208gt4のドライブフィールはフェラーリのライトウェイトスポーツ。
308に比べアンダーパワーはいなめないが、アクセルをフルスロットルにできるという点ではまさにライトウェイトスポーツそのもの。コーナーを4速全開で入っていく痛快感はこの車ならではだ。
ハンドリングはフェラーリの名にふさわしく、ステアリングからは路面状況が手にとるように伝わってくる。
アクセルを少しクリップで緩めれば、ノーズは即座にタックインし、アングルを決めたところでドライバーは右足のアクセルペダルを床まで踏み込む。あの素晴らしいフェラーリサウンドとともにコーナーを抜けていく気持ちよさは格別で、
とても40年前に作られた車とはにわかに信じられないほどだ。
さすがに真夏のドライブはきびしいが、今日くらいの東京の気温ではエアコンも十分に機能する。
デビュー当時、酷評されたベルトーネデザインのエクステリアは今見るとコンパクトでどこから見てもはっとするような美しさを放つ。
4人乗りのスポーツクーぺでこれほど美しい車は他にあるだろうか。
あのピニンファリーナのデザインしたモンディアルに比べても比較にならないほど洗練されている。
今ではけっして出来ない造形美にあふれたこのgt4はまさにイタリアンスーパースポーツそのもの。
コンディションのよいgt4を思いっきりとばした時にいつも感じるのは当時新車でこの車をドライブした時のオーナーの息吹だ。1stオーナーが40年前に握った同じハンドルを自分が握るという高揚感はクラシックならではだろう。
コーナーをタイヤをきしませ、車の挙動をコントロールしながら走らせる楽しさは格別で、思わず叫びたくなる衝動にかられる。古くても美しく、素晴らしいものを大切にするイタリアやヨーロッパの文化をこの車のステアリングをにぎるたびに実感する。
私にとってはその車がオリジナルでなければ意味がないのです。出来る限り、当時、新車でデリバリされた時のままの状態で維持することに意味がある。
もちろんタイヤやホースなどメカニカル的なものは新しいものに交換し、走れる状態にする必要はありますが、インテリアや外装に関してはオリジナルにこだわりたい。
美しいローマの遺跡や街並みも当時のままだからこそ価値があるのです。
イタリアの街を走ってきたクラシックカーが自分のガレージにある生活は実にエキサイティングで、エレガントだ。それがフェラーリならもう何も言うことはない。