油圧計が動かない


通常アクセルを踏んで、エンジンの回転数を上げれば、油圧計は上がります。
新年に納車前のファイバーグラスをテストした際、油圧計が一度右に振り切れました。
翌日再度テストしてみると油圧は正常にもどりましたが、エンジンの回転を上げても油圧があがりません。
油圧計が動かない_a0129711_19265333.jpg
上の写真はエンジンの回転数は2400rpm。下は3000rpm。油圧の針はピクリとも動きません。本来は回転数を上げれば当然油圧が上がるはずです。

油圧計が動かない_a0129711_19291081.jpg
メーターはテストしても異常がないので、今回は油圧センサーの異常。
油圧計が動かない_a0129711_19263314.jpg
新しいものに交換します。上の金色のものがセンサー。
油圧計が動かない_a0129711_19264419.jpg
そしてこれが交換した油圧センサーです。

油脂類の交換やドライブシャフトのオイル漏れなどすべてを点検してもクラシックカーはこのように突然のトラブルにみまわれることがあります。メーター類は常に確認しながら走行しなければなりません。

予期せぬトラブル_a0129711_11472280.jpg
4年ほど前にイタリアのPietrasanta から譲り受けた208gt4が納車して走行2000kmで手前のバンクに大量のゴムのかすが飛び散っているとオーナーから連絡があったことがありました。
予期せぬトラブル_a0129711_11433772.jpg
日本でのオーナーは国産車の販売店を経営しており、すぐに連絡してくれたのが良かった。
予期せぬトラブル_a0129711_11435420.jpg
あのまま運転していたらベルトがきれてバルブがピストンをついていたにちがいない。
予期せぬトラブル_a0129711_11451157.jpg
タイミングベルトは納車前に交換済み。二コルの信頼できるベテランメカニックに試乗もしてもらって問題のないことを確認してから納車している。

予期せぬトラブル_a0129711_11465935.jpg
ここまで傷んだタイミングベルトを見ると本当に新品に替えたのかを疑いたくなるオーナーの気持ちはわからないでもないが、まちがいなく交換しているので原因は他にある。

上の写真は二コルでの納車前整備の様子。
カムカバーのガスケットの交換、タイベル交換、ステアリングラック交換、ホース交換、油脂類の交換、キャブ調整などの重整備。


予期せぬトラブル_a0129711_13171007.jpg
原因は新品と比べなければわからないほどのプーリーの溝の減りとカムシャフトを固定するホルダーが接触していたせいでカムがスムーズに回らなかったこと。
予期せぬトラブル_a0129711_13165449.jpg
ベルトも交換し、プーリーを3つ新品に交換。そしてカムホルダーの調整をしてテストを繰り返しました。
上の写真は交換した古いプーリー。見た目ではまったく異常はわからりません。
新しいプーリーに交換後、100kmほど走行してもゴム片はでないのでおそらく原因はこれ。

こんなことは初めてです。
これからはベルト交換時には慎重に点検する必要があるが、ご覧のように目視では確認するのが困難なのです。

出来るだけトラブルのないように整備して納めてもこのようなことはおきるのです。

高価になればなるほどオーナーは購入後は自分のリスクで、整備して自分だけの最高の一台にしていかなければなりません。

予期せぬトラブル_a0129711_12022367.jpg
歴史をひきついでいく、古いものをずっと大切に残していくということはそういうことです。
古い物を手を加えながら大切に維持し続けていく。
クラシックフェラーリを維持することはEnzoの遺産をを引き継ぐことです。
イタリアのあの美しい建造物を費用をおしまず維持するのと変わりません。

予期せぬトラブル_a0129711_11503068.jpg
2019年にはスイスから譲り受けたファイバーグラスのオーナーから年末にバルブが折れ、ピストンを破損させてしまったが無事修理が終わりましたとの連絡がありました。
この固体は2013年2月にスイスの個人オーナーから譲り受けた1台で納車して4年ほどたってからのトラブルです。

予期せぬトラブル_a0129711_11501437.jpg
その後、クラシケも取得したとのこと。
今では今まで以上に快調との連絡をいただきました。
このようなまさかのトラブルもおこるのです。
予期せぬトラブル_a0129711_11500589.jpg

予期せぬトラブル_a0129711_11574169.jpg
私が海外から譲り受けた車はどれも素晴らしい1台で、手放してしまえば同じようなコンディションの車は簡単には手に入れられない車ばかりです。
予期せぬトラブル_a0129711_11582843.jpg
何十台も自分の目でみて、これなら自分のガレージに納めてもいいと思えるものだけをお届けしています。
予期せぬトラブル_a0129711_11591942.jpg
自分が納得しないものはたとえ出張費が無駄になっても買うことはありません。
予期せぬトラブル_a0129711_11593270.jpg
それらの車には費用をかけても維持していく価値のあるものと私は信じます。

