
クラシックによくある症状で、ドアが閉まっている時は普通なのですが

開けた時に後方部分がガタンと少しだけ落ちることがあります。

締める時もきちんと閉まりはするので使用するに支障はないですが、新車の時にはこんなことはありません。
原因はドアヒンジの歪みです。ドアは上下の2つのヒンジでとめられています。

簡単に説明するとボディ側にドアを固定するための上下に短い筒があり、ドア側には長めの筒がつく。ドアはそこにピンを通して固定されています。
開けた時にドアが下がる原因はボディ側の上下の短い筒の角度のずれによってピンが斜めに傾くため。
40年以上も経過するとドアの重さでこのヒンジが歪んできたり、過去にドアを外した時にきちんと調整せずにつけたりすることによるものです。またはドアを開けて手をのせて体重をかけても長い年月のうちに歪みの原因にもなるでしょう。

まずはネジでとまっているパネルをはずし、その後、一人がドアを持ち、もう一人が丁寧にピンを抜いていきます。上下のピンを抜いた後にボディ側のステイとドアの筒のクリアランスを同一になるようにドア側から出たヒンジをハンマーでたたいて少しずつ調整していくのです。何度かドアをつけたり、外したりしながら、まっすぐにキャッチにはまるように治していくという作業を繰り返し行います。まさに職人ならではの丁寧な仕事が求められます。

基本的にドア側の長い筒はゆがむことはないのでボディ側のステーの調整だけでドアは落ちなくなります。最後に新しピンを差し込んで終了です。古いピンは目に見えない歪みなどがあるので再使用はしません。
上は25日に通関したばかりのgt4の写真。こちらもこれからドアを外して修理していきます。
簡単にピンを交換するのではなく、こんな細かい作業を私たちは行っています。