実際に見て初めてわかること

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前回伺ったペルージャのフェラーリディーラーから1976年のファイバーグラスのオーナーが売却したいので預かったから見に来ないかとお誘いいただいた。
オーナーは自宅の道をこの車のために舗装したとのこと。雨の日は一度も乗ったことがないないほど大切にしているという。
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期待に胸膨らませて4月の16日に実際に現地に行ってきた。内装は革が傷んではいるがオリジナル。残念ながらホィールは当時のオリジナルの14インチではなく、16インチのものがつく。
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メーターもダブルレターのものがつき、トリップメーターもファイバーならではの細い数字のもの。
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スペアタイヤを覆うカバーも当時のオリジナルだが、タイヤを抑える革のベルトは本来は黒。
ここまでの写真を見た方は素晴らしいファイバーグラスの308に見えるはずだ。
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しかし塗装は写真ではわかり辛いがかなりチープなもの。フロントは大きな事故ではないがヒットしている。運転席側のフロントフェンダーにはそのため細かいクラックが入っている。
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バックヤードの工場でリフトしてメカニカル的なものをチェックする。後ろ右から来るのが目的のファイバーグラスの308。エンジンルーム下はあらゆるガスケットからオイルが漏れ、フレームまでオイルでビショビショの状態だ。
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左リアフェンダー内側にはタイヤがこすれたような傷もある。
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オイルパンのドレインボルトからもオイル漏れがあったらしくシーリングで漏れをとめているお粗末さ。
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これはフロントのアンダーパネルを下から見たところ。ヘドロのような塗装は小学生がアルバイトでしたようなレベル。
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これは運転席側のフロントタイヤ後ろの下の部分のショット。意味のわからない傷や本来シーリングがしてなければならないところが空洞になっている。イタリア人のメカニックといくらくらいかかるか相談したら塗装に3万ユーロ、エンジン関係では7000ユーロは最低でも必要だろうと言われた。タイヤやホィールもオリジナルではないので交換が必要だし、
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マフラーもgt4のものがついているため、こちらも交換したい。
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オーナーの希望価格は20万ユーロ。今の高騰した相場で売ろうと思ったのだろう。いくらなら買いますかと聞かれたが、10万ユーロでもほしくはない。オーナーは道をなおすより、車を修理するべきだった。5万ユーロといわれれば買ってレストアしようかとも考えたがさすがに20万ユーロで売ろうとしている方には言えず。

塗装には1年もかかるだろうし、他に悪いところが出てくる可能性もある。また1年後の相場はどうなっているかもわからない。酷い塗装をされた上、長い間メンテナンスをしていない車は本当に悲惨な状態になっている。こんな車を写真だけで購入するとまさに悲劇です。
700数台しか存在しないファイバーグラスの308は貴重ではあるが、これならコンディションの良いスチールボディの308を購入した方がはるかにいい。発表から40年も経過した308はまさに玉石混淆です。
親身に相談にのってくれたメカニックにいいものがあれば是非譲ってほしいので探して欲しいとお願いしたら1週間前にブルーシルバーの308gt4を頼まれて売ったとのこと。残念!!!
しかし今回は彼に会えたことが大きな収穫かもしれない。シルバーで黒のモケットの内装の208gt4のオーナーが売るかもしれないというので連絡をとりあうことを約束してローマに戻ることにした。
よいものはすぐに売れてしまうというのは万国共通。特に308はGTB,GTSにしてもgt4でもあっという間に次のオーナーが決まってしまう。イタリアで本当にコンディションの良いものに出会うことは実に少なくなってきた。

  by cavallino-cars | 2015-04-20 18:38 | Comments(0)

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