GT とスポーツカーのどちらを選ぶか
余裕あるエンジンパワー、乗り心地のよさ、運転疲労の少なさ、走行安定性などを合わせもつ2シーターまたは2+2のクルマの総称といっていい。
いっぽうスポーツカーとは運転をスポーツととらえ運転そのものを楽しむために作られたクルマのことをいう。
以前は二人乗りのクルマはすべてスポーツカーだと思っていた。
しかしレースを経験し、クルマをコントロールすることを学んだ後はその考えはガラリと変わる。


その違いは運転すると明白で、BBやテスタロッサのようなGTはコーナーでテールスライドやアクセルコントロールでクルマをコントロールすることは難しく、まっすぐな道をひたすら走るのに適した車。

そんな運転ができるのです。


さらに様々な安全のためのデバイスがついており、サーキットにでももちこまないかぎりクルマをコントロールする楽しさは
味わえない。

308やgt4はそんな運転が出来ることに加え、美しい美術品のようなボディがついてきます。
BBの美しさは誰もが認めるところですが、

重いためコーナーでのバランスは悪く、一度すべりだしたテールをコントロールするのはプロドライバーでも難しい。
そもそもそういう運転をするような車ではないのです。

シートのサポート性はスポーツカーというよりソファーのように快適で、そのドライビングはGTそのものです。
クルマをコントロールするということをスポーツとするなら、308やgt4はまさにスポーツカーです。

208gt4は308に比べ、トルクはありませんが、ギヤはショーターギヤを採用、車重も軽く、カムも異なるため、
キビキビ走り、フルスケールで回せるのも魅力です。
まさにライトウエイト感覚。

そのハンドリングのクイックさは246に勝るとも劣りません。

シフトの剛性はむしろ246よりも優れているといえます。
246のようにギヤがヌルッと入る感覚とは異なり、カチッと入るのもいい。
途中シフトノブをおさえていないと2速からぬけてしまう246のようなこともありません。
唯一劣っているとすればその重量だけでしょう。
たしかに246の形は魅力的ではありますが、208gt4の5倍近い額をだして購入する価値があるかは疑問です。

同じライトウェイトのアルファロメオと比較して決定的に違うのはその秀逸なハンドリングと
アクセルに即座に反応するエンジンでしょう。


フェラーリのそれはレーシングカーに近い。
というかレーシングカーそのものです。

4速6000回転で進入するコーナーでステアリングアングルはそのままで
少しだけ右足をゆるめるとスーッとノーズがインに入る感覚はまさにスポーツそのもの。
サーキットでのコントロールをそのまま一般道でもできる気持ちよさ。
ここでフルブレーキングをすれば間違いなくスピンしてしまうような速度で
クルマをコントロールする喜びはモダンフェラーリでは味わえない楽しさです。

それにあのベルトーネの美しいボディがついていくるのだから他に何を望みましょうか。
プラスチックやカーボンを多用したモダンフェラーリにはない美しさがあります。

手が汗ばむほどとばした後に眺めるgt4の美しさは
今まであんなに激しいドライビングが出来た車とは思えないほどエレガントで美しい。

しかも40年前に作られたことが信じられないほどのポテンシャルなのです。
最高速度やその加速性能だけでスポーツカーを判断するのは間違いだということが、
208gt4のハンドルを握るたびに思います。
美術品のようなスポーツカーがある生活は実に素晴らしい。
by cavallino-cars | 2019-12-19 16:11 | Comments(0)