フィオラノを初めて走ったのはムジェロで行われた348チャレンジのワールドファイナルに参加する前にアメリカチームと日本の参加者で走った40年ほど前。4年前にフェラーリが始めたクラシックフェラーリのドライビングスクールに参加した時はすっかりコースのレイアウトも忘れていて、コースを覚えるだけで時間がかかりました。

2021年に初参加してから今年で5回目になりますが、何回参加しても本当に楽しく、フェラーリの、そして308の素晴らしさを再認識させられます。

走りこめば、走りこむほど、フィオラノはクルマの挙動をつかむのに実によくできたサーキットなのです。今のモダンフェラーリには小さすぎてものたりない気もしますが、308やモンディアルなどの70年代、80年代のフェラーリには最高の舞台です。

タイムアタックをするわけではありませんが、速度制限はないので自分のレベルにあったスピードで走れるのです。
助手席に乗ったプロドライバーからのアドバイスを受け、当時348でレースをしていた時のようなスピードでコーナーに入る緊張感は言葉にならないほど。3速5000回転ほどでアクセルワークでコーナーをクリアしていくあのフェラーリをコントロールしているという悦びはサーキットでしか味わえないものです。裏ストレートでモンディアルで5速でテールが少し滑った時のあの感覚。サーキットでしか試せない経験です。


これは1コーナから立ち上がり、左コーナーに向かうショット。

2速全開でぬけ左コーナーのクリップ手前でふけ切り、3速に入ります。

またここを走るたびに感じることは一人でも多くの皆さんにこのクラシックフェラーリの素晴らしさをお届けしたいということ。
きちんとメンテナンスしていないクルマはこんな走りを体験することは出来ません。輸入した1台、1台は足回りやオイル漏れ、ステアリングラックのガタ、ブレーキパッドやホースなどをチェックして、必要なものは交換し、最後にロードテストをしてから納めさせていただいています。

ここフィオラノで全開で走れるようなコンディションのクラシックフェラーリをこれからもお届けしていきたいと思います。