資産としての308




4年のうちに4倍にも跳ね上がったフェラーリの価格は最初は一時的な投機対象にしかすぎないだろうと思っていたが、どうやら今後10年、20年と経過してもその価格は下がるようなことはなさそうに思える。
一時期のバブルのようなすべての価格が上昇した時とはあきらかに異なるこの現象は今後も続いていくのかもしれない。絵画や宝石のような骨董品としての価値が車にも見出されるような時代になってきたのだろう。
これから、自動運転化がすすみ、自動車の燃料はガソリンから電気に移り、あと10数年で移動手段としての車は革新的にその形態が異なっていくことだろう。そんななかでますます70年代のこれらの車が貴重なものになることは簡単に予想される。モダンフェラーリにはないよさが確実にキャブレターの308にはあるからだ。
単純に海外のオークションの価格が上昇してもその価格で日本国内で取引されることは考えられないが、資産としての価値が上がることは間違いない。今年の2月にパリで開催されたRM auction で250GT Lusso が2億1762万円で落札された。20年ほど前に一度だけコンクールコンディションのルッソを乗ったことがある。当時は3000万円ほどだった。エレガントそのもののこの車はスポーツカーというよりはGTという方があっている。エアコンも装備しないこの12気筒フェラーリはその価格でも当時はなかなかすぐには買い手がつかなかった。
国内で仮に同程度のルッソを今、1億5000万円で売りに出しても日本ではすぐに売れることはないだろう。
多くのクラシックカーはそのために海外に輸出されていった。


by cavallino-cars | 2015-11-24 19:10 | Comments(0)