新年明けましておめでとうございます。
2016年がいよいよ始まりました。
昨年はフェラーリをはじめ、クラシックカーの高騰は驚くほどで5年前は買いやすい価格だった308もここ5年あまりで800万円から2000万円と値上がりし、簡単に買える価格ではなくなってしまいました。

昨年12月10日にロンドンで行われたBonhamsのオークションに日本の四国の博物館に1991年7月から展示してあった右ハンドルの308GTB のファイバーグラスが出品された。落札価格は102,300ポンド。日本円にすると1825万円。オークションのコミッションの220万円を含まれた価格。この220万円と英国までの輸送費などを差し引くとオーナーの手元に残るのは1300万円から1400万円くらいだろう。
固体差もあるので一概には言えないが、昨年末にきて少しだけバブルのような価格が下がってきたようにも思える。

クラシックフェラーリの魅力はその美しさにある。

308の魅力はその美しさに加え、モダンスポーツカーと遜色なくとばせるのだからたまらない。40年前に作られたのが嘘のようなその性能には驚くばかりだ。エレガントな内装や細いステアリング、何といってもキャブの加速感と独特のサウンドにも魅せられる。
ブレーキを少し残し、フロント荷重のままコーナーに侵入し、アクセルコントロールでノーズの向きを調整し、クリップを過ぎて、ノーズが直線をむいたところで一気にフルスロットルで加速する。

これほどコントローラブルでスリリングなクラシックフェラーリは他にない。
BBや275は重すぎるし、ディトナはブレーキがプア過ぎる。
308はgt4も含め、そのサイズやエンジンパワー、足回りなど、まさにこれぞスポーツカーという感動に溢れている。

ワインディングを手のひらが汗ばむほどとばしてきた後にたたずむ308の何と美しいことか。
あんな走りをしてきたのが嘘のようなエレガントさがある。

70年代のバックグラウンドの歴史もいい。F1でのフェラーリの全盛期は76年から始まる。

ニキラウダ、クレイレガツォーニ、ジョディシェクター、ジルビルヌーブ、往年のドライバーもそのステアリングをプライベートカーとして握っていた。ニキラウダに彼の知る当時のベストフェラーリと言わしめた308は今でもその輝きを失ってはいない。

今年も素晴らしい、自分だけの1台となるようなフェラーリをヨーロッパよりご紹介していきます。
賀正