ミラノからおおよそ1時間、南に下ったReggio Emilia のディーラーに向かう。

目的は1オーナーの72yのDino246gt。走行は50,220km。

内装は足元のカーペット以外はすべてオリジナル。

シートとドアパネルとバックパネルは型押しのビニール製のこのタイプがオリジナルだ。

今から10年以上前に所有していた246はビニール製のオリジナルのシートだったが、革に張り替えてしまったことを今では後悔している。

次に買うならオリジナルのシートが欲しいと思っていた。

308もいっしょだが、どれだけオリジナルのものが残っているかがクラシックフェラーリを買う上で最も重要なことなのです。

シートベルトはバックルタイプのものに変更してあるが、オリジナルのKLIPPAN製のものもあるので購入の際は元のオリジナルに戻してくれるという。

こちらがオリジナルのKLIPPAN製のもの。当時のF1でも使用されていたメーカーのものだ。

エンジンをかけてみると軽く回り、明らかに調子がいい状態なのがわかる。
オーナーはこの他にAlfa 1600spider, Fiat dino spider など数十台を持つコレクターの方だが、高齢のために手放すことにしたという。

ホィールにはCROMODORA と Dino の刻印が入るオリジナルが装着。Dino ではなく、Fiat の文字の入るものは当時の純正ではない。
エンジンルームも適度にメンテナンスされているのがわかる。

リアクォーターウインドウのメッキモールを止めているマイナスのネジも当時のもの。
この小さなネジがオリジナル。今では入手が困難でレストアしたものは大きなサイズのネジがつくものもある。

もちろんルーフの生地も当時のものでコンディションはご覧のような素晴らしい状態だ。

今やDino246 の価格はクレージーなまで高騰してしまったが、それでも自分のガレージに納めたいという方にはお勧めする。
自分のガレージにおきたくなる246に久しぶりに出会えた。
今や価格が高騰し、シートは新品の革で張り替えられ、元の状態がわからないほどきれいにレストアされたものが多いなか、オリジナルコンディションでこれぞDinoという1台をお探しの方には最高の1台になるにちがいない。