
土曜日の朝の便でアムステルダムにある79yの308GTBを見に行った。

スキポール国際空港から車で45分。


途中には風車や運河沿いに建てられた住宅などオランダならではの景色が続く。春になると一面チューリップが咲き乱れるこの国からは以前モナコブルーの308gt4を譲り受けたことがある。

お昼すぎに目的のGTB のあるガレージに到着。

Chassis# 27009 のこのGTB は1979年2月16日、39年前の今日から2日後にスイスのチューリッヒのディーラーからデリバリーされた。

その後一人のオーナーの元で現在まで過ごしてきた。

クラシケによると元の色はAzzuro 紺のメタリックとなっている。

現在はRosso 。赤に塗り替えられた。

譲り受けたFranc氏によると最初は 紺でオーダーしたのだが、途中でオーナーの気が変わり、フェラーリで赤に塗りなおして納車してもらったらしい。

オリジナルのカンパニョーロのオプションの7.5Jのコンディションは塗りなおしたように美しいままだ。タイヤはクラシケ取得後の2008年に新しいものに交換されている。

インテリアはすべてオリジナル。

タンの内装も運転席でさえ傷みがないのはこの車の31868kmという距離計が間違いないことを証明している。

ドア内張りのポケットには乗り降りの際に靴で傷をつけないように新車時にはられた保護ビニールがいまだにつく。

エンジンルームをみると良くメインテナンスされていることがわかる。

タイミングベルトは昨年交換したばかりで、ウォーターホースや左右ガソリンタンクをつなぐフュエルホースも交換してあることがひと目でわかる。

エンジンフードに取り付けられたルーバーも雨染みなどはまったくみられない。

ルーフにはられたレザーの状態もすこぶるよい。
マニュアルケースこそないが、新車時の1stオーナーの氏名とデリバリしたスイスのディーラー名の入った保証書、オリジナルキーなども揃う。

唯一、デリバリ時と異なるのはマフラーで、オリジナルのシングルパイプのものからANSAの4本だしのものに交換されている。

それに伴い、リヤバンパー下の部分がマフラーのパイプに合わせて加工されている。この部分が気になるが板金工場に相談したところ、嬉しいことにファイバーで作られているためオリジナルに戻すことは可能とのこと。幸運にもオリジナルのシングルパイプがみつかればいうことはない。ステンレス製のものであれば英国でいつでも入手も可能だ。

フェラーリの認定書のクラシケを取得済みのGTB は現在売り物は唯一このGTBだけ。

日本でクラシケを申請しても50万円ほどで問題なければ取得できるが、万一コイルがオリジナルでなかったり、社外パーツを組み込んでいたりしたら、それなりの費用を覚悟しなければならない。

運悪く取得できない車であることも考えられる。その意味でも魅力ある1台。
価格応談。