ヘッドライトが点かない??

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フィレンツェから譲り受けたgt4の日本でのオーナーからライトが点かなくなり、フォグライトだけで運転していたが、とうとうフォグもきれてしまったとの連絡があった。
オーナーは他にミウラや308のファイバーグラスを所有するクラシックカーの愛好家。
すぐにフューズボードをみて基盤が割れているので手配して欲しいとのこと。
何台もの古い車を所有しているからこそ、このような的確な情報をつたえてくれる。
クラシックを乗るということは、最低限のメカニカルな知識も必要なのです。

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こちらはクラックが入り、割れてしまったフューズボード。30年間ご苦労さまでした。
英国から新しいものを取り寄せ交換したらヘッドライトもフォグも無事に点灯。

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今回フロントウインドウ回りのシーリングが劣化し、水漏れの可能性があるのでオーナーに相談したところ作業をすすめて下さいとのこと。
上の写真と下のものは新しくシーリングを行った後の状態。
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一度シーリングを削りだして、再シーリングを施す。
新しくなったラバーシールは水の浸入を完全に防いでくれる。
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こちらはイタリアで購入した時のもの。
シーリングがすでに細くなり硬化しているのがわかります。
30年以上も前のシーリングが劣化するのは当然。
古い車を長く乗るにはこういう細かいメンテナンスは必要不可欠。
クラシックを所有するにはそれなりの愛情も必要なのです。

古くともよいものを大切にする気持ちさえあればこのgt4もこれから何十年も美しいままで、ドライバーを魅了し続けるにちがいない。

  # by cavallino-cars | 2014-04-17 01:07 | Comments(0)

welcome back!!

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2012年の夏75年モデルのマントバからきたDino208gt4のオーナーになったのは20代の若きフェラリスタ。
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愛車ランチアインテグラーレを売却して手に入れたgt4を写真に納め、その個展を行うほどの溺愛ぶりは車離れのすすむ若い世代にあって実に嬉しい存在。彼に買ってもらって本当に良かったと思えた。
その彼が急に関西に転勤がきまり、来週から勤務することになった。
迷った末に後ろ髪を引かれる想いで手放すことを決意したという。
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現在の走行距離は47,780km。内外装は39年前とは思えないほどのコンディション。赤のカーペットも実に美しい。
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308よりも軽く回るエンジン、ベロア製のシート、
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Dinoバッジのホーンボタンやホィールセンターキャップ。跳ね馬が一つもないのがいい。
これほどオリジナル度の高い208gt4はイタリアでも出会う確率は本当に少ないのです。
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私がマントバを訪ねたのは2012年の6月だった。マフラーもシングルパイプがつき、太鼓をカバーする黒いネットもオリジナル。
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セキュリティーシステムが作動して、エンジンがかからず、翌日フェラーリ正規ディーラーに運び、試乗して購入を決めた。しかし一目見た時から買うことを決めていたほどそのコンディションは素晴らしかった。
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乾いた2リッター独特のサウンドを奏でるV8エンジンの素晴らしさは、まさにフェラーリそのもの。3リッターほどのトルク感はないが、それを十分カバーするだけの軽さと速さを備えたこの魅力的なスモールフェラーリは一度乗ったらもうその鍵を返したくなくなってしまう。
雨が少なく、乾燥したイタリアだからこそこんなにもよい状態で維持してこれたのだろう。
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しかも当時のマニュアルや、マニュアルケースまで揃っているのだから自分だけの1台にするにはこれほど素晴らしいものはない。
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イタリアクラシック協会ASIの認定書とゴールドプレートもつくお墨付きの1台。
自分で乗ってしまおうか、それとも彼のようにこの車の本当のよさをご理解いただける方にお譲りしようか、思案中。ゴールデンウィーク前には入庫予定。

  # by cavallino-cars | 2014-04-15 20:43 | Comments(4)

Alfaspider

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先週末の金曜日にイタリアのアンコナから来たアルファスパイダーが無事、山中湖の新たなガレージに納車されました。
こちらはマテックスでの最終クリーニングの様子。
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車はもちろん、
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純正のゴールデンロッジのプラグやPhilip社製のバルブケースや中のバルブ類までも徹底的にクリーニングするのがマテックスクリーニング部門の仕事の流儀。
もともとアルフェスタの彼はオーナーの喜ぶポイントをつかんでいる。
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このバルブケースも一般の方からすれば安っぽいプラスティックの入れ物にすぎないが、
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この車を買う方にとってはアルファの刻印のある当時の純正品は宝物なのです。

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こんなアルファとまたイタリアで出会えたら是非、日本に持ち帰りたい。

  # by cavallino-cars | 2014-04-15 09:15 | Comments(0)

美しさの理由

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512BBの納車前の整備とレストアが完了。
今回は購入された方が創業当時からのお客さんで、すべて私にまかせてくれた。
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なかでも私が最もこだわったのがフロントカウル中央のアルミグリルの塗装だった。

