208gt4 の魅力
左ハンドルが2279台、合計2826台がマラネロからラインオフされた。
ただしその85馬力のエンジン出力の差を埋めるため、当時のフェラーリのスタッフは
様々な努力をしている。
まずは車重を1360kgから55kg軽量化し、1305kgにしている。
55kgの軽量化はかなりの努力をしないと出来ない数字であることは
車業界の方なら誰もが理解するはずだ。
エンジンの圧縮比も8.8:1から9:1に高めている。
195/70/14 という一回り細いものを装着。
加速性能向上のためにギヤ比の低いショーターギヤを使用。
308とのパワー差を出来るだけ少なくしようとしているのも興味深い。
ライトウェイトスポーツのような軽やかさ。
246Dinoのエンジントルクを10パーセントほど増やしたような印象だ。
高速でのトルク感はさすがに308にはかなわないが、
3速、4速を多用する低速及び中速コーナーでの208のピックアップのよさは
まさにスポーツカーを操っているという楽しさに溢れている。
応答性のよさは兄貴分の308譲りでフェラーリそのもの。
246のような軽快なドライブフィールを可能にしている。
同時期に販売された208GTBは308とタイヤサイズも変わらない。
エンジンレスポンスは鈍く、スポーツカーと呼ぶには程遠い。
同じ 2リッターとは思えないほど208gt4との差は大きく、フェラーリの名をつけるに値しない。
他にも12気筒フェラーリやマセラッティを所有している。
納車して数ヶ月後にどちらかを手放しませんかとお聞きしたことがある。
その時にオーナーからの回答は以下のようなものでした。
運転してどちらも違った楽しさがあります。
特に208gt4は小排気量のデメリットを上回るほどの軽快感があります。
2台とも手放せませんねとおっしゃっていたのが実に印象的だった。
当時のエンジニアの細かい努力があったからに他ならない。
今ではオリジナルの固体は非常に少なくなっている。
それらは大変貴重であるのはもちろん、美しく、エレガントで、
Fun to drive な車なのです。
終の1台としては大きさや内外装のエレガントさ、メンテナンスコストなども含め
理想の車かもしれない。
by cavallino-cars | 2019-08-10 13:34 | Comments(0)