458スペチアーレ

458スペチアーレ_a0129711_1125755.jpg
今月コーンズから458スペチアーレがデリバリされ、納車前にボディコーティングを行った。
70年代や80年代のフェラーリと比べるとボディのチリや塗装のクオリティーは落ちている。
458スペチアーレ_a0129711_1134516.jpg
こちらはフロントフード。フェンダー部分より少し下がっている。
458スペチアーレ_a0129711_114426.jpg
リヤのエンジンフードの透明な部分はノーマルがガラスなのに対し、アクリル製となり、軽量化されている。
458スペチアーレ_a0129711_1145334.jpg
その左右につく黒いネットは新車にもかかわらず、波打っている状態。ところどころへこんでいる。ルーフよりの部分がへこんでいるのがわかりますか?
塗装もよく見ると細かい浮きのあるところもある。手作業で塗装を行っていた頃とはずいぶんと異なるが、レーシングカーと思えば多少のこういった問題は気にならない。この特別な車はその名のとうり、スペチアーレ、458のレーシングモデルなのだ。
458スペチアーレ_a0129711_115189.jpg
これはスペチアーレ独自のエアインテーク。
458スペチアーレ_a0129711_116332.jpg
速度がますと風力でダクトが開き、ダウンフォースが増す仕組み。
458スペチアーレ_a0129711_1165693.jpg
これらの塗装やボディの瑕疵はメーカークレームにはならないそうで、今のフェラーリの車作りが変わってきていることが伺われます。
70年代の妥協を許さない美術品のような車作りからレーシングカーのような市販車を作るようになった。現代のフェラーリのフラッグシップのF12に関しては塗装に関してもスペチアーレほどレースカーのようなところはないが、やはり70年代の頃からくらべるとそのクオリティは残念ながら下がっている。
458スペチアーレ_a0129711_118845.jpg
これはフロントコンパートメントのラバー部分、
458スペチアーレ_a0129711_117468.jpg
右下に隙間があるのがわかりますか?コーンズの担当者に指摘したらバンと押し込んで終了。メーカーからこんな形で出荷されたことは以前はなかったような気がします。
458スペチアーレ_a0129711_11132826.jpg
600馬力オーバーのマシンを公道で走らせる痛快感はモダンフェラーリならではで、レーシングカーを快適にモディファイしたような異次元の車にしている。
458スペチアーレ_a0129711_120838.jpg
その性能は70年代のものとは比べようもないが、
458スペチアーレ_a0129711_1118269.jpg
一台一台細かい完成検査を行っていた頃のフェラーリへのノスタルジーが私をクラシックに向かわせているのかもしれない。

  by cavallino-cars | 2015-07-22 12:01 | Comments(2)

Commented by 赤いシートカバー at 2015-07-23 22:26 x
今回の内容にはびっくりしました。技術も塗料も進歩しているはずの現代のほうがクオリティが低いというのはちょっと意外でした。たしかに写真のボディのチリなどをみると、えっ?という気はしますね。
Commented by cavallino-cars at 2015-08-05 15:43
もう今のフェラーリはレーシングカーに近い車になっています。フェラーリで車作りに携わっている人は昔のような職人は少なく、作業着を汚して仕事をするような人はほとんどいません。すべてがコンピューターで管理された工場で生産されています。だからこそ今、70年代の手作り感あふれるクラシックに魅了される人が増えてきているのでしょう。

<< 308GTB from Italy 308GTB Gr4 >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE