
1975年10月29日にフィレンツェのディーラーからデリバリされたDino208gt4 の日本でのオーナーが決まった。現在インジェクションモデルのフェラーリを所有されているこの方は昨年、九州から来店いただき、試乗されたキャブレターのエンジンのピックアップの良さがどうしても忘れきれなかったという。

今回の208gt4はシングルパイプのマフラーを備えるフルオリジナル。

エンジンはタイミングベルト交換はもちろん、

オイルが滲んでいたタペットカバーガスケットやウォーターポンプガスケットも交換。イタリアで試乗した時は問題なかったが、

こちらの工場でクラッチの残量もないことが判明し、ディスク、プレッシャープレートも交換している。ゆがみのあったクロームメッキのバンパーは新しいものに交換。塗装もリヤのイタリアのナンバープレートの穴の補修はもちろん、細部にわたって手を加えてきた。

当時のオリジナルホィールも現在、とりはずして剥離塗装作業中で、完成は3月中旬の予定。

磨きをかけてショールームに展示する予定で、千葉ガレージに入庫中だったが、ご契約をいただいたので本日、作業を中断し、予備検を先にとることにした。

エンジンのレスポンスはイタリアで試乗した時からパワフルで、これからキャブ調整をすればさらにリファインされるに違いない。
今回は予想以上に整備に時間と費用がかかってしまったが、良い車に仕上がった悦びの方が大きい。
キャブ独特の音と間髪いれぬアクセルレスポンスの気持ちよさはたとえ2リッターでもフェラーリの名に恥じないもの。
Hさん、楽しみにしていて下さい。