油圧計が動かない_a0129711_19363318.jpg
オリジナルにこだわって厳選して輸入したものだけがもつ美しさがあります。

油圧計が動かない_a0129711_19025372.jpg
どんなにお金をだしても私が輸入したものと同じコンディションの車は簡単にはみつからないでしょう。
油圧計が動かない_a0129711_19034391.jpg
それが弊社のお届けするクラシックフェラーリの最大の魅力かもしれません。
油圧計が動かない_a0129711_19041766.jpg
たった1台の自分だけの素晴らしい1台がガレージに入っている歓びはオーナーにしかわかりません。

油圧計が動かない_a0129711_19044977.jpg
今まで輸入したすべての車に共通するのはイタリアの息吹や70年代当時の最高のスポーツカーにしかない素晴らしさに溢れていること。

油圧計が動かない_a0129711_19054553.jpg
以前コーリンチャップマンのご子息のクライブチャップマンの運営するクラシックチームロータスがメンテナンスし、モナコヒストリックに出場した1955年のロータスマーク9を買ったことがありました。

油圧計が動かない_a0129711_19061768.jpg
3年前にモナコを走った車は完璧なはずでしたが、初めて首都高を走った時に10kmほどしたところでエンジンストップ。
そのまま工場に持ち込み、エンジンをオーバーホールすることになり数百万円の費用がかかりました。

でも前のオーナーや仲介した業者にクレームを言うつもりもありませんでした。
その車でレースにでたかったからという目的があったのはもちろんですが、それは仕方がないことだからです。
買った後はすべて自己責任。もちろん予想外の出費はいたかったですが、後悔はしていません。
購入していなければマーク9の素晴らしさも知らなかったでしょうし、モナコを走ることもなかったでしょう。

60年前のロータスも40年前のフェラーリも同じです。ロータスは納車前整備などは一切ありませんでした。
クラシック業界ではそれが普通なのです。
できるだけトラブルのないように弊社では整備をしてから納めていますがそれでも今回のようなことは起こります。
オーナーはそのことを是非ご理解いただきたく思います。

幸い、病気と異なり、治らないトラブルはありません。パーツをかえればなんとかなるのが古い車の魅力です。

私はクラシックフェラーリにはトラブルがあってもあまりある喜びをもたらしてくれることを知っています。
だからこそ10年も20年も一人のオーナーの元で過ごす車が多いのでしょう。
予期せぬトラブル_a0129711_12123540.jpg
油圧計が動かない_a0129711_19374748.jpg
イタリアにそしてヨーロッパにあったそんな1台が自分のガレージにあることは奇跡のようなことなのです。
世界中に1台だけの自分だけのクラシックは、人生さえも豊かにしてくれます。

予期せぬトラブル_a0129711_11590442.jpg
卓越したハンドリング、フェラーリミュージックと呼ばれる甲高いエキゾーストノート、キーンというジェット機のような独特なサウンド、美しいスタイリングに手作りのものだけがもつ素晴らしいコックピット。
レースでつちかわれた当時の技術にあふれたフェラーリにはスポーツカーに求められるすべてがあります。

油圧計が動かない_a0129711_19083566.jpg
ニキラウダやレガツォーニ、
油圧計が動かない_a0129711_19081648.jpg
そしてビルヌーブやピローニ。彼らのコンマ一秒をかけてレースにのぞんだスピリットが当時のフェラーリのコックピットからは感じられます。
油圧計が動かない_a0129711_19080230.jpg
そんな車が他にあるでしょうか。

過去のオーナーは、だからこそ、費用をかけても維持し続けてきたのでしょう。

油圧計が動かない_a0129711_19113874.jpg
油圧計が動かない_a0129711_19122657.jpg
弊社の輸入する車はイタリアでも10台見て1台出会えるか、どうかの貴重な車ばかりです。
トラブルがないのがあたりまえなベンツやアウディとは違います。
油圧計が動かない_a0129711_19131686.jpg
トラブルが出ることを予想しながら、メーターを常に見ながら運転し、臭いや音や、振動に5感を磨ぎすませてコックピットに座るF1ドライバーのような気持ちで乗るのがスポーツカーだと思います。

油圧計が動かない_a0129711_19142897.jpg
古い車にはトラブルはつきものです。トラブルがあって手放す方もいらっしゃるでしょうが、長く持ってはじめてわかることもたくさんあるのです。長くつきあえば、付き合うほど、車に対する知識も増え、愛着もわいてきます。

油圧計が動かない_a0129711_19150518.jpg
見て美しく、乗れば至上の喜びをもたらしてくれる自分だけの1台のある生活は実に楽しく、それがクラシックフェラーリならばもう他に何も望むものはないと私は考えます。





  by cavallino-cars | 2024-01-10 19:38 | Comments(0)

<< ご契約から1年と3ケ月 208gt4 ロードインプレッション >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE