フェラーリの年間生産台数

2019年のフェラーリの年間の生産台数は10,131台。

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ロボットを使い溶接や塗装をするというオートメーション化により1975年当時の
7倍以上になりました。
年間の生産台数の推移は下のとうりです。
1970年  928台    Dino246 daytona
1972年 1,844台   Dino246 daytona spider
1974年 1,436台
1975年 1,337台   308GTB fiber Dino208gt4 308gt4
1976年 1,426台
1977年 1,798台
1978年 1,939台
1979年 2,212台
1980年 2,470台
1984年 2,366台  
1985年 2,856台
1989年 3,821台
1990年 4,293台
2015年 7,664台
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今やすべてが機械で組み立てられるようになり、当時のようにつなぎを汚して
作業する人たちをマラネロの工場でみかけることはなくなりました。
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人は生産ラインを管理するだけでNEWフェラーリが次々とラインオフされる時代になり、その生産台数は飛躍的に多くなったのです。
上の写真は2011年に訪れた時のショット。
今では若い女性スタッフもフェラーリに大勢勤めるようになりました。

それにくらべ76年のフェラーリはこのような状態でした。
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鉄製ボディのgt4の中に並んでいるのは、ファイバー加工場から上がってきた
ばかりの308GTB。グラスファイバーボディは当初ピニンファリーナの
カロッツエリアにて生産されていたが、鉄製への変更が決まり、プレス型を
製作する間、スカリエッティで作られていました。

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当時はボディラインは手作業で作られ、補修は1台、1台、念入りに目視で
行っていました。上の写真はヨーロッパ仕様のスチールボディのGTB。
リヤの赤い部分はファイバーです。ボディには職人が表面を研いだ跡やリアには
補修した形跡がみられる。この美しいラインは何時間にも及ぶ職人の手による
労力と技術によってできているのがわかります。

下の写真はファイバーモデルだと思われます。
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328以降は赤の塗装の下地は下の写真のようにピンクに、それ以外はグレーの
サフェーサーが吹かれます。
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この写真はGTSターボです。

下の写真はMondialに本塗装の前の下地のサフェーサー処理を行っているところ。
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1台、1台、滑車のついた台車に乗せられ、運ばれてくるボディに次ぎ次ぎ
塗装を吹き付けていく作業はまさに町工場のようです。

おどろくことに彼らは有機溶剤や塗料飛沫に対する防護マスクすらつけていません。
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ラインオフされた車の最終チェックも人が行い、塗装の補修などをしている
様子がわかります。上の写真ではフェラーリのつなぎを着た職人が
タッチぺンで補修をしているのが確認できます。

当時の308やgt4はこのように1台、1台、丁寧に手作りによって作られて
いました。

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繊細なボディワークや内装、手縫いのステアリングなど、手作業で組み立てられた
当時のフェラーリは年間2000台を作るのがせいいっぱいだったに違いありません。
もし今、同じように作ろうとしたら熟練の職人を集めてもかなりの時間と費用が
かかります。年間2000台はおろか、生産することすら、もはや不可能と考えます。

gt4や308のもつ独特な美しさや上質な質感はこのような人の手によってしか
作れないもので、それが今なお人々を魅了し続けているのだと思います。




  by cavallino-cars | 2020-05-26 11:04 | Comments(2)

Commented by GTBBlumetallizzato at 2020-05-30 14:34 x
熟練工揃いとは言え、ハンドメイドではある程度の個体差は避けられないように思えます。保存状態やメンテナンス歴とは別に、エンジンやミッション、ボディの立て付けなどに新車時からの個体による当たり外れがあると感じていらっしゃいますか?
Commented by cavallino-cars at 2020-06-01 11:29
エンジンやミッションは新車を何台ものったことがないのでお答えしようがありませんが、ボディに関しては1台1台違うように思います。ドアパネルも車に合わせて形を整えて、つけています。新品のドアを注文しても今の車のようにそのまま取り付けることはできず、当時はボディとの隙間を均等になるように再成型をしてつけていました。エンジンフードなども片側3本のねじで位置を調整して取り付けています。左右のリヤフェンダーとエンジンフードとの高さの調整などもすべてそのねじで位置を調整したり、フェンダーを削って高さやラインをあわせていました。
すべての車両はフェラーリ社で最終チェックをしてパスしたものだけが出荷されるので当たりはずれということはますないはずです。ドアの落ちなどは経年劣化によるものが大きいと思います。

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