348tb と 348GTB との20馬力の差

90年から93年まで生産された348tbは
若干のモディファイを施され94年の348GTB を最終に生産を終了する。

GTB は外観ではスポイラー、サイドスカート、リヤバンパーの下の部分、エンジンフードが
黒からボディと同色に塗られるようになった。

エンジンパワーは300馬力から320馬力にパワーアップされる。

当時、日本で初めてフェラーリ社公認の1メークレースが開催された。
ロールバーや専用シート、マフラーなどのチャレンジキットをノーマルの348に組み込んで
参加できるレースだ。

私も2年間参戦したが、20馬力の差は富士のストレートでじわじわとゆっくり離される程度。

初期型の348で参加した私はレースではその差で悔しい思いをしたが、
公道で走るなら20馬力の差はまったく気にならない。

弊社にストックしている348はすべてノーマル仕様。
これにtubi のマフラーをつけただけでドライブフィールは
チャレンジカーのようになる。

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ちなみに私の筑波でのラップタイムは1分4秒。
チャレンジファイナルに参戦した時はイタリヤへも自分の348を持ち込んだ。

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フィオラノでのラップタイムは1分36秒だった記憶がある。
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初めて走ったコースだったので慣れれば34秒では走れるだろう。
ちなみにデーモンヒルの355でのタイムが1分30秒。

ジャーナリストは348をあまり良くいいませんが、
所詮乗っても数時間程度の人が言うことは
あまり気にしない方がいい。

348はレースの楽しさを私に教えてくれた想い出深いフェラーリだ。
車高を1cm調整しただけで筑波のラップタイムが3秒も速くなったり、
富士ではサスペンションのストロークを短くさせるパッカーをいれることにより
高速コーナーの安定感がますなど、車のセッティングもこの車でおぼえた。

355になってからはニュートラルステアになり、より安定した足回りになったが、
少しトリッキーな348を自由自在に操縦する楽しさは格別です。

348のコックピットに座るたび、鈴鹿や富士、岡山TIそして
イタリヤのムジェロサーキットやフィオラノなどのレースシーンを
回想してしまう想い出の車だ。

  # by cavallino-cars | 2011-01-14 15:12 | Comments(0)

Milano での積み込み

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今ミラノからトラックの積み込みが無事に完了したというメールがきた。
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写真を見ただけで肌を針で刺されるようなイタリヤの寒さが伝わってくる。
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あとはコンテナに積み込み、船に載せるだけだ。

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これはシングルだしのオリジナルマフラーのアップ。
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かなりきれいなのがわかりませんか?

それにしても
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前から見ても
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リヤから見ても
文句のつけようがない。
この仕事をしていても通関したらそっと自分のガレージにしまっておきたくなるほど
のコンディションなのだ。


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さらにこの内装の
きれいさがその思いに追い討ちをかける。
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実車が写真より美しいことはあまりないが
この車を目の前にすれば誰もが私の気持ちを理解いただけると思う。
こんな車がマーケットにでることはもうないかもしれない貴重なGTB。

オーナーになられる方が羨ましくなる1台です。

  # by cavallino-cars | 2011-01-13 01:09 | Comments(0)

Dino gt4 chassis #08888

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今回初めて輸入したシリーズ1のgt4は現在日本のフェラーリ正規ディーラーの
コーンズに入庫して基本整備中。

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2004年に19300ユーロ(約212万円)をかけて
エンジンはフルオーバーホールされている。
ブレーキホースもメッシュのものに交換されている。
オーバーホール後の走行距離はわずか6000km。

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今回はカムベルト、エアコンベルト、オルタネーターのベルト、テンショナーベアリングなどの
交換の他、各ホース類の点検を行ない、必要なものは交換する予定。

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スイスのベルンの空港からリムジンバスで約1時間ほどの
Freiburg というスイス国境にほど近いドイツの小さな町に住む方から購入した。
街から20分ほどの郊外の山道を
試乗したことを想い出す。
輸入時にはボディと同じ色に塗られたミラーがついていたが
今はオリジナルの黒いものに交換済み。

