人生最後に乗りたい車??

仕事柄、古い車はもちろん、新しい様々な車に乗る機会が多い。
最近、雑誌の一度は乗ってみたいとか、人生最後に乗りたい車の特集を見るたびに、なぜ長く乗り続けたい、生涯ガレージにおきたい車の特集がないのか、不思議に思う。

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ラフェラーリやマクラーレンP1は夢の車には違いないだろうが、限られた一握りの人の1台。
発表と同時に各社こぞって特集をくみ、試乗記などをのせるが、実際にそのステアリングを握る人は日本では20人にも満たないだろう。さらにそのポテンシャルを十分に楽しめる方はそのうちのごく僅かだ。

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新しい車を悪く言うつもりはないが、美しさや車との付き合いの楽しさは個人的には断然、旧車が勝る。
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458やマクラーレンのような新しいスーパースポーツは未体験の加速やコーナリングを楽しめるという点では実に魅力溢れる車だ。
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高速をレーシングカーのようなスピードでとばしているとその速さと安定性に技術の進歩を感じる。
しかも真夏のコックピットでも快適にすごせるのはモダンフェラーリの最大の魅力かもしれない。
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しかし私のような50を過ぎた年齢のライフスタイルにはどうもしっくりこない。
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ガレージからアベンタドールに乗り出かける自分と40年前に作られたクラシックフェラーリを運転する自分を想像した時どちらがエレガントだろうか。
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新しい車を追いかける年齢は私としては40代まで。
さらに最近のスポーツカーはカリフォルニアに代表されるように、免許を取得したばかりの女性でも運転できるようになってしまった。

なぜこれほどまでにステアリングを軽くする必要があるのか、テールがスライドするようなハイスピードでコーナーに進入すると軽すぎて修正するのが怖い。
コーンズの営業にお聞きしたところ、ご婦人が乗っても片手でハンドル操作ができるようにメーカーが考えてのことらしい。

今やフェラーリは女性や高齢者にも運転できるような車を作るようになった。今から40年後、カリフォルニアは308のようにエレガントにみえるだろうか。
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今回、モデナでオリジナルコンディションのgt4を運よく譲っていただくことができた。
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当時の車は美しいばかりか、レーシングスピードで運転してもワクワクするほど楽しい。
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コックピットに座った時の高揚感、高速コーナリング中にアクセルを少しだけ戻した時のノーズがスッとインに入るバランスの良さ、40年前にタイムスリップした気分で、本気でとばせば、とばすほど、この車の素性が全身で感じられる。
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スポーツカーは美しく、速く、そしてコントロール性が良くなければならない。
ナビゲーターがこの速度でコーナーに入って大丈夫だろうかと思えるようなスピードでも、ドライバーが車の挙動をアクセルとステアリングでコントロール出来る楽しさこそがスポーツカーの醍醐味だ。

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もちろんマラネロの門をでてから40年も経過している車なので修復しなければならないところもあるが、それもこの手の車の楽しいところ。
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良いものさえ買えば、オリジナルのパーツを海外のサイトから探したり、塗装に手を加えたりしながら、何年も所有する悦びは格別だ。
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それがイタリアやヨーロッパの国で何年間も走ってきた車なら言うことはない。
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そんな車が自分のガレージにあるだけでワクワクする。
まさに自分だけの珠玉の1台だ。
そんな車と生涯をすごすライフスタイルが私の理想だ。
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gt4と308は長く付き合いたい1台として今でも私のTop 2 にある。
残念ながら50年後に自分の目で確かめることは出来ないだろうが、この2台はますます輝いているに違いない。

  by cavallino-cars | 2015-02-17 16:00 | Comments(3)

Commented by 赤いシートカバー at 2015-02-18 01:26 x
購入できるまでの努力やご苦労を考えると、軽々しく言うべきではないのでしょうが、やはり蓮実さんの思いが、素晴らしい車を引き寄せていますよね。               ちょうど6年ほど前、カーセンサーでチャロブルーのgt4をはじめてみたときのことをおもいだしました。それは頑張ればぎりぎり手の届きそうな私の希望になりました。数年後、実際に目の前にしてみると、写真で見るよりもはるかに緊張感のある面構成や、内装の繊細さに感動すらしました。自分が写真で見て想像していたよりさらによい車だと気づきました。308やgt4を目の前にし、ハンドルを握り、アクセルを踏めばデザインのための余計なキャラクターラインや、爆音を発するマフラーは必要とは思わなくなるとおもいます。 蓮実さんの輸入される308シリーズのほとんどが長きにわたって一人のオーナーに愛されていることが多いのは、308シリーズの車として、人生を豊かにする嗜好品としての素晴らしさの表れではないでしょうか?   私はまだ40年も生きていませんが、30年近く手元に残っているものは、なにがあるでしょう?両親からプレゼントされた入学祝いの筆箱くらいでしょうか? まして、車は乗らなくても、定期的な整備が必要です。40年はとても永い時間でオリジナルコンディションは奇跡だとおもいます。                      これから今回の素晴らしい308やgt4に運よく乗られる方がうらやましいかぎりです。 
Commented by cavallino-cars at 2015-03-06 12:17
年毎によいものと出会える確率は本当に少なくなりました。今はすべてのヨーロッパの人たちが欲しがっている状況です。私が買えるチャンスはさらに少なくなってきています。
そんな状況下で日本にやってくるオリジナルコンディションのGTB やgt4は輸入を始めた頃に比べると非常に貴重です。
ご購入いただいたほとんどのお客様が気に入られて、ずっと所有していただいていることは大変喜ばしく思います。ヨーロッパのように一台の車と長く付き合うカーライフは実にいいものです。良い時期にご購入されて良かったですね。
これからもずっと持ち続けたくなるような1台を輸入していきたいと思います。
Commented by 赤いシートカバー at 2015-03-09 01:07 x
問題は、どんなに自分の車が気にいっていても、蓮実さんが輸入される車を見るたびにいいな~と思ってしまうことです。どの車も色合いなどそれぞれちがった魅力を放ちますね。

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