<   2019年 12月 ( 19 )   > この月の画像一覧

 

生き物のように変化するキャブレターのエンジン

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17243771.jpg
整備に入庫した308やgt4 のエンジンは、キャブ調整を終えるとピックアップがまるで別の車のように軽くなる。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17261101.jpg
納車時には完璧な状態でお渡ししてはいるが、点検に入庫してきたクルマはプラグがかぶっていたり、点火時期がくるっていたり、エンジンがどこか重く、サウンドもこもった状態で入庫してくるものが多い。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17251427.jpg
それらの車をあのフォーンといういっきに回るエンジンに調整し、最後のロードテストをするたびにいつも思うことはキャブの308やgt4の素晴らしさです。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_02342468.jpg
キャブのクルマはその調整によってまったく違う加速をし、何とも麗しいエンジン音を奏でます。
まるで生き物のように変化するのです。


私が輸入したすべてのgt4や308GTB,GTSはどれもイタリアやベルギー、ドイツなどから厳選して輸入したものばかりです。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17552147.jpg
よどみなく回るエンジンの素晴らしさ、美しいボディ、わくわくするコックピット。
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17583212.jpg
最初にスコットランドで初めてgt4を運転した時の感動は10年たった今でも変わりません。


生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17563794.jpg
以前ブログでもご紹介しましたが、冷間時にエンジンを始動する時にはアクセルは踏み込まず、肩をたたくようにポンポンとアクセルペダルを数センチパタパタするだけ。

セルを回しっぱなしでバン、バンと初爆があっても完全にエンジンがかかるまではセルをまわし続けてエンジンが掛かった状態でアクセルを踏んで始動させます。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17572135.jpg
その後は回転数を2000回転まであげ、燃焼室の温度がガソリンが気化するまで熱くなるまで暖機運転をします。
アクセルを急に踏んだり離したりするレーシングはNGです。

アクセルペダルから足を離してのアイドリングは安定していても水温が70度まで上がるまでは避けたほうがいいでしょう。
これがプラグをかぶらせない方法。

あとは始動してすぐは、できるだけ渋滞はさけ、水温、油温があがってきたらエンジンを5000回転くらいまで回してあげることです。

このようなエンジン始動方法はオーナーにしかわからない儀式のようなものですが、自分だけの1台としてはこんなことも楽しく感じます。

古い車だから出来るだけエンジンの回転はおさえて、コーナーはゆっくり、加速はアクセルをゆっくり開けて走ることが大事にすると考えているのなら、それは間違いです。

スポーツカーである308やgt4はアクセルを全開にして初めてそのよさがわかるからです。
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17314051.jpg
あのいっきに吹け上がるエンジン、独特なフェラーリサウンド、路面状況を的確に伝えてくるステアリングホィール、
コーナリングでのアクセルコントロールでノーズがすっとインに入るバランスのよさ、それに美しいデザインやインテリアなどスポーツカーに求めるすべてがそこにあります。

一度でも調子のいいGTBやgt4にのれば、そのサウンドや加速感、そしてハンドリングの虜になるはずです。

F1のような加速をする800馬力の812スーパーファーストも素晴らしいですが、私は250馬力の308や190馬力の208gt4の方に魅力を感じます。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_12283447.jpg
様々なデバイスのついたモダンフェラーリではできない車をコントロールするという楽しさがあります。
それにベルリネッタにはあのピニンファリーナの、そしてgt4にはベルトーネの今のフェラーリにはない美術品のような美しいエクステリアとインテリアが加わるのだからこれ以上のぞむものはなにもありません。
その美しさはモダンフェラーリを凌駕するものがあります。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_02335434.jpg
小雨降る英国でオーナーが上りコーナーをアクセルコントロールで軽くドリフトさせながら登っていった時のあの感覚。
自分でステアリングをにぎった時の叫びたくなるような衝動は初めてF40 に乗った時以来でした。

10年たった今でもキャブレターの308やgt4を運転するたびに そして眺めるたびに やっぱりいいなぁ と心から思います。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17282420.jpg
ヨーロッパには古い物を大切にするという文化があります。
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17485683.jpg
あの中世に作られた美しい建造物は技術革新や様々なテクノロジーがすすんだ現代でも作ることはできません。

