも行なう。
キャップが不良だとオーバーヒートに直結するからだ。

上記のパーツは漏れているものはすべて交換。
漏れはないが痛んでいる場合はお客さんと相談の上整備を行なう。

ベルト類も交換時期が来ているものや現地で交換したと聞いても
記録のないものは交換してから納車する。

万一ベルトが切れ、またはコマとびするとエンジンを壊すこととなり、
数百万の出費が考えられるからだ。
これらの費用は全て弊社が負担するのでご安心を。

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前後左右のブレーキホースも必ず確認する。
30年前の車なのでヨーロッパにある時にも交換はしているはずだが、
これもゴム製のため硬化が激しい。
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漏れている場合やヒビが入っている場合はもちろん交換する。
たとえ問題がなくともオーナーに相談すると
費用は負担するので交換して欲しいとお願いされることがほとんど。

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ウォーターホースやガソリンのホースを交換する場合はすべての水やガソリンは
抜き取る。抜いた水はもちろんガソリンも腐っていることがめずらしくない。

現場を見れば例えホースが問題なくともオーナーは交換したくなるほど。
これらの交換パーツは実際に作業をしてみないとわからない上に日本に
在庫がないものが多い。
ないものは本国から取り寄せる。
場合によっては発注した後で追加のパーツか必要になるとか、
世界中のショップの在庫を確認しなくてはならない時もあるので
どうしても時間がかかってしまう。

これらの整備はフェラーリの正規ディーラーであるコーンズ東京サービスセンターで行なう。
なかなか町工場ではここまでしっかりみてもらうことは難しいのが現実。
他の工場より費用が高いという方もいらっしゃいますが、彼らの作業や清潔な工場を
見ると決して一概に高いとは言い切れません。

さらに弊社ではコーンズのフロントを通してChange of Ownership マーケティングカードに
日本での新しいオーナーの名前、住所等を記入し、Ferrari本社に登録してもらう。
オーナーにとっては自分の名前がマラネロの本社に登録されるというだけで
うれしいサービスに違いない。

ちなみに万一入庫した車両が盗難車の場合は正規ディーラーからは
パーツの供給はいっさいしてもらえないのでご注意を。

上記整備の他に予備検査、ヨーロッパのナンバープレートの穴埋めの板金塗装、
塗装の補修、登録、ETCの取り付け、要望があればタイヤ交換、ボディと内装のクリーニングなどが加わる。

こうしてすべての点検を終え、ヨーロッパから輸入した308は初めての日本の新しいオーナーが
そのステアリングを握ることになるのです。

昨日コーンズのメカニックと話す機会があったので308の印象を聞いてみた。
異口同音に全ての人が328より確実に速く感じるという。
やはり初期型のキャブの308は本当に素晴らしい。

  # by cavallino-cars | 2010-12-17 14:52 | Comments(0)

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