ショールームには2月初旬から展示予定。

  # by cavallino-cars | 2011-01-12 17:08 | Comments(2)

308GTB

今回ほど入港が待ち遠しい車はない。

現地で車を購入した後、通常何点かは事前にパーツをとりよせるのだが、
今回はそんなパーツが必要ないほどのコンディションなのだ。

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フロントバンパー内のシグナルレンズはこのきれいさ。

内装は申し分ない。

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リヤから見るとそのフェンダーの美しさがよくわかる。
本当にきれいな308だ。

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タイヤは4本とも2008年26週のものに交換されている。

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日本には1本だしのマフラーがついた308が現存するかは不明だが、
あれだけヨーロッパで見てきても2台ほどしかなかったのだから
数台のみと思われる。
しかも新品のようなマフラーがついているのだ。

今日か明日にはトラックでミラノから引取り、港まで回送する予定。
早くオリジナルのサウンドを東京の空の下で奏でてみたい。

  # by cavallino-cars | 2011-01-11 20:53 | Comments(2)

Dino gt4 series1

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昨年の12月22日通関したDino のクリーニングが今日終了した。

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リヤのテールライトをボディから取り外し、ばらしている所を見ていたら
一体型と思っていたものが実は246Dinoの黄色と赤のテールライトを組み込んでいることがわかった。


Dinoのエンブレムがつくこのシリーズ1のgt4は
76年からはマイナーチェンジが施され
正式にFerrari としてマラネロから出荷されるようになる。

しかしながらDino としてデビュウした頃の方が手作りのよさが随所にみられる。
Ferrari の称号を与えられて変更になったところは
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前後のバンパーのメッキパーツが下の部分がなくなり
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コの字型となる。
さらにフェラーリ伝統のアルミの格子のグリルがつけられた。

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フロントスペアタイヤセクションのカバーが薄いプラスティック形成のものに。上がFerrari になってからのもの。
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初期型は樹脂加工がされたファイバーに黒の革が貼られている。

取り外してみると当時のイタリヤの職人が革を貼っている姿がみえるようです。
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ウィンドウォッシャータンクの蓋もアルミ製で手作り感が満載だ。

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シートはオプションでレザー仕様もあったが標準はモケットとビニールのコンビネーション。
ドアパネルの照明も246と同じ角ばったプラスティック製のものがつく。

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ダッシュボードの蓋は初期型は軽く、開けると蓋の後ろにバニティーミラーがつき
スモールライトをつけると中のバルブが点灯する。
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下に見えるメッキのものがロックボタン。
初期型の方がヒューズボックスがグローブボックス内に納められているため
レッグスペースが広い。
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後期型は蓋の裏の形状も異なり、中の照明もない。
後期型のロックはセンターのアルミのラインにつけられる。

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エアコンの吹き出し口はDino はダッシュボードの上のみだったものが
Ferrari になってからはダッシュ中央下の膝の前にも
設けられるようになった。
シフトレバーの上に見えるのが吹き出し口。
ヒューズボードはグローブボックスから下に移されたため革で覆われたパネルが
助手席前に設けられた。

ダッシュに使用されている革はフェラーリになってからの方が上質のものを
使ってはいますが、エアコンの吹き出し口以外はDinoの頃の方がはるかに
コストがかかっているのがわかります。

より多くの資金をレースにつぎ込むために
生産台数に限りのある手作りのカロッツェリアから
コストを抑え、量産体制に移行し、
生産台数を増やさざるをえなかったのでしょう。

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ハンドルセンターのDinoのホーンボタンもたまらなくかっこいい。
フロントグリルもスポットライトの美しさが強調された
初期型のものが美しい。

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この頃のFerrari はまさに工芸品と呼ぶにふさわしい。

  # by cavallino-cars | 2011-01-08 19:59 | Comments(2)

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