Ancona からのAlfaromeo spider

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1981年、このスパイダーはイタリアの東、ローマから2時間ほどの美しい街 Ancona にある夏の別荘のガレージに新車で納車された。
別荘に滞在する夏の2ケ月の間、太陽を楽しむためだけ購入したという。
その後、Ancona に住む婦人が譲り受け20年以上所有していたもの。

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その車を譲り受け、日本に到着したのは2014年。
昨年セカンドオーナーから弊社に戻ってきた。
新年にガレージからだして久しぶりに乗ってみた。

私も40年ほど前に数年、2リッターの同型のスパイダーを所有していた。
どこに行くのにも、そして真夏の炎天下でさえその1台ででかけた。
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メッキのバンパーやフロントからテールまで続くサイドのライン、
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Dino のような可愛らしいフロントフェース、

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美しいメッキのドアミラーセンターにはあのアルファロメオのマークが打刻されている。

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そして何より当時、私が気に入ったのはそのコックピットだった。
クロームメッキのフレームのつくイエーガーのメーター、そしてそれを覆う砲弾型のカバー、
ナルディのウッドステアリング、ドライバー側を向いた油温計、水温計などの計器類、
ななめに突き出したシフトノブ。

これらすべてが日本の車にはない美しさで、圧倒された。
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個人的にはアヒルの口のようなダックテールはスポーツカーのスパルタンさに欠け、リヤをスパッと切られたこのコーダトロンガと呼ばれるこのモデルの方が美しく思える。
何よりトランクが広く、容量が大きくなったのもいい。

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リヤのメッキバンパーに埋め込まれたナンバー灯や、クロームで縁取りのされたテールライト、
下を向いたメッキのマフラーエンドの美しさ。
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オリジナルのホィールキャップに刻まれたアルファの刻印やサイドに誇らしくつけられたピニンファリーナのバッジすべてにイタリア人の美しさへのこだわりを感じる。

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この美しいスパイダーにはクラシックカーならではの優雅さとアルファがレースで培ってきたスポーツ性が兼ね備えられている。

フェラーリほどクイックではないステアリングも気負いなくのんびり走るオープンモデルに適しており、気にならない。

コックピットはシフトレバーを4速にいれると助手席のナビゲーターの膝にあたるほどコンパクト。
20代の頃、初めて助手席に乗せた彼女の膝にギアチェンジのたびに手がふれてドキドキしたことを思い出す。

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ひとたびアクセルを全開にすればモダンアルファとは異なるあのキャブレター独特のアルファサウンドでコックピットは満たされる。

これこそアルファだ!

さすがにフェラーリにはハンドリングや足回りでは劣るが、ワインディングではアクセルコントロールでノーズがすっとインに入る応答性のよさはスポーカーそのもの。

高騰してしまったgt4やGTBの3分の1の価格で購入できるのもうれしい。
このエレガントなイタリアンクラシックは今でも十分に魅力的だ。

アルファは私の青春時代のイタリアへの憧れそのものだ。


  by cavallino-cars | 2020-01-08 14:09 | Comments(0)

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