
ずっとシシリアにあったグリーンのgt4を昨年購入したドイツ人オーナーが売却したいというので27日に訪ねた。

フランクフルトから車で2時間。Schauenburg という静かな街のガレージに目的のgt4はあった。

1975年から2000年までの25年間はファーストオーナーのもとですごし、その後3人のオーナーのガレージに移り住んだこのgt4は昨年、ドイツに来た。

オーナーはコレクターではなく、いわば高級クラシックカーのブローカーだった。

エンジンをかけて外にだしてもらう。外装のグリーンメタリックと内装のクリームのコントラストが実に美しい。

外装はおそらく数年前に再塗装をしたと思われる。内装もオリジナルの革をうまく補修してある。
しかし細かいところをみていくとまずヘッドライトとボディの隙間が左右でことなる。

助手席側の方の前方のクリアランスが狭い。

こちらは右側のもの。

さらに左のボディ側にはクラックの跡がある。

ライトを上げて後ろからみるとライトポットのステイが曲がっている。

こちらは反対側のもの。まっすぐになっているのがわかりますか。

接触事故をおこし、これだけ曲がっているものを治したせいでヘッドライトカバーとライトの隙間も生じ、

錆もでている。

左右のフロントフェンダーにつくシグナルライトもgt4のものではないGTBのものが装着されているのも気になる。

さらにリアに回るとテールライトの両サイドが下がって、隙間が上部にできているのがわかる。

正常なgt4のテールライトに比べ左右の端が下がっている。

こちらがノーマルの状態。グリーンの車はたれ目のように見えるのがおわかりいただけるだろうか。おそらくリアも修正が加えられているのだろう。

数キロドイツを走る。エンジンは多少ばらつきがあるものの実に快調。

高速にのり、テスト中、ブレーキを踏むと車体は左にすっとノーズが入る。ブレーキキャリパーが異常で片効きしているか、ステアリングギアボックスがだめなのかもしれない。こちらは輸入してからでも修理することは容易。ミッションも問題ない。

問題は価格。販売希望価格は11万ユーロを超えている。さすがにその価格では購入は断念せざるを得なかった。事故の痕跡もなければ交渉してでも譲り受けていたかもしれないので残念だ。