それと同じように職人の手で作られた美しい308やgt4を作ることは今ではもう不可能です。
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_13172659.jpg
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_13164537.jpg
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_15421374.jpg
エリッククラプトンが512BBに似せて作らせたSP12や
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_13171238.jpg
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_15422586.jpg
ランチアストラトスの復刻版、
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_13183980.jpg
アルピーヌなどは当時のものに比べるとどこか安っぽく、デザインの細かいディテールの美しさがありません。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17305599.jpg
イタリアの文化遺産ともいえるほど美しく、今乗ってもモダンカーとも引けをとらない運動性能をほこるこれらの車が自宅のガレージにある喜びは格別です。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17302563.jpg
レーシングカーのような爆音をひびかせ疾走するモダンスーパースポーツにも魅力は感じますが、やはり終の1台としてはエレガントなクラシックなスポーツカーを選びたい。
生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17324176.jpg
それにふさわしい車としてこれからも素晴らしいコンディションのフェラーリを輸入しようと考えます。

生き物のように変化するキャブレターのエンジン_a0129711_17502769.jpg
この感動を一人でも多くの方にお届けしていきたいと思います。

2019年12月



  by cavallino-cars | 2019-12-30 17:33 | Comments(3)

イタリアのクリスマス

ローマに住む従姉妹からクリスマスのメッセージが届きました。
パドヴァに住むご主人の姉のところで過ごしたようでクリスマスディナーの食卓の様子を送ってくれました。
写真はレストランではなく、ご自宅のダイニングルーム。

イタリアのクリスマス_a0129711_16282701.jpg
クリスマスには家族が集まって過ごすのがイタリア式。
イタリアのクリスマス_a0129711_17415767.jpg
日本の商業的なクリスマスもいいですが、ヨーロッパのそれは歴史というか伝統を感じます。
(上の写真は京橋明治屋横のイルミネーションツリー)
一年に一度家族が全員あつまりおごそかに過ごすクリスマス。
後ろのキャビネットにはキリストの誕生をあらわす人形が並べられる。

クリスマスには赤いキャンドルを使います。
おそらくお皿もクリスマス専用。

白のテーブルクロスに赤のランチョンマット。
すべてイタリア人の従姉妹のお母さんから引き継いだムラノレースだそうです。

食器はすべてシルバーのカトラリー(フォークやナイフ、スプーン)。
テーブルには天使の人形が置かれます。

これは従姉妹の家だけでなく、どのイタリアの家庭でも同じような飾りつけをし、夕食後にはパネトーネというケーキをいただきます。

イタリアらしいクリスマスです。

  by cavallino-cars | 2019-12-26 17:17 | Comments(0)

sport Driving は楽しい

sport Driving は楽しい_a0129711_19163323.jpg
10年以上前になるが、レースをはじめたばかりの頃348チャレンジで岡山サーキットを走った。
当時筑波や富士は走ったことはあったが、岡山TIサーキットは初めて走るサーキット。
レース前のプラクティスで右まわりの2コーナーで岡山がホームグラウンドの348のドライバーにぴったりついて、同じ速度で右コーナーに侵入。
彼は何事もなくコーナーをクリアしたのに対し、私はアンダーステアがでて失速してしまった。

もちろん私の車のリヤを少し上げた低速コーナー重視のセッティングも影響しているとは思うが、仮に同じセットアップの車だとしたら、問題はブレーキング。
sport Driving は楽しい_a0129711_12283447.jpg
コーナー手前でフルブレーキング後、右足のブレーキペダルをゆっくり離せば、フロント加重のまま、車はコーナーへ進入し、コーナーをクリア。
もしブレーキペダルをパッと離してしまえばフロントタイアへの荷重はいっきにへり、アンダーステアがでて、さらにハンドルをきり、スピンモードに入ることも考えられる。

それほどブレーキングによる荷重移動は重要で、同じ速度で進入しても車の挙動はまったく異なる。

一般の方の運転の横にのると特に気になるがヒールアンドトゥ。

sport Driving は楽しい_a0129711_02352717.jpg
ブレーキを踏んだ足でアクセルをあおる時にブレーキの踏力がゆるみ、ブレーキングでフロントがしずんでいたのにアクセルをあおる時に荷重が抜け、せっかくフロントタイヤに荷重がかかていたのが抜けてしまう。

