メーターの照明はいつも明るくすべし

308のメーターパネルの照明は今のものと比べ、かなり暗い。
経年劣化で暗くなったのではなく、もともと照度が低いのです。

数か月前にお客さんの308を引き取りに伺った。

会社に戻る途中、暗くなってきたため、スモールライトを点灯。
この308でライトを点灯しての走行は初めてでした。

この固体は弊社で販売した車両ではなく、メンテナンスだけを依頼されていた車。

ポジションライトをつけてから10分ほどして焦げるような臭いがし、
さらに3分ほどしてダッシュから煙がでてきた。

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すぐに路側帯に停めて、下をのぞくと湯沸し器の種火のような炎が
ゆらゆらゆれている。
持参していた水ですぐに消火。
こんな経験は30年間車の販売をしていて初めてです。
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点検したところ、メーターの照度を調整するディマースイッチのコイルの
配線部分から発火したことがわりました。
溶けた配線はタコメーターの照明バルブからのもの。
接続のプラスティックのカプラーは原型がわからないほど焼失しています。

メカニックに聞くとこのコードが溶けるのは、メーター内のバルブが
正規のものから明るいものに交換してある場合がほとんどとのこと。
確認してみると予想どうり、本来のバルブよりワット数の高い、
明るいものが装着されていました。
おそらく昔のオーナーがメーターを明るくするようにどこかの工場に
依頼したのでしょう。


照度をマックスにしてれば今回発火の原因の一つとなったコイルは
熱を持ちませんが、
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照度をしぼると上の写真の左のコイルが赤く変色するほど熱をもつそうです。

アンペアの違うバルブがついていたため配線のカプラー部分が発熱して溶け、
その溶けたプラスティックがコイルに落ちて出火したものとおもわれます。
写真上のソケット部分にカプラーが差し込まれる。
黒いすすがついているのが確認できます。

現オーナーは夜はあまり乗らなかったようですし、
バルブは交換していないとのことなので以前のオーナーが交換し、
何年もの間のうちに配線が劣化して今回のようなことになったでしょう。
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すぐに消火できたためにタコメーターのカバーは煤で汚れはしましたが、
機能は問題なし。
クリーニングして再使用することができました。
気が付かずに乗り続けていたらメーター回りは溶け落ちていたでしょう。
そう考えると本当に恐ろしい。

新品のメーターはもちろん、中古のものも手にいれるのはかなり困難なので
すぐに火が消せたのは不幸中の幸いでした。

何か変な臭いがしたり、煙がでたら、安全なところに車を停めて
確認することが必要です。

タコメーターの照明は正規のアンペアのバルブに交換し、
配線を引き直し、修理は完了。

ディマースイッチの照度はいつもマックスにしておくことをお勧めします。
弊社でも今後整備で入庫する車両に関してはこの部分もすべて
点検することにしています。

  by cavallino-cars | 2020-05-16 11:38 | Comments(0)

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