1986年から89年まで生産された328と同じフェースの ターボはGTBが308台、GTSが828台の合計1136台が生産された。
その爆発的な加速は意外とフェラリスタにも知られておらず、328を買えない人のための廉価版というイメージが強い。
しかし一度でGTBターボを運転したことのある方なら、F40のような加速に驚かれるに違いない。もう328では物足りなくなるほどの強烈なGなのだ。
そんなハイパフォーマンスなエンジンはトラブルにみまわれる事もある。
一つは排気バルブの欠損。その結果欠損したところの燃圧はゼロに。当然パワーもなくなる。
二コルオートモビルのフェラーリ担当メカニックに聞いたことろ、F40にも同じことがたまにおこるという。圧縮比が高いターボエンジンをフルブーストで運転すると起きる可能性も高いのかもしれない。
F40でも多いのがマフラーからの白煙。暖気後のアイドリング時にモクモクとではじめたらバルブガイド、ステムシール、ピストンリングからのオイルが燃焼室に入り、燃えている可能性が考えられる。ステムシールだけですめばヘッドをはずすだけで済むが、リングまで交換となるとエンジンオーバーホールとなるので最低でも200万円は必要。
もう一つはウエストゲートの劣化。ウエストゲートバルブは中にコップをひっくり返したような耐熱のラバーが入っており、排気圧である程度のブーストがかかるとそれを開放するシステムになっている。そのカップリングが損傷しているとターボをかけるとブースト計が振り切って、赤い警告灯がつく。こちらも生産後29年たっているので傷んでいるものが多い。
いずれもまだパーツはあるので修理は可能だが、購入前にはせめて白煙がでていないか、フルブーストをかけた時にブースト計が振り切って、警告灯がつかないかくらいは確認した方がいい。