フロントヘビーにするとタイヤのグリップ力がまし、コーナーをクリアしていくのに対し、荷重がぬけるとハンドルをきってもタイヤが横滑りして、外にふくらみ、さらにハンドルをきらないと思った方向にすすまないという現象がおきる。
その状態でアクセルを踏めば事態は最悪となり、スピンモードにおちいります。

ブレーキの踏力をゆるめずにノーズダイブのままコーナーをクリアしていく練習はスポーツドライビングの基本です。

sport Driving は楽しい_a0129711_02335434.jpg
もちろん一般道でレーシングスピードで走ることはないですが、この基本をマスターしていれば万一オーバースピードでコーナーに侵入してもクラッシュする危険からは逃れることもできるし、くるまの挙動を知るよい練習になる。

首都高速の制限速度内でもくるまの荷重移動は体感できるので是非、スポーツカーに乗られている方にはコーナリング時に意識して欲しい。

sport Driving は楽しい_a0129711_03134179.jpg
より安全に速く走るイメージトレーニングはレーシングスピードでなくとも可能です。


  by cavallino-cars | 2019-12-24 12:45 | Comments(0)

冷間時のキャブレターのエンジン始動方法

冷間時のキャブレターのエンジン始動方法_a0129711_15423892.jpg
キャブレターの308GTB やgt4にはエンジン始動から燃焼室の温度があがるまで不完全燃焼をふせぐためエンジン回転数を2000回転にあげるというオートチョーク機能がついている。

冷間時のキャブレターのエンジン始動方法_a0129711_17463941.jpg
バイメタルという方法で金属のぜんまいのようなもので温度によりそれが収縮し、スロットルロッドを動かし、冷間時にはアイドルを2000回転に上げ、水温が80度になると通常の1000回転にもどすというシステム。

ただし40年前に作られたものであるため正しく働かないものや殺している車がほとんど。
直すためにはオートチョークそのものをアッセンブリーで交換する必要があり、パーツが揃わない可能性も高く、
運よくパーツが入手できても数十万円の出費となる。

寒い今の季節は特にエンジンをかけた時の燃焼室の温度も低く、キャブレターの内部に送り込まれたガソリンも気化しにい。そのため燃焼室は不完全燃焼状態となる。

冷間時のキャブレターのエンジン始動方法_a0129711_13102025.jpg
その不完全燃焼をふせぐため、アイドリングを2000回転にして、ガソリンが気化しやすい燃焼室の温度が適温になった状態でアイドリングを正常の1000回転くもどすのが上のオートチョーク機能です。

それがただしく働いてないものは自分の足でアクセルをコントロールするしかありません。
エンジンをかけた後、アイドリングで放置すればするほど、点火プラグの状態は悪くなります。

冷間時のキャブレターのエンジン始動方法_a0129711_15174786.jpg
水温が上がるまではたとえ1分でも回転を1000回転で放置するのはやめるべきです。
エンジンをかけたらすぐに止めず、水温が上がるまで2000回転をキープするのがベストです。
いきなり4000回転までレーシングするのも、冷えた燃焼室にメインジェットからガソリンを大量に送り込むのでおすすめしません。
冷間時のキャブレターのエンジン始動方法_a0129711_19453372.jpg
大量に送り込まれたガソリンにより、プラグがさらにかぶる可能性があるからです。

冷間時のキャブレターのエンジン始動方法_a0129711_9355673.jpg
水温が80度くらいにあがるまでは出来るだけ2000回転をキープしておくことがいつも調子よいコンディションを保つ秘訣です。

  by cavallino-cars | 2019-12-23 12:05 | Comments(0)

ナポリからの308用シングルパイプのマフラー

ナポリからの308用シングルパイプのマフラー_a0129711_13082638.jpg
以前Dino208gt4 のマフラーを譲っていただいたナポリのパーツショップから

