一昨日のクリスマスイブの24日午前10時に横浜に1987年のGTB turbo を納車してきました。
新しいオーナーはすでに弊社から208gt4をご予約いただいている方。
現地でエアコンの取り付けに時間がかかるため、gt4が来るまでに乗りたいとのことでご購入いただきました。
購入を決めたのはあのF40を彷彿とさせるような加速。試乗されて即決でした。

この固体は2014年8月にパリから譲り受けた1台。

イタリアからシャルルドゴール空港に行き、そこからパリ市内に向かいます。

目的のクルマは地下にあるガレージにありました。

思い出深い一台です。1987年のイタリアのモデナにデリバリされ、2人のオーナーを経てフランスに来たクルマです。

当時の走行距離は22,000㎞。2015年1月に日本でのファーストオーナーに納車。
この秋に再び弊社に戻ってきました。今の走行距離は26,000㎞。
そして2回目のタイミングベルト交換を含む整備を終えたばかり。
本日オーナーから写真とともにインプレッションのメールが届きましたのでご紹介させていただきます。

24日は朝早くから納車のためにお越しいただきありがとうございました。
当日は100㎞ほど走り、慣れさせて、翌日早朝に箱根にいってきました。
バランスのとれたシャーシと魅力的なエンジンを堪能してきました。
GTBターボは本当に生き物のようで、乗り慣れてくると益々魅力が高まること間違いなしだと思います。
とり急ぎお礼まで。

私が輸入を始めた頃はこのクルマのインプレッションはネットでも皆無で、イタリアで乗るまでは328を購入できない人のための廉価なクルマと思っていました。

しかし実際にアクセルを踏んでみるとその印象は一変します。328とはまるで別次元の加速はF40 のような楽しさです。一度のってしまったら間違いなく誰でもこちらを選ぶでしょう。生産台数わずか308台のこの美しいベルリネッタ。そのエンジンを作ったのはあの F40 と 288GTO を設計した二コラマテラッツィ氏。彼はビルヌーブが乗ったフェラーリのF1のターボエンジンの開発者でその技術がこの3台にはフィードバックされています。
彼の作った3台のフェラーリで、F40 と 288 に比べ、GTBターボは極端に過小評価されていると感じます。
その理由は2つ。

1つはジャーナリストがこのクルマの素晴らしさをとりあげてこなかったこと。
そしてもう一つは現存するこのターボの固体差があることでしょう。私も何十台ものGTBターボをイタリアで試乗してきましたが、本来の加速をするものとそうでないものがあります。

ターボのウエストゲート内のカップリングが破れていたり、それを押さえる金属のプレートが腐植して本来のブーストがかからなかったり、燃圧を保つアキュムレーターの不良であったり、エンジンのコンプレッションが低下していたり、その理由は様々です。
しかし本来の加速をするこのクルマはまるでミニF40といっていいほどの加速をします。

過去に288GTOを所有する方に納車した際、288の悪いところがすべてこのターボはなくなっているとおっしゃていたのが印象的です。私も実に同感で288のリヤのサスペンションのバタつきはなくなり、その加速は288のスーパーチャージャーのような加速に対し、F40に近い、暴力的な加速です。これは実際に288に乗ったことのある方なら必ず感じることです。
今や二コラマテラッツィの作った他の2台は天文学的な価格になってしまいましたが、このクルマだけは頑張れば手が届く価格で購入できる彼の唯一のフェラーリなのです。