旧車との付き合い方

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ベルガモから譲り受けたDino208gt4 のエアコンのガスの補充のため工場に向かった。
水温計が少し上がり気味なのが気になり、電動ファンをチェック。この車につくのは2つ。
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正面からみて右側が水温の温度により回転するファン。
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左側はエアコンをいれると回転するファン。
エアコンのスイッチをONにしても左のファンが回らない。羽根を少しさわったら回転しはじめた。あきらかにモーターが本来の調子ではない。オーバーホールが必要だ。
水温に反応するモーターも本体は回るが、ラジエターにつくサーモスタットが壊れているらしく作動しない。直結にしてとりあえず回転させて帰ることに。
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工場に行く途中も、帰り道の高速でも、エンジンが気持ちよくふけない。低速でもたつく感じでストレスフルなことこの上ない。プラグをみたらプラグホールに水がたまった跡があり、5番には少し水が残っていた。メカニックにお願いし、プラグをはずし、掃除をし、新しい電動ファンに交換。今までついていたものと異なり、勢いよく回転する音がコックピットまで聞こえるようになった。
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テストのためドライブすると今までとは明らかに軽くエンジンがふける。
こうでないとこの車の本来の楽しさは味わえない。
サーモスイッチはすでに英国にオーダー済みで、来週には手元に届くだろう。
クラシックフェラーリは手がかかるが、調子のよいキャブレターの車ほど楽しいものはない。
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常に水温、油圧、油温計のチェックは必要だ。この日の外気温は30度を超えたが、水温は90度、
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油温も90度で安定していた。こういうチェックが煩わしいと思える方には旧い車は向いていない。

万一水温の上昇に気がつかずに、オーバーヒートのまま走り続ければ、エンジンに大きなダメージをもたらすこともある。原因がわかれば、必ず本来の調子を取り戻す。

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アクセルに即座に反応するエンジンやクイックなステアリング、コーナーでアクセルワークでノーズをコントロールできるバランスのよさは70年代のフェラーリの最も好きなところだ。
旧いフェラーリには現代の車にはない美術品のような美しさに溢れている。
ひとたびエンジンをかけ、ワインディングを走ればその楽しさは別格で、これぞスポーツカーと叫びたくなるほどの高揚感もあるのだ。
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イタリアでもめったにめぐり合うことのなくなったこのような素晴らしい車は貴重な1台。
オリジナルでこの車のように美しいものは出てこないだろう。
そんな世界に1台だけのベストコンディションのgt4が自宅のガレージにある生活は実に楽しい。
今夜はイタリアの美しい街を走ってきたこのgt4をみながら、30年もののスコッチでも飲んでみよう。

  by cavallino-cars | 2015-06-22 14:28 | Comments(0)

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