玉石混交

価格は129950ユーロ。1806万円。
一見美しい1台だが、オリジナルでないところが多く、過去の履歴がわからない。





フロントバンパー下についているフォグライトは本来ラバーの網などはつかない。



価格は84500ユーロ。日本円にして1174万円。
それぞれ日本に持ち込んだ場合、GTBは2124万円、gt4は1435万円。それに塗装の補修や機関系の整備代がプラスされるので308GTBでおおよそ2200万、gt4で1500万円ほどの原価。
ヨーロッパのマーケットにもこんな固体がたくさん売られている。もちろんいいものもあるがこの手の車が大部分。オリジナルがどんなものかを知らない人たちが買っていくのだろうと思う。
本物だけのもつ素晴らしさに優るものはない。
オリジナルだからこそ価値がある。自分のガレージにいれる1台は当時のオリジナル部分の多い車にしたい。
by cavallino-cars | 2015-06-15 14:54 | Comments(2)
GT4に関してですが、私のシリーズ1もバンパーがシリーズ2(前後とも)で、ドアライトの枠も黒です。ちなみにステアリング、ホイール(クロモドラ)、マフラーという交換されやすい重要部分を含めほかは全てオリジナルです。
バンパーとドアライトの枠については疑問だったので、海外のサイトを中心に調べたのですが、シリーズ1の最後のほう(9600番台~9700番台)はシリーズ2のバンパーが多いことがわかりました。供給か在庫の問題で単にバンパーだけ先に変わった可能性が高いと思われます。ちなみに、スペア部品としてFRPバンパーが供給されていましたが、研究家のKeithBluemelによると、一時期メッキバンパーの供給がされなくなったためにそれをつけて「オリジナル」としてマラネロから出荷された車もあるそうです。1970年代のイタリアはストライキが瀕発していました。
ルームランプの枠に関してはそうそう交換されるようなパーツではありませんが、何台も同じ仕様を見ていますので、おそらくこれも供給の問題で一時期黒いものが使われた可能性も否定できないと思われます。メッキ色の方が好ましいですが。
サイドミラーの標準も無い時代ですし、フロントのエンブレムの窪みがないものまでオリジナルとして存在します。それだけ「計画的生産」とはほど遠かったフェラーリの良き時代なので魅力があります。
バンパーは考えられますね。初期型はメッキグリルも後期型とウインカーのステイが異なりますので、シリーズ1に後期型をつけようとすると加工が必要となります。ウレタンバンパーの厚みも初期型に比べ、2倍ほどになっていますので安全基準の変更あったとも考えられます。初期型はメッキの下の部分がみえるため、下のパネルのクリアランスが少しでも異なると目立ち、調整が大変だったはずです。大きなウレタンバンパーでその隙間を見せないことにより、調整の手間はなくなりました。当時のフェラーリはコストダウンは至上命令でした。フィオラバンティ氏から308をお譲りいただいた時にファイバーのエンジンフードがルーフのラインと左はあっていても右がでていたりする車が多く、ドイツや英国、アメリカからのクレームがきたそうです。それに対応するために調整の簡単なスチールボディにしたという話を聞きしました。バンパーも年々厳しくなるメーカーのコストダウンのための変更なのかもしれません。
その意味でドアライトも黒のプラスティックフレームへの変更も考えられますが、シリーズ2が角がとれたメッキフレームのものを使用しているところをみると単にオリジナルパーツの入手が難しかったためにオーナーがつけかえたのでしょう。今も初期型のメッキライトは欠品です。当時のライトはスイッチ部分がプラスティックで壊れるとリビルトが難しいものでした。100台以上のgt4を見てきましたが、初期型でも後期型でも黒のフレームのライトが装着されたものがあります。細かいところにまでデザイナーの意向が反映されたgt4なので一時的に使用されたとは到底考えられません。メーカーからの正式な資料がない限り、やはりオリジナルでないと思うのが正しいと考えます。40年も前の車ですが、自分のガレージにはオリジナルに近いものを入れたいのが理想です。メッキのドアライトはなかなかネットでも見つかりませんが、英国のパーツショップを巡るとたまにパーツ取りの車についているものを譲ってもらえる時があります。すこしずつオリジナルパーツもを探してつけていくのもクラシックの楽しみの一つです。