Car magazine の6月号にGTBターボの試乗レポートが掲載された。
試乗車は弊社の87年モデル。表紙がアルピーヌなのが残念だが、おそらく世界で初めてのインプレッションだろ
レポーターは西川淳氏。以下は紙面のインプレッションを掲載する。
首都高にのり、2速で踏み込む。4000rpmを超えたあたりでそれはやってきた。
ふわっと一瞬、下半身が持ち上がったかのように思ったのもつかの間、今度は後輪が腰をめいっぱいの力で押し出し、弾けるように加速する。車体の軽さを実感できるという点で、ノーマルの328系とはまるで違う加速フィールだ。ターボカーに独特のスリリングさで、心臓がおおいに脈をうつ。
スィートスポットはわずか2000rpmの間だが、そこをキープしている限り、車体はドライバーの右足に忠実な動きをみせ続け、両手、両足に密着するような一体感を味合わせてくれる。328系とはまるで別種のドライビングファンであり、288GTOやF40のテイストを想像させるに十分な走りだった。1980年代のベスト3はひょっとして3台のターボカーだったのかもとさえ思うに至る。少なくとも328系最良の選択であることは間違いない。
西川氏の記事は試乗記をこのように締めくくっている。私の個人的な見解ではF40にはかなわないが、288GTO よりもGTBターボの方が足回りはリファインされ、よりエキサイティングな車になった印象がある。
すでにこの試乗車は新たなオーナーの元にある。そのオーナーは88年のポルシェ930ターボもお持ちで、乗り比べた印象はGTBターボはスポーツカーそのものの足回りとその強烈な加速でまるでカートに乗ってるようなドライブフィールとのこと。ポルシェに乗り換えるとまるで常用車のようだとおっしゃていた。今乗ってもこのターボは新鮮で実に楽しいとご連絡いただいた。
フェラーリの最新のターボモデルの488と比べると当時のGTB turbo とはまったく違う加速フィールでF40 に代表される80年代のターボカーを運転した経験のある人にはターボというよりはターボラグのないスーパーチャージャーのようなスムーズな加速をする。
誤解のないように言っておくが、その加速は足元の血液が太もも辺りまでいっきに上がってくるのがわかるような凄まじさだ。しかし、3500回転からブラックホールに吸い込まれるような加速をするGTBターボのターボらしい加速は当時のF1のターボ全盛時代を思わせる。
アクセル全開で楽しめるスポーツカーとしてはすべてが電子制御でコントロールされている488とは異なった魅力がある。
2リッターのターボとは思えないGTBターボは今乗っても十分ドライビングファンな車なのだ。
今から今年の夏にやってくる89年のGTBターボが待ち遠しい。