308のオリジナルマフラーをそっくりコピーしたもののオファーがきた。

輸入通関費、消費税を含めた価格は38万円。

装着してみないとどんなものかはわかりませんが、デュアルタイプのものよりははるかにいいような気がします。

  by cavallino-cars | 2019-12-21 13:09 | Comments(0)

road test

road test_a0129711_02344015.jpg
キャブ調整をすませたDino208gt4 をロードテストのために首都高に。

road test_a0129711_02333214.jpg
ギュ-ンというギヤノイズ、キーンというフライホィールの音そして乾いたエキゾーストノート

の3重奏はまさにフェラーリサウンドそのもの。


road test_a0129711_02352717.jpg
そのサウンドは246の排気音をより乾いたものにしたような感じだ。

さすがにタイトなS字のコーナーでは246に比べ、車重の違いは感じるものの、

シフトフィールは246のヌルっと入るのとは異なり、

カチカチッとゲートに吸い込まれていく感覚は格段にいい。

246の1速や2速でトルクをかけるとたまにギヤがスポンとぬけることもなく、シトレバーを押さえておく必要もない。

加速は246よりもシャープで、308に比べ2リッターのエンジンを搭載する208gt4は

その軽い車重とショーターギヤを使用しているためあっという間に吹けきってしまう。

road test_a0129711_02335434.jpg

アクセルのほんの少しの踏み加減で即座に反応するエンジンのレスポンスのよさはスポーツカーそのもの。

road test_a0129711_03134179.jpg
タコメーターの針はアッという間にレッドゾーンに飛び込もうとする。

エンジン調整をすませたばかりのキャブレターのgt4はサウンド、レスポンスともに

言葉にならないほどでいついまでも運転していたくなる衝動にかられる。

308のトルクフルなエンジンもいいが、ライトウェイトスポーツのようないっきに

トップエンドまで回ろうとする208には違った魅力があります。

road test_a0129711_02350012.jpg
ドアポケットは308GTBと同じように巡航時にはひじをおくのに丁度いいポジション。

road test_a0129711_02342468.jpg
pininfarina の曲線のラインもいいが、ベルトーネのウエッジの効いた宇宙船のようなボディシェープも実に美しい。

ミッドシップフェラーリの2+2でこれほど美しく、

ファントゥドライブなクルマはない。

今弊社で販売しているのはこのシルバーとイタリアから到着したブルーグリーンの2台のみ。

2台とも貴重な初期モデルです。

road test_a0129711_11390055.jpg
1年点検でお預かりしている赤の208gt4とデスキャップを交換したブルーの308gt4も

ロードテストを実施。

road test_a0129711_11394638.jpg
2台ともプラグを新しいものに交換しました。

1度かぶってしまったプラグは掃除しても本来の発火はしません。

多少くすぶっている感があるクルマは点検時には交換するべきでしょう。

アクセルを踏んだ時のレスポンスはもちろん、アイドリングでの排気音まで比べられな

いほどスムーズになる。

何十台も乗っている私でもこれほどまでに違うのかと思えるほど。

1本わずか500円ほどのプラグを新品に交換するだけで

まるで違うエンジンを載せたようにレスポンスが良くなります。

4,000円でこれほど変わるのであれば交換しない理由はないでしょう。

2台とも週末には納車予定。

オーナーの M さんと A さんのインプレッションをお聞きするのが今から楽しみです。



  by cavallino-cars | 2019-12-21 12:46 | Comments(0)

エンジン調整

エンジン調整_a0129711_15402102.jpg
今日はDino308gt4 のデスキャップとローターの交換と先週入庫したばかりの208gt4 のエンジン調整を行いました。
エンジン調整_a0129711_18153779.jpg
初期型の208gt4はツインデスビ。
点火時期はマニュアルに記載されたデータより少しだけ早めに設定。
その方がよりレスポンスがよくなる。

今日は雨のためテスト走行はできませんでしたが、エンジンは軽く、その乾いたサウンドを聞いただけで調子のよさはわかります。

明日のロードテストの状況はまたレポートします。

  by cavallino-cars | 2019-12-19 22:04 | Comments(0)

エンジンがかからない。

今月始めにDino308gt4 のオーナーからエンジンが掛からないという連絡があり、キャリアで工場まで回送。

原因はプラグのかぶりでした。
エンジンがかからない。_a0129711_15423892.jpg
プラグを掃除して、再始動すると問題なくエンジンはかかりました。

油脂類の交換などの1年点検も実施。
エンジンがかからない。_a0129711_15430180.jpg
一応念のため、デスキャップをはずしてみたところキャップ内側の金属のリングが割れているのを発見。

上の写真の左上の11の数字の下の金色のリングが割れているのがわかりますか?

