クラシックカーは購入してからのトラブルはすべて自己責任です。
もしこれから購入されることを検討されている方は、販売店から詳しく国内や海外での整備状況を説明していただくことが重要です。
もし特に整備をしていないクルマや海外から個人で輸入した場合などは整備に少なくとも200万円以上を見ておくべきでしょう。
ここ数年で弊社が輸入した車は納車前にかなりの費用をかけて整備してからお客様のもとへお届けしています。
オイル漏れはもちろん、点火時期の調整、プラグの交換、傷んだブッシュ類の交換、プラグコードの点検、デスビキャップにヒビが入っていないか、サプレッサーにヒビやかけがないか、ブレーキの点検、ドライブシャフトブーツの点検など、その整備項目は数えきれないほどで、クルマによっては数か月を要します。
これは現地でのエンジンの写真。
そしてこちらは日本に到着して整備中の写真。デスビもきれいになっているのがわかりますか?今回はプラグコードも新品に交換しました。
今日はそのうちの一つのブレーキホースについてお話します。
現地で購入する前に確認することはギヤが問題なく入るか、シフトダウンもきちんとできるか、フルブレーキングをした時にまっすぐ止まるか、エンジンから異音がしないか、その他大きな事故を起こしていないかなどの下回りの確認など。しかし実際に細かく点検するのは日本に到着してからとなります。
その中でもブレーキは重要な点検項目です。
こちらは1976年当時の未使用の208gt4用のATE社のブレーキホース。ホースには製造年月がプリントされています。
DOT C 6/78 は78年6月生産。さらに新車時のホースには製造年が打刻されたプラスティックのリングがついています。
こちらは同じくgt4用の未使用の82年8月生産のホース。
一般にブレーキホースの寿命は8年ほどといわれています。工場によっては表面がひび割れていたり、硬化しているものは交換しますが、旧車の場合走行距離が短いこともあり、ほとんどのクルマは交換されていません。クルマをリフトした時にブレーキホースの汚れを拭いていただくと簡単に確認できますので、機会がありましたら見てみて下さい。
きちんとブレーキが効いていても、さすがに48年前のホースで劣化しているのは間違いありません。
表面にヒビ割れがなく、カシメからオイル漏れがなくとも1976年製のブレーキホースは交換した方がよいでしょう。