
今月コーンズから458スペチアーレがデリバリされ、納車前にボディコーティングを行った。
70年代や80年代のフェラーリと比べるとボディのチリや塗装のクオリティーは落ちている。

こちらはフロントフード。フェンダー部分より少し下がっている。

リヤのエンジンフードの透明な部分はノーマルがガラスなのに対し、アクリル製となり、軽量化されている。

その左右につく黒いネットは新車にもかかわらず、波打っている状態。ところどころへこんでいる。ルーフよりの部分がへこんでいるのがわかりますか?
塗装もよく見ると細かい浮きのあるところもある。手作業で塗装を行っていた頃とはずいぶんと異なるが、レーシングカーと思えば多少のこういった問題は気にならない。この特別な車はその名のとうり、スペチアーレ、458のレーシングモデルなのだ。

これはスペチアーレ独自のエアインテーク。

速度がますと風力でダクトが開き、ダウンフォースが増す仕組み。

これらの塗装やボディの瑕疵はメーカークレームにはならないそうで、今のフェラーリの車作りが変わってきていることが伺われます。
70年代の妥協を許さない美術品のような車作りからレーシングカーのような市販車を作るようになった。現代のフェラーリのフラッグシップのF12に関しては塗装に関してもスペチアーレほどレースカーのようなところはないが、やはり70年代の頃からくらべるとそのクオリティは残念ながら下がっている。

これはフロントコンパートメントのラバー部分、

右下に隙間があるのがわかりますか?コーンズの担当者に指摘したらバンと押し込んで終了。メーカーからこんな形で出荷されたことは以前はなかったような気がします。

600馬力オーバーのマシンを公道で走らせる痛快感はモダンフェラーリならではで、レーシングカーを快適にモディファイしたような異次元の車にしている。

その性能は70年代のものとは比べようもないが、

一台一台細かい完成検査を行っていた頃のフェラーリへのノスタルジーが私をクラシックに向かわせているのかもしれない。