

308やgt4に乗るたびに言葉にできない感情につつまれる。

このクルマには特別なものがあるのだろうか?その速さは今のフェラーリに比べれば、比べようもない。しかし296や488にはないものがある。

フィオラバンティ氏やベルトーネの作った美しいボディ、


ステアリングやスイッチなど手に触れる部分から感じ取れる手作りならではの感触。そしてエンニオマリコーネの曲のような美しい音色を奏でるエンジン。


イタリアの生んだ天才的デザイナーのこだわりが随所にみられるこの2台のフェラーリには今のモダンフェラーリにはない繊細な美しさがあります。

308のドアアウターハンドルやドアの内側のひじ掛けに隠れたオープナー、gt4のカチッとしたトグルスイッチやフロントウインドウやドアウインドウ回りのあの美しいメッキモール。左右のエアインダクト。

それらからは彼らが追及した美しさが感じられるのです。

ひとたびワインディングに駆りだせば、エンジンは3000回転ではあのキーンという独特なワルツのような優しいサウンドを奏で、

その回転を上げていくにつれ、そのミュージックは激しいリズムを刻み始めます。まるでマルコーネの映画で使われている音楽のように聞く度に心拍数があがるのです。

アクセルを踏むドライバーはまさに指揮者のようにエンジンのサウンドを奏でられるのです。
3速でまわるような低速コーナーでのブレーキング時のノーズダイブでフロントタイヤがグリップするあの感覚や高速コーナーで少しアクセルを緩めた時のノーズがスッとインに入る応答性の良さはまさにレーシングカーのそのもの。
348チャレンジに参加して初めてクルマをコントロールする楽しさを知り、さらにこのクルマ達が好きになりました。


この2台をドライブしているとイタリアの偉大なデザイナーとエンツォ、

そして当時のドライバーたちのスピリットがいまなおそこから感じられるのです。