まず板金工場にて車体からグリルを取り外し、一枚、一枚をバラバラにして400番の耐水ペーパーで手作業で塗装を落としていく。その後はさらに目の細かい600番、そして仕上げは1000番のペーパーで研いでいく。1本磨く時間はベテランでも、30分はかかる。
下処理の終わったグリルはその後、アルミ専用のアルマイト塗装を行う工場にて、静電塗装という電気を使っての塗装が施される。
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BBのカウルのグリルはさらに特殊で、上のラインだけは鏡のように磨き込まれる。
塗装工場から出来上がってきたものは、当然全体が曇ったままの状態。
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アルミの板の上部だけを丁寧に1枚ずつ、光り輝くまで磨き上げていく。
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写真のように仕上げるにはペーパーで丁寧に磨きこまなければならない。慣れた職人でも1本につき1時間ほどの作業時間を要する。
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こちらはフロントのラジエターグリル。中央のカットされた部分は電動ファンの逃げの部分。もちろんこれも手作業によるカットと思われる。ちなみにフロントグリルはカウルのものとは異なり、表面は鏡面加工はされていない。
これもピニンファリーナのこだわりなのだろう。

こんな膨大な時間と労力がこの車には惜しみなく費やされているのだ。
完成したグリルを組み込んだBBのなんと美しいことか。
この部分が綺麗な車とそうでないものとは驚くほどの違いがでる。

美しさには理由があるのです。

現代のフェラーリとは一線を期す美しさのわけはまさにここにある。
70年代のフェラーリには大勢のマラネロの職人の魂がこもっている。

  # by cavallino-cars | 2014-04-15 09:02 | Comments(0)

アルファから見る初桜 

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来月山中湖に納車になる82年アルファロメオ1600スパイダーベローチェのキャブ調整を含む整備が終了し、最終チェックのために土曜に首都高に持ち出した。東京は今年で最も春らしい日。
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春の日差しをあびてのフルオープンでのドライビングはそれだけで心が弾む。
左肘を窓を降ろした運転席のドアにかけてのドライビングはクラシックならでは。
現代の車は安全基準の変更によりドアは肩がすっかりかくれるまで高くなってしまったからだ。
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この緩い感じのドライビングポジションが都内やリゾート地を運転するには実に心地いい。
レイパーカーJrやEagles などの80年代の曲の入ったカセットテープをこの車のラジオにセットすれば当時にワープするようだ。
乗り降りは普通のセダンに乗るのと同じくらい簡単だし、コックピットスペースも充分に広い。
この1600スパイダーの後部座席には小さなボストンバッグなら2個置けるほどのスペースもある。
さらにリヤにはキャディバッグを2個つめるほどの大容量のトランクさえ備えている。
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アルファ伝統のツインカム4気筒のエンジンは高速に入ると俄然本来のスポーツカーとしての本領を発揮する。
乾いたアルファサウンドは風の音をかきわけてドライバーを刺激する。
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3速や4速で回る高速コーナーはフェラーリ308ほどのソリッドさこそないが、初期型の1300スパイダーのボートを操縦しているようなふわふわとした感覚はなく、スポーツカーそのもの。

基本的にアンダーステアのハンドリングはアクセルでノーズをコントロールすることさえ出来るほど安定している。

4輪ディスクブレーキの効きも実に信頼性があり、安心して飛ばせる大きな一因。
古いオープンカー特有のコーナーでボディがねじれ、ダッシュボードがミシミシ軋むようなこともない。
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軽くトップエンドまで吹け上がるエンジンはこれぞアルファ!! と叫びたくなるほど気持ちいい。
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ドライバーの正面左右のメッキ枠のスピードメーターとタコメーターは視認性も良く、今の液晶で数字が浮き出るものとは一線をきす、かっこよさだ。
ガソリンメーター、水温計、油温計などの小さなメーターがドライバーシート側にオフセトされているのもドライバーをその気にさせる。
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ウッドのステアリングや斜めにつきでたシフトノブもこの美しいスパイダーをより魅力的にしている。
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フロントマスクはDino246を髣髴とさせる可愛らしさ。
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サイドのボディラインはピニンファリーナらしい美しさとエレガントさだ。
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このスパイダーはイタリアの資産家お二人に乗り継がれて来た。当時は日本では伊藤忠オートが輸入元で国内には右ハンドルの2000CCのみが輸入された。この1600スパイダーはその意味でも貴重な1台といえる。
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日本でのこの車の3人目となるオーナーにも34年間過ごしてきたイタリアと同じように美しい景色と素敵な思い出を数多くもたらしてくれることだろう。
個人的に今、オープンカーで何が欲しいと聞かれたなら、アルファスパイダーと即答する。
それほどイタリアからやってきたこのアルファとのランデブーは胸が震えるほど感動的だった。
出来る事ならこのキーは自宅においておきたい。

Viva Alfa !!

平成26年3月29日
桜の咲く頃に。

  # by cavallino-cars | 2014-03-30 18:41 | Comments(0)

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