先週の6月20日の木曜日、F40 を海外に輸出するために成田空港に回送しました。
午前9時に弊社から成田の通関業者の倉庫に持ち込みます。
11時に到着して危険物検査を実施。
この小さな紙を
タイヤとホィールに何度かこすりつけ、
それをこの検査器に挿入。
すると瞬時に爆発物がないという結果がでます。この機械の価格はなんと6000万円ほどするとのこと。
待つこと2時間。午後1時に通関が切れて、成田空港に向かいます。
空港内の積み込み場所でクルマを降ろします。
輸出の手配をしていた業者からは床に置くだけでいいと聞いていましたが、今回利用するルフトハンザ航空側からはドーリーというタイヤ付きのパレットに直接置いてもらわなければ、今日は持ち帰ってもらわなければならないとのこと。
急遽パレットが水平に上がるトラックを手配。待つこと1時間。
バックでトラックのパレットに載せ、
ドーリーの高さに合わせてそのまま水平に移動。
ゆっくりと決められた位置まで進みます。
あとは現地のスタッフがラッシングをします。
ラッシングとはクルマを固定する作業のことを言います。
機内の揺れに対してもクルマがジャンプしたり、横にずれたりしないようにしっかり固定します。
すべての作業が終了したのは午後の4時。
そのままルフトハンザ航空の所定の場所まで移動されていきました。
ドイツのフランクフルトには同日の午前7時に到着。
翌日到着したとの連絡がありました。
フランクフルトではパレットがそのまま床に置かれてたので移動は問題なし。
下は現地から送られてきた写真です。
この円安で今年に入り、何台もの40や50、エンツォなどが海外に輸出されています。
日本からこのような素晴らしいコンディションのクルマがなくなってしまうのは寂しい気がしますが、今の価格では思いっきりとばすこともかなわないのでしかたないのかもしれません。新たなオーナーは乗るためではなく、投資として購入されるのでしょう。
安かった?時代に何台ものF40 を実際にのれたことは今となっては私の財産です。
私のもっとも好きなフェラーリはと聞かれたら間違いなく40と答えます。
最初に40を買った時はまだ父が元気だった30年以上前。クルマ好きだった父に乗せろといわれ、首都高を走りました。
とばせと言われアクセルを全開にしたら、あまりの加速に驚き、銀座のインターで降りると、殺す気かと怒ってタクシーで帰ってしまったことを思い出します。
40の助手席にのったことはありませんが、運転席に座っていてもあのブラックホールに吸い込まれるような強烈な加速とウエストゲートが開くヒュンという音、
スパルタンな室内、ダイレクトなハンドリングは唯一無二。ターボが効いた時の背中がシートに押し付けられるようなあの強烈な加速感はドライバーより助手席の方がよりすごく感じられるのは想像できます。
今のフェラーリに比べれば速さこそかないませんが、あの思わず叫びたくなるような衝動に駆られるクルマは今でもF40だけです。
もうこんなに私を魅了するクルマは作られないでしょう。