個人輸入時の注意点

今まで個人で輸入したので相談にのってほしいと言われた方はDino208gt4 が3台、

308GTB が1台。

日本でナンバーをつけるためにはすべての自動車はその製造年により排気ガスレポート

というものが必要となります。

マフラーに触媒をつけてそのデータを陸運局に提出して許可をもらいますが、

申請1回で10台分のレポートが取得できます。

1台でも10台分を買わなければならない仕組みになっています。

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今回は通関前譲渡の話。

私達業者は何台も輸入しますので10台分の排気ガスレポートは将来的に使いきれます。

しかし個人で輸入した場合は通関前にそのレポートを持っている業者に車を一度譲渡して業者名で

通関し、そのレポートを使用して、予備検査を取得し、登録の際に本来の所有者に名義変更をします。

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排気ガスレポートを取得するためには120万円から150万円ほどの費用がかかります。

しかしレポートを持っている業者に頼めば30万円ほどで譲ってくれるはずです。

個人で何台も輸入することはないのではるかにお得。

お問い合わせいただき、今まで通関前譲渡をしたのは1台だけ。

あとの3台はすべて通関後に相談をされました。

以前都内の並行輸入業者がブログで海外のサイトから写真をピックアップして308GTBを掲載していました。

それを見て購入した人は弊社の購入の手引きを参考にしてポイントをチェックして現車を見ずに輸入。

通関した後、予備検の枠を譲って欲しいとその業者から連絡がありましたが、

通関前に弊社に譲渡しないと使用できません。

結果そのお客さんは排ガスレポートを新規申請しました。

10台分のレポートを取得するので残りの9台分は未使用のままになります。

個人で通関した場合はまず売ることは難しいでしょう。

知らない人に自分の車両を無料で譲渡したがる人はまずいません。

通関前譲渡をすれば90万円ほど節約できます。

他の3台は208gt4。そのうちの一台は通関前相談を受け、ガス枠を購入いただき、

弊社に通関前譲渡をして登録しました。
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他の2台はいずれも輸入した個人名で通関後に相談されましたので、

それぞれ10台分のガス枠を取得。自分の車以外の9台分の排ガスレポートは残りますが

個人で新たに並行輸入で購入する人を見つけることは難しいでしょう。

通関前に知らない人に書類上譲渡するのには怖いと思うのが普通です。

必ずガス枠を持っている業者に通関前に譲渡し、その業者名で通関しないと無駄な出費を

することになりますの要注意です。

さらに排ガスの試験は登録年によって厳しさが異なるためにその車の年式証明が必要です。

現地の車検証のオリジナルもしくは日本の陸運局のようなところのスタンプが押してある

書類が必要になります。

昔はコピーでもよかったのですが、今ではオリジナルの提出が義務付けられています。

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さらに写真だけで購入するには何度も言ってきましたが、かなりのリスクがあります。
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これはミラノにある2万キロのGTSターボ。以前お客さんから他の業者に頼んで見てもらって

きたのでそのまま輸入代行をしてもらえないかと依頼されたもの。

より安く買いたい気持はわからないでもありません。
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その時送られてきた写真は新車のように見えました。
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写真でどんなにきれいに見えても実車は違う場合がほとんどです。

売り手はけっして汚いところやみられたくない部分の写真は送ってこないものです。

コミッションセールスの現地スタッフも同じことがいえます。

以前2000kmのランボルギーニジャルパをドイツのディーラーから購入。

ついた車はどうみても2000kmには見えないものでした。

その車は先方に送り返し、返金してもらったことがあります。

個人の方にそんなことは不可能ですし、仮に出来たとしても通関費、船賃、保険料、

輸入消費税などは自己負担になります。

現地に行って実際に車をみてがっかりしたという経験を何度してきたかわかりません。

輸入代行のような仕事は万一お客さんが思っていたものと異なる場合は

トラブルになるのはみえています。

50万円の旅費を節約して1000万円以上のものを購入するのはあまりにリスキーです。

車が良くなかった場合は旅費の50万円を捨てる覚悟が必要です。

実際仕事にしている私でも無駄な出張は何回も経験しています。

以前ご紹介したギリシャに見に行ったブルーのGTSターボはまさにそのいい例です。

上の写真の赤のGTSの購入を希望された方は輸入代行をしてほしいと依頼されました。

しかし見ずに買う怖さをいやというほど経験しているので実際に確認に行かないと輸入はしない


とお断りしました。旅費と手数料をいただければ輸入するといいましたが予算があわず結局

購入を見送りました。

今回のイタリア出張時にまだ売れていなかったその車そのものを見てきました。
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カーペットは毛がうき、全体に埃をかぶっている状態で、その方から送られてきた

新車のようなコンディションの写真とはまったく異なるものです。

がっかりするようなものを輸入する手伝いをするのは嫌なものです。

行かずに輸入して欲しいと言われたのをお断りしてよかったと思います。

前回、弊社がUDINEで購入したものとは比較になりません。

少々脱線しましたが個人輸入する場合は

1. 費用がかかっても必ず信用できる人に見てもらうこと。または自分で見に行くこと。
  実際に乗ってすべてが作動することを確認するのがベストです。

2. 年式のわかるオリジナルの書類を揃えること。

3. 購入前に排ガスレポートを持っている業者に1台分の枠を譲ってもらい、
  その業者に譲渡してから通関すること。

を忘れずに行ってください。

私の場合は必ず自分の目で見て確認してからでしか購入しません。

それでもエンジンやミッションなどのトラブルがでることもあるのです。

        




  by cavallino-cars | 2019-07-09 17:48 | Comments(0)

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