
328や308のクアトロバルボーレなどのインジェクションモデルはヨーロッパ仕様と日本仕様(北米仕様)でその性能は異なるが、

それぞれ、データどうりで固体による大きな差はない。

しかしながらキャブレターの308は欧州仕様でもキャブのセッティングの違いでその性能は大いに異なる。もちろん日本仕様とヨーロッパ仕様の差は埋めようもないほど違うが、同じヨーロッパ仕様でも、本来の加速をしないものが非常に多い。

以前欧州仕様の78yの308GTBを下取りしたことがあった。エンジンは重く、そのパワーは本来の7割ほど。アクセルを踏んでもキャブならではの蹴飛ばされたようなシャープな加速をしない。塗装の状態も悪く、オリジナル度も低かったためにオークションで売却したことがあった。

キャブレターの308の最大の魅力はその気持ちよくトップエンドまで、一気に回るエンジンにある。その加速感と音こそが今でもキャブレターの308に魅せられる最大の理由だ。

40年前に作られたこの車が今でもモダンカーと比べても引けを取らない加速性能とハンドリングを楽しめる。それにエレガントなボディと内装がつくのだから他に望むものはない。

エンジンが重い車はそれだけでこの車の価値を極端に落とすのだ。だからこそヨーロッパ仕様のコンディションのよいものにこだわり続けている。
本来の調子のいい308を一度でも乗ったことのある人なら、アクセルを踏んでもボッボッボと息つぎするようなエンジンほどストレスのたまるものはない。ヨーロッパ仕様ならどれも同じとお考えの方はその認識を改めた方がいい。

製造されてから、40年近く経過しているキャブレターの308はそのメンテナンスのされ方により、予想以上に個体差がある。
100kg以上も軽いファイバーグラスのGTBよりもgt4のエンジンの方がよく回り、パワフルに感じることも事実あるのです。それだけに購入前に調子のよい308を知ることが重要なのです。

購入を検討されている方はコンディションの良い308を是非、体感して欲しい。

右足のアクセルの踏み加減でノーズが上を向くほどの加速をするレスポンスやアクセルの開度でノーズが向きを変える応答性のよさに驚かれるに違いない。

この甘美なF106 というコードネームで呼ばれるV8ユニットは当時の12気筒フェラーリに優るとも劣らないほど素晴らしい。