Aosta からの208gt4

Aosta からの208gt4_a0129711_17153812.jpg
Aosta からの208gt4は思いのほか整備に時間がかかり、2月に完成。

その後塗装の補修にとりかかり、やっと今月末にその塗装作業も終了する。

Aosta からの208gt4_a0129711_00295827.jpg
当時のラッカー塗装は45年前のもの。

そのままでも磨けば十分な輝きを取り戻すだろうが、

どうしても小さなひび割れなどが気になってしまう。

それらの個所を補修していったらほとんどパネルを塗ることになってしまいました。

Aosta からの208gt4_a0129711_21510249.jpg
リヤクォーターのガラスは装着したまま塗るとマスキングテープの跡が残るので

左右とも取り外します。
Aosta からの208gt4_a0129711_18053073.jpg
フロントウインドウのピラーの付け根からリアクォーターウインドウまでの水切りメッキモールも

塗装前に取り外します。

Aosta からの208gt4_a0129711_18060443.jpg
リベットで止まっているこのモールはボディとの間に水が入らないようにノリで接着してあります。

製造されてから45年も経過しているためその接着力も低下し、リベットをとると簡単にとれました。

しかし過去に一度でも外してあるものは再び接着してあるため、メッキモールとボディが

しっかりと固着してしまって慎重に外しても、曲がってしまうことがあるのです。

幸いこの固体は一度も外したことがなかったようで簡単にとれました。

このモールは新品のパーツもありますが、長さが3㎝ほど長く、

オリジナルを再使用をするのが一番です。

ドアのウインドウを囲むメッキモールも本当は取った方がいいのですが、

取る際にどうしても傷がつくので、今回の車のようにきれいなメッキの場合は

マスキング処理で仕上げます。
Aosta からの208gt4_a0129711_18021423.jpg
Aosta からの208gt4_a0129711_18023275.jpg
上の写真のドアのメッキモールを外す時に丸く囲った縦のメッキ部分に傷がつくのです。


当時のフェラーリはボディはまず、さび止めの黄色の塗料が塗られています。

その上にファイバーはオレンジ色、スチール製の赤の塗装の車にはピンク色の、
Aosta からの208gt4_a0129711_21512095.jpg
それ以外の色の車には写真のようなグレーのサフェーサーと呼ばれる下地剤が塗られます。

その上に赤やシルバー、ブルーなどの色の塗装が施され、さらにクリアが噴かれるのです。

もちろん前後のバンパーは取りはずして塗装をします。

さらにバンパーを囲むクロームメッキのフレームは再メッキを施しました。

新車のような塗装になったこの固体に45年前のバンパーをそのまま取り付けるのは

ゼニアのスーツに汚れた靴をはようなものです。
Aosta からの208gt4_a0129711_21514569.jpg
下のアンダーカバーはファイバーで補修して傷を修理し、サフェーサー処理がされました。

Aosta からの208gt4_a0129711_21531365.jpg
Aosta からの208gt4_a0129711_21522267.jpg
ノーズの跳ね馬は取り去り、穴を埋め、Dino のエンブレムだけにします。

ボンネット左右のパテ処理の跡はフェンダーとボンネットの面を㎜単位であわせるため。

ボンネットの面とフェンダーの面がフラットにすることでシャープなベルトーネのラインがより

美しく見えるからです。

この固体は事故もなく、何か所か塗装の補修の跡はあったものの、状態はすこぶるいい。

色が入ればマラネロから1975年に出荷された時のような輝きを放つことでしょう。

あと2週間後にはまばゆいばかりのgt4がショールームに入ります。


  by cavallino-cars | 2020-05-18 23:15 | Comments(0)

<< 308GTB のイタリアからの... メーターの照明はいつも明るくすべし >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE