出張最終日はイタリアの最南端に近い、ちょうど靴の親指にあたるCosenza まで行く。
車だと10時間以上かかるところ。朝7時15分ミラノリナーテ空港発、ローマ経由のアリタリアでLamenza Terme空港に向かう。

今回はまさにイタリア縦断の旅です。ミラノは雨だったがLamenza Terme は曇り。

さすがに暖かい。雰囲気は20年ほど前の沖縄といった感じです。
そこから約50分乗り合いバスでCosenza の街へ向かいます。お客は3人のみ。
カフェの前のバス停で降りたらすぐにオーナーのご子息さんが迎えにきてくれました。

そこから山の上にあるオーナーの自宅へ向かう。ミラノやローマとはまるで違うイタリア。
湿度まで管理してあるガレージを開けると目的の車があった。

ABS付の最終モデル。横にあるカバーのかかったバイクはDUCATTI です。

生産台数わずか308台のほぼ最終ロットに近いこの車のコンディションは予想どうりのものだった。

自宅近くの山道を遠慮がちにとばしていくうちにコンディションのよさがよくわかる。その上で徐々にペースを上げていくとオーナーはもっと飛ばせといってきた。

3速のコーナーを軽くスライドするくらいのペースで走ってもサスペンションはしなやかにストロークするのみで運転していてこれほど楽しい車はフェラーリ以外ではないだろう。
限界の低いこのくらいのクラスが車をコントロールする醍醐味があって最高なのだ。
これが458や599だとその限界の高さゆえにここまで楽しめない。
2速、3速を駆使しながら35000回転を越えたあたりからのF40ゆずりの暴力的な加速が開始される快感をイタリアの山道で楽しめる喜びは言葉にたとえようがない。
当時、新車の発表会に呼ばれたジャーナリストが実に羨ましくおもえるほどだ。

さらに嬉しいことにマニュアルはもちろん、スペアキーまですべてオリジナルが揃っている。

ウインドウを交換した時に車台番号を打刻するためのレターカードまで残っている車は非常に少ないのだ。

走行わずか29000kmのこのオーナーのお気に入りのドライバーはセナとビルヌーブ。書斎にはたくさんのフェラーリのミニカーとポスター、そしてヘルメットのコレクションがあった。
こんなフェラーリラバーから譲り受けられたことを嬉しく思う。
これで日本にくるGTBturbo は5台目となる。
どちらも間違いなく自分だけの1台になる珠玉の1台だ。
今年に入ってから何台ものGTBターボを見てきたが、これという車になかなか出会えなかった。
Avellino のものはバルクヘッドがオリジナルでないレザーだったり、英国のものもへこみやエアコンの温度表示パネルの欠損などが気になり、購入には至らなかった。
今回は2台のGTBturbo と巡り会えた。2月はSwissからの308とFirenzeからのgt4の2台。
そして今回の2台。素晴らしいV8フェラーリたちが続々と春に日本にやってくる!