ギリシャのGTSターボ
アテネまで先週の金曜に実車を見に行ってきました。



塗装は予想どうりのコンディション。



おそらく一度ブルーに塗った後、黒に再塗装したものにクラックが入ったに違いない。

本来はブラックのプラスティックのカバー。
オーナーに確認したところイタリアで塗装をしなおしたことがわかった。
その費用は260万円ほど。塗装のクオリティをみると納得できる。
内装はすべてオリジナルと聞いていたが、こちらはあきらかに塗りなおした形跡がある。
助手席の背もたれの後ろの書類入れのフックは本来メッキのフックなのに対してこの車はこのように色がとんでいる。


上はドアポケットの中の塗装。はげて下地の黒がみえています。

左右シートのリクライニングのフックもレバーのところだけマスキングして塗ったのがわかる。
キーはあるが、オリジナルの鍵はなく。マニュアル類はイタリアから購入した時にはあったが、ギリシャに持ってきた際にオーナーが紛失したらしい。
上から3枚目の写真でもわかるようにリバースライトも右後ろが点灯しない。

運転席のシートは座面部分と背中のサイドサポート部分の皺が気になる。

シートを完璧になおせば欲しくなるほどこのカラーコンビネーションは魅力的だが、マニュアルやオリジナルのキーや工具がないところがどうしても気になる。
自分なら新車のような固体でキーや工具の揃ったものを購入し、一生乗り続けたいと思ったら
色を変えたいと考える。
ディスカウントも検討するというオーナーからのオファーもありましたが、今回は購入は見合わせました。

次に見たのは88年のGTBターボ。

フロントが軽くあたっており、レンズが割れています。

走行6万キロ。オリジナルキーやマニュアルはすべて揃いますが、フロントがヒットしている上、全体にやれた感じがあるのと価格が高額なためこちらも断念。

はるばる期待してギリシャまできてかなり気分は落ちます。
こんなことがあるので写真だけで購入することは絶対にお勧めしません。
たとえ安く買えたとしても日本で初めて見て、思っていたものでなかったならその車に対する愛情はすぐに醒めて手放すことになるでしょう。
私からすれば何十台かの1台ですが、オーナーにとっては自分だけの1台になるフェラーリ。
これからも納得できるものだけをご紹介していきたい。
翌日の土曜にはイタリアのもう1台のGTBターボを見に行きます。
こちらは12700kmのミュージアムにかざってあるような新車のようなコンディションとのこと。
半信半疑でローマから片道6時間の北イタリアへ向かいます。
by cavallino-cars | 2019-06-10 20:36 | Comments(0)