gt4の購入基準

今まで100台以上のgt4を見てきた。

その購入基準はどれだけオリジナル性が高いかだ。

自己満足といえばそれまでだが、クラシックの価値はそこにあると考える。

戦前の水没したブガッティが数億円で落札されたものまさにオリジナルだからだ。

外装の傷はお金さえかければ修復できるが、内装はそうはいかない。
下写真は今回みたベルガモの208gt4。

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当時の生地は特別で40年前のものはほとんど入手が不可能。

このgt4はすべてオリジナルなのが素晴らしい。

シートが破れていたり、リアのトランクの生地がオリジナルでないものを購入しないのはそのため。

どうしても現代の生地で張り替えると、質感が異なってしまうのだ。

やはり自分で所有するなら出来るだけ、マラネロを出荷した時に近いものが欲しい。

それでこそ価値があると考える。

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外装もフェンダーにつく金属のリングのつくオリジナルウインカーは今では入手が出来ないもの。

これも買うならオリジナルのものにこだわりたい。

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マフラーも208gt4はシングルパイプのものがつく。

4本出しのものに交換している固体も多いが出来るだけオリジナルのものがいい。

といっても40年も前に生産された車ですべてオリジナルという固体を探すのは不可能にちかい。

今やヨーロッパ中でクラシックフェラーリは投機の対象になってしまい、フェラーりというブランドだけでコンディションよりも価格で購入する人まででてきている。

ベルガモにあった78年の208gt4は濃紺のメタリックの美しい色の1台だったが、かなり手がかかる。
ボディには無数の傷があり、
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助手席は座面の生地が陽に焼けて変色してしまっていた。
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リアのトランクの内装の生地は下の部分のみがわずかにオリジナルのカーペットで、フードの裏にいたってはスポンジが貼られ、フェラーリの名にとうていふさわしくない状態だ。
しかし、ウインカーやマフラーはすべてオリジナルで、
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フロントフードストッパーも社外品がつくが、まだオリジナルパーツが入手できるのでレストアするにはよい個体にも思える。

現状で750万円ほどで日本に輸入して予備検も取得できるが、200万以上の出費は覚悟しなければならないだろう。

それでもオリジナルのトランクの内装は手に入らないのだ。

一つ気に入らないところがあると他にも何十箇所もでてくるというのが私の持論。

この固体もおそらくそうだろう。

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フロントフードのルーバーも上部は本来ビスで固定されているはずだが、ご覧のように固定されていない。

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リヤのテールライトもヒビが入り、

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ガソリンチューブもヒビ割れている。

おそらくブレーキホースも同じ状態だろう。当然タイミングベルトやベアリングも交換しなければならない。

私が高くともオリジナルの生地やパーツの付いた固体にこだわるにはそこに理由がある。

長い間、一年点検を行っていない車を乗ろうとすると膨大な費用がかかるが毎年点検をして乗っている車は比較的、整備費用もかからない。

車をきれいに保っているということはそれなりに大切にされてきたからにほかならない。

当然メンテナンスもしている車も多い。

それにオリジナルの状態でないものは過去にどのようなことがあってトランクの生地や内装を張り替えたのかが伺え知れない怖さもある。

オリジナルのシートベルトにもこだわる理由もそこにもある。
よほどのことがない限りベルトは交換しないからだ。

いくらかかってもかまわないと言うなら別だが、安く買っても結果的に高くなるケースもある。

最悪の場合にはオリジナルパーツが入手できないこともあることを考えるとやはりこの手の車は購入する気にはなれないのです。

  by cavallino-cars | 2015-07-17 16:10 | Comments(0)

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