昨年の12月22日通関したDino のクリーニングが今日終了した。
リヤのテールライトをボディから取り外し、ばらしている所を見ていたら
一体型と思っていたものが実は246Dinoの黄色と赤のテールライトを組み込んでいることがわかった。
Dinoのエンブレムがつくこのシリーズ1のgt4は
76年からはマイナーチェンジが施され
正式にFerrari としてマラネロから出荷されるようになる。
しかしながらDino としてデビュウした頃の方が手作りのよさが随所にみられる。
Ferrari の称号を与えられて変更になったところは
前後のバンパーのメッキパーツが下の部分がなくなり
コの字型となる。
さらにフェラーリ伝統のアルミの格子のグリルがつけられた。
フロントスペアタイヤセクションのカバーが薄いプラスティック形成のものに。上がFerrari になってからのもの。
初期型は樹脂加工がされたファイバーに黒の革が貼られている。
取り外してみると当時のイタリヤの職人が革を貼っている姿がみえるようです。
ウィンドウォッシャータンクの蓋もアルミ製で手作り感が満載だ。
シートはオプションでレザー仕様もあったが標準はモケットとビニールのコンビネーション。
ドアパネルの照明も246と同じ角ばったプラスティック製のものがつく。
ダッシュボードの蓋は初期型は軽く、開けると蓋の後ろにバニティーミラーがつき
スモールライトをつけると中のバルブが点灯する。
下に見えるメッキのものがロックボタン。
初期型の方がヒューズボックスがグローブボックス内に納められているため
レッグスペースが広い。
後期型は蓋の裏の形状も異なり、中の照明もない。
後期型のロックはセンターのアルミのラインにつけられる。
エアコンの吹き出し口はDino はダッシュボードの上のみだったものが
Ferrari になってからはダッシュ中央下の膝の前にも
設けられるようになった。
シフトレバーの上に見えるのが吹き出し口。
ヒューズボードはグローブボックスから下に移されたため革で覆われたパネルが
助手席前に設けられた。
ダッシュに使用されている革はフェラーリになってからの方が上質のものを
使ってはいますが、エアコンの吹き出し口以外はDinoの頃の方がはるかに
コストがかかっているのがわかります。
より多くの資金をレースにつぎ込むために
生産台数に限りのある手作りのカロッツェリアから
コストを抑え、量産体制に移行し、
生産台数を増やさざるをえなかったのでしょう。
ハンドルセンターのDinoのホーンボタンもたまらなくかっこいい。
フロントグリルもスポットライトの美しさが強調された
初期型のものが美しい。
この頃のFerrari はまさに工芸品と呼ぶにふさわしい。