40年前のファイバーグラスのルーフ

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現在308のファイバーグラスのオールペイントを実施中。
1976年に製造されたこの車も今までにいくつかの補修が行われているはずで、塗装もすべてオリジナルという固体はまずない。
ルーフ部分を剥離すると2cmほどの板金パテで補修していることが判明。
新車時のファイバーの表面処理をしているオレンジのゲルコートまでギリギリまで削りこむ。残ったオリジナルルーフはほとんど紙のような薄い状態ですけてみえるほど。上の写真はすでに3枚ほどファイバーを重ねて貼った後のもの。フェラーリのゲルコートはすべてオレンジ。ゲルコートとはファイバーの穴や繊維を平らにして滑らかにするためのもの。
板金パテを使用すると、硬化する際に熱を発する。そのためにルーフは熱を持ち、強度がなくなり、パテの重さで本来の位置より下に落ちてくるのです。
この車もルーフの内張りギリギリまで落ちてきていた。
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ルーフに鉄板をひいてその上に板金パテで形をつくるのは簡単だが、一枚一枚ファイバーグラスを重ねて形を作っていくのが本来の修理方法。鉄板を使用したらファイバーグラスの意味がなくなってしまう。
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修理にはルーフが下に下がらないように室内から柱で補強することが必要。ルーフ上部にはすでに3枚ほどのファイバーグラスをはってあるが、それでも透けている。さらに補強が必要なのです。
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写真の既に型取りした半透明なものをルーフ下から貼ってさらに補強する。塗装をしてしまえば見えない部分だが、いざ前の塗装をはがすとどのように修理したかによってオールペイントの作業量が異なってくる。作業をする前にいくらでという価格で全塗装を引き受けられない理由はここにあります。
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本来下に補強のために貼り付けるファイバーにはアルミで芯をいれたいところだが、ルーフの内張りとの隙間がないためにファイバーで補強するしかない。縦と横に走るラインはその補強された部分。これを裏から丁寧に樹脂を塗りながらつけていく。
幸いなことにファイバーはこのような手間をかければスチールボディのものよりも美しく仕上がる。
見えない所にある職人のこだわりもこの手の車の面白いところだ。
今から完成したこの308を見るのが楽しみだ。

  by cavallino-cars | 2016-03-08 16:19 | Comments(0)

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