
今回の出張の最大の目的は前回の出張で見に行った308GTBを試乗することだ。古い車で最近の整備記録がないのでどうしても購入する前に実際に乗って確認したかった。目的の308は自宅から少し離れた工場に用意されていた。上の写真のハンドルをにぎるのは私。7秒ほどのクランキングの後、フォンと勢い良くv8ユニットは目を覚ます。
前回はオーナーが海外出張中のためエンジンをかけることも出来なかった。
いくら外見はよくとも実際に乗ってみないとわからないこともある。

何台も見ているからこそわかるのかもしれないがペルージャのGTBよりもはるかにシャキッとした印象のこのGTBは久しぶりに出会った欲しいと思える1台。

左右のパワーウインドウも問題なく作動する。ほとんどのGTBはウインドウのラバーチャンネルが傷んでいたり、ワイヤーやモーターの不良で動きがしぶい。このように上下ともスムーズに動くものは少ない。さっそくガレージからだして、走りながら各部のチェックをする。

タイミングベルトも10年近く交換していないため、全開でのテストこそ出来ないが、各ギヤが問題なく入ることやスピードメーター、タコメーターなどの作動状況やエンジンの状態、ステアリングギヤボックスなどのチェックは十分に可能。
すべて問題ないことを確認しながらもそのペースは自然とあがってしまう。それにしても何度聞いてもF106 と呼ばれるこのエンジンの奏でる乾いたサウンドは魅力的だ。
5kmほど走り、ガレージに戻り、譲っていただくことにした。

これは前回撮影したトリップメーターと

今回試乗した後のもの。オドメーターがきちんと作動するかも購入前の重要なチェックポイントのひとつ。前期型の特徴のダブルレターのメーターがつくのも嬉しい。

マフラーはシングルパイプのオリジナル。太鼓部分に錆びないように塗装がされているものが多いなかこれほどきれいな状態のマフラーはそれだけで貴重だ。この車のコンディションの良さはマフラー以外にもメーターナセル上のステッチの状態からもわかる。

ほとんどの車がハンドルを握る手があたり、縫い目が擦り切れているのに対し、このようなコンディションのものは今や非常に少ない。

オリジナルのマニュアルやマニュアルケース、工具も揃う。

鍵は当時のオリジナルに新車時のフェラーリが用意したキーホルダーもつく。

ボディカバーはおそらく当時のものではないがフェラーリの純正品。このようなカバーをつかっていたことからもオーナーのこのGTBに対する想いいれが伺われる。気になっていた運転席ドア内側のエマージェンシー用のウインドウオープナーのカバーも既にオーナーが注文済みで日本に到着前には私の手元にくることだろう。
日本到着予定は6月初旬。
また素晴らしいコンディションのGTBがイタリアからやってくる。
Grazie Luca!