素晴らしいランチをご馳走になったが遊びにきたわけではないので気分は落ちる。

翌日朝7時半の便でイタリアに向かいます。ベルギーからローマへの往復直行便はBrussels airline のみ。

ブラッセル空港はイミグレから搭乗口まで非常に遠く、徒歩20分。
ローマまでは2時間のフライト。
目的は走行27000kmの1オーナーの208gt4です。

この車は1975年12月24日にイタリア人のオーナーにデリバリーされた。
1998年から20年間動かされずにガレージにそっとしまわれていた。
外装は小さなクラックが多数あったために今年になって再塗装をされたとのこと。

リアトランクはオリジナルのカーペットがひかれ、

マフラーももちろんシングルパイプのものがつく。

この車のハイライトはなんといっても内装のコンディションのよさだろう。
前回ドイツから譲り受けたgt4も同じだが、内装はきれいなものだけを選んで購入している。
どんなに外がきれいでもシートに穴があいていたり、破れたりしているものは興ざめしてしまう。
外装は錆で朽ち果てていない限り、新車のようにレストアすることは可能だが、内装だけはそうはいかない。

クラシックカーの魅力の一つは自分だけの1台をもつということ。
その意味でも当時のままの状態を維持するオリジナルコンディションのノンレストアのものにこだわりたい。
新車のようにきれいであれば今の生地ではりかえてあるものでもいっこうに気にしないという方もいらっしゃるだろう。
しかし40年前のこれらの車は単に当時の性能だけを楽しむのではなく、当時の車だけのもつ職人の手作りの良さに溢れた内装の素晴らしさを実際に感じることのできるオリジナルに私はこだわりたいのです。
きれいに張り替えられてしまった車はその前の状態がわからないこわさもあります。
ボロボロの状態で汚い状態の車である可能性もあり、そんなように扱われてきたた車は決して買う気にはなれません。
マラネロをでてから40年も経過して、ほつれや傷ひとつないオリジナルの内装は非常に貴重です。
このような固体に出会うことは、奇跡のようなことなのです。

当時のまま残っているオリジナルのインテリアはこのgt4がどのように扱われてきたかのバロメーターともいえます。

フロントには当時のスパアタイヤが納まります。

装着してあるタイヤは4本の製造年は1980年か、1990年の31週に生産されたものがつく。
おそらくは80年7月生産のものだろう。
197/70/14のミシュランXWXは現在では生産は終了しており、入手不可能なタイヤだ。
このまま走るのは実に危険で、新しいオーナーはタイヤは交換しなければならないが、この車が本当にずっとガレージに入っていたことがわかる。

ホィールは初期型のみに装着されたCROMODORA 製のDinoの刻印の入るものがつく。
当然センターのホィールキャップには跳ね馬ではなくDino のマークのエンブレムがつく。

テールライトやバンパーからもこの車のコンディションのよさが伺われる。

ステアリングホィールはブラックのステイのMOMO製のオリジナル。
センターにはDinoのホーンボタン。シルバーのウインカーレバーも当時のオリジナル。

但し問題がないわけではない。担当者にドアのインナーライトが灯かないと言ったらバルブが切れてるだけで簡単になおるとのこと。

一応はずしてみたら、バルブを固定するプラスティックのステイが折れている。左右とも同じ箇所が壊れている。

唯一点灯するのはリヤシートの上の室内灯のみだが、よく見るとフレームが黒のプラスティックの社外品がついていた。
来週には英国からパーツが来るので問題ないとのことだが、そんな簡単に手に入るものでないことは私のほうが百も承知している。

ウインドウウォッシャータンクはモーターが壊れたために新しいものに交換されていた。
すべてオリジナルという車はまれで、一台一台コンディションも違うのがクラシックの楽しみかもしれないが出来るだけ当時のものがつく1台を自分のガレージには納めたい。
ネットや海外に行った時に当時のオリジナルのパーツを購入するのもクラシックカーオーナーの楽しみのひとつかもしれない。

エンジンルームはきれいだが、キャブ調整もきちんとされてないようで点火時期が狂っているようでミスファイアがめだつ。

価格も308よりも高価なためにこの状態で購入するのはさすがにためらわれる。

来週の火曜には完璧な状態にするとのことなのでとりあえずローマに住む従兄弟に様子をみてくるようにお願いしてきた。
はたしてどの程度までエンジンは調子を取り戻し、どこまでパーツがそろうのかをみて再度、イタリアを訪れることにしようと思う。