そのリングの回りをローターが回るため、接点が大きくなった径の分だけ、下の写真のように削れて薄くなっています。

このまま乗り続けていればいずれはミスファイアをおこし動かなくなっていたでしょう。
エンジンがかからない。_a0129711_15464845.jpg
写真の上の矢印の接点が削れて薄くなっているローター。

下が正常の接点。

ローターもデスキャップも在庫があったため修理は完了。

装着してあったプラグはイリジウムプラグ。

状態がいいのでそのまま使ってみましたが、すぐに真っ黒に。

イリジウムプラグは一度かぶってしまうと、どんなにきれいに掃除しようが再使用はできません。

装着時は発火もよくなり、一時的にはエンジンの調子はよくなりますが、308やgt4にはむかないようです。

ということで今回はNGKの新品に交換しました。

土曜日にオーナーのもとへ回送します。

  by cavallino-cars | 2019-12-19 18:04 | Comments(0)

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか

GTはイタリア語のグランツーリズモの略で、長距離のドライブを快適にすることの出来る動力性能と操縦性を持つ車という意味。

余裕あるエンジンパワー、乗り心地のよさ、運転疲労の少なさ、走行安定性などを合わせもつ2シーターまたは2+2のクルマの総称といっていい。

いっぽうスポーツカーとは運転をスポーツととらえ運転そのものを楽しむために作られたクルマのことをいう。
以前は二人乗りのクルマはすべてスポーツカーだと思っていた。

しかしレースを経験し、クルマをコントロールすることを学んだ後はその考えはガラリと変わる。
GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_10570747.jpg
512BBやテスタロッサはGT。
GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13063172.jpg
308やDaytona, gt4 はスポーツカーなのです。

その違いは運転すると明白で、BBやテスタロッサのようなGTはコーナーでテールスライドやアクセルコントロールでクルマをコントロールすることは難しく、まっすぐな道をひたすら走るのに適した車。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13055658.jpg
いっぽう308やgt4のようなスポーツカーはコーナー手前でフルブレーキング、ノーズダイブのままゆっくりブレーキペダルをもどし、アクセルコントロールでノーズの向きを変え、コーナー出口にきたらフルスロットルでいっきに加速する。
そんな運転ができるのです。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13104749.jpg
もちろん今の488や812はまぎれもないスポーツカーではありますが、

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13111290.jpg
一般道でテールスライドさせたり、ドリフトさせるのは限界速度があまりに高すぎる上、

さらに様々な安全のためのデバイスがついており、サーキットにでももちこまないかぎりクルマをコントロールする楽しさは

味わえない。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13131864.jpg
その意味でクルマをコントロールする楽しみ、運転そのものをスポーツとして一般道でも楽しめるクルマは私の中ではF40や355までです。

308やgt4はそんな運転が出来ることに加え、美しい美術品のようなボディがついてきます。

BBの美しさは誰もが認めるところですが、
GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_10572610.jpg
後ろに積んだ12気筒のエンジンは搭載位置は高く、

重いためコーナーでのバランスは悪く、一度すべりだしたテールをコントロールするのはプロドライバーでも難しい。

そもそもそういう運転をするような車ではないのです。


GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_10571684.jpg

シートのサポート性はスポーツカーというよりソファーのように快適で、そのドライビングはGTそのものです。

クルマをコントロールするということをスポーツとするなら、308やgt4はまさにスポーツカーです。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13083157.jpg

208gt4は308に比べ、トルクはありませんが、ギヤはショーターギヤを採用、車重も軽く、カムも異なるため、

キビキビ走り、フルスケールで回せるのも魅力です。

まさにライトウエイト感覚。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13090191.jpg

そのハンドリングのクイックさは246に勝るとも劣りません。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13090825.jpg

