Classic Ferrari の美しさ

今のフェラーリと比べると細かなデティールがちがうのがわかります。
どれも当時のフェラーリの方が私にはエレガントに見えるのです。


Ferrarri の刻印が刻まれ、美しいメッキのボルトでとめられる。

一方現代のものは巨大なブレーキローターに4ポッド?のキャリバーが装着され
ホィールは一体形成のものがつく。

ステアリングにウインカーが内蔵され、その矢印はプリント。
ワイパースイッチも同様でステアリングにつく。

当時のライトスイッチはステアリングコラムからでた
スティックの先の黒いプラスティック製のノブのLIGHTと刻まれたものを回すと
ライトポッドが上がり、スモールが灯き、下げるとライトがつく。
LIGHTの表示がプリントでないところがいい。

右にはWIPEとWASHと同じように彫り込まれたワイパーレバーがつく。

スイッチ類はどれも美しく、機能性がよく、カチッと動く操作感もいい。

ステアリングは308がモモ製の手縫いのレザーで巻かれたものに対し、
430にはカーボンとレザーのコンビの太いものが装着。

ハンドル上部にはF1のような回転数を表示するLEDライトがオプションとして用意される。

メーターパネルはセンターにレーシングカーよろしくタコメーターがつき、

その文字もクラシックのものとは異なり、今ではすべて液晶に。

表面はガラス。

ライトは数字の書かれたパネルと丸いリングとの隙間からもれる光で照らされる。

メーター内の数字は手書きでその上にはどれもガラスのカバーがつく。
ちなみに現代のものは透明なプラスティック。
その質感は壁紙と手塗りの漆喰の壁ほど違うのです。

ゲートの区切られたシフトゲージから立ち上がるメッキのシフトや
その上につけられたシフトパターンの刻まれた球体のシフトノブ。
メッキのフレームで囲まれた灰皿やゲート下の跳ね馬は憧れたフェラーリの象徴。
今見ても美しい。


フェンダーにつくウインカーレンズには何本ものリングのパターンが刻まれ、
下にはメッキのリングがつく。

フロントバンパーに内蔵されたスモールライトとウインカーのレンズはCARRELLO製で
白とオレンジに塗り分けられ、細かな四角いパターンが刻まれる。
どれも美しさにこだわった、手の込んだ細工がされている。

それに対し現代のものはヘッドライトユニット内にすべて収納されるようになった。

gt4のドアを開けるとウインドウを囲むメッキのフレームが微妙に内側にカーブしている。
ボディの美しさを追求した故のカーブなのです。

458や今のフェラーリはウインドウモールは姿を消し、窓が直接ボディにあたるように。

当時のデイトナシートと今のオプションのデイトナシートとを比べると、美しさとは程遠い。
オリジナルはラインも細く、シートの先端まで施工され、
中央部分が沈み込んでいるのに対し、

今のものは膝下でラインは切られている。

430だけをみればいいのですが、比べてしまうと
手作りの良さが失われているように見えてしまいます。

上の写真は288GTO のシート。
当時のものはすべてひざ下までラインがつけられており、
座った時の沈み込むような感じがある。
ちなみに今のものは形だけで座面は固く、その感覚はない。

gt4 のシートにいたっては座面のステッチの間隔も美しく計算されているようにみえる。
これより広くてもだめで、これより狭くてもおかしい。
なんともエレガントな空間を演出しているのです。

クラシックフェラーリのエアベンチレーターのフラップには跳ね馬やDinoの刻印がされ、

上のフラップには矢印があった。

今はダイヤル式に変更。
これはドアの内張。

308がドアとの接合部分に折り返しがあるのに対し、

モダンフェラーリはパネルをはめこむだけのためか、接地面に特別な折り返しなどはない。
308がねじで固定しているのに対し、今のものはボディパネルに受けの穴があり、
ベンツのようにバチンとはめ込むだけ。

ステッチの感じも上のような308の重厚感はない。

居心地のよい家や美しい建造物と同じようにGTBやgt4はイタリア人が細部にわたり、


フォーミュラーカーような速さに快適さをそなえたモダンフェラーリをとるか、
エレガントな308を選ぶかは、クラシックフェラーリの価格が高騰した今ででは迷うところです。
私は美術品のような美しさとスポーツカーとしての楽しさを併せ持った308を選んでしまうのです。

by cavallino-cars | 2020-01-28 16:28 | Comments(0)