シフトの剛性はむしろ246よりも優れているといえます。

246のようにギヤがヌルッと入る感覚とは異なり、カチッと入るのもいい。

途中シフトノブをおさえていないと2速からぬけてしまう246のようなこともありません。

唯一劣っているとすればその重量だけでしょう。

たしかに246の形は魅力的ではありますが、208gt4の5倍近い額をだして購入する価値があるかは疑問です。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13161446.jpg

同じライトウェイトのアルファロメオと比較して決定的に違うのはその秀逸なハンドリングと

アクセルに即座に反応するエンジンでしょう。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_16100407.jpg
208gt4からアルファに乗り換えるとそのハンドリングの違いは明白です。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_16105501.jpg
アルファロメオのハンドリングはスポーツカーとよぶにふさわしいですが、

フェラーリのそれはレーシングカーに近い。

というかレーシングカーそのものです。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13411672.jpg

4速6000回転で進入するコーナーでステアリングアングルはそのままで

少しだけ右足をゆるめるとスーッとノーズがインに入る感覚はまさにスポーツそのもの。

サーキットでのコントロールをそのまま一般道でもできる気持ちよさ。

ここでフルブレーキングをすれば間違いなくスピンしてしまうような速度で

クルマをコントロールする喜びはモダンフェラーリでは味わえない楽しさです。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13194722.jpg

それにあのベルトーネの美しいボディがついていくるのだから他に何を望みましょうか。

プラスチックやカーボンを多用したモダンフェラーリにはない美しさがあります。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13202487.jpg

手が汗ばむほどとばした後に眺めるgt4の美しさは

今まであんなに激しいドライビングが出来た車とは思えないほどエレガントで美しい。

GT とスポーツカーのどちらを選ぶか_a0129711_13215653.jpg

しかも40年前に作られたことが信じられないほどのポテンシャルなのです。

最高速度やその加速性能だけでスポーツカーを判断するのは間違いだということが、

208gt4のハンドルを握るたびに思います。
 
美術品のようなスポーツカーがある生活は実に素晴らしい。

  by cavallino-cars | 2019-12-19 16:11 | Comments(0)

208gt4 入庫


208gt4 入庫_a0129711_15164757.jpg

2016年の夏、イタリアのPietrasanta から譲り受けたDino208gt4 が再び弊社に戻ってきました。
208gt4 入庫_a0129711_15165988.jpg

2017年に二コルでフル整備したこの固体は同年10月に日本での1stオーナーの元に渡り、

208gt4 入庫_a0129711_15170964.jpg

その後ハブベアリング交換、ニュータイヤの装着などメンテナンスがされる。
そして2年ぶりに先週の金曜に弊社に戻ってきました。

208gt4 入庫_a0129711_15171730.jpg

初期型はバンパーが薄く、グリルも小さいものが装着。
そのマスクは後期モデルに比べ実にすっきりしている。

208gt4 入庫_a0129711_15190238.jpg

ホィールはCROMODORA 製。4本すべてにDinoの刻印が入る。
ちなみにFiat の刻印のあるものはgt4用ではない。
今ではこのタイプのホィールも入手困難。

208gt4 入庫_a0129711_15181996.jpg

リヤのマフラーは1本だしのオリジナルがつく。

あっとう間にトップエンドまで回るエンジンに、バランスのよいシャーシ。
細いステアリングには路面状況が手に取るように伝わってくる。
コーナーでのバランスのよさはレーシングカーに近く、アクセルのコントロールでノーズの向きを簡単に変えることができる。
まさにスポーツカーそのものです。

シルバーの外装に黒のモケットの内装。真紅のカーペットの組み合わせも美しい。

208gt4 入庫_a0129711_15173399.jpg

75年モデルはシートの座面は上の写真のようにすべてモケットタイプ。
サイドサポートがビニールレザーとなるのは76年モデルから。

208gt4 入庫_a0129711_13331026.jpg
ステアリングセンターのDinoの刻印の入ったホーンボタンも当時のオリジナルです。

現在ショールームに展示中。

すべてオリジナルの固体を探すのは日本ではもちろん、イタリアでも難しくなってきている。
ご自分だけの1台としてずっと持ち続けたい車です。

  by cavallino-cars | 2019-12-17 15:23 | Comments(0)

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE