帰国してすぐにモデナの知り合いのディーラーからオリジナルコンディションの208gt4が売り出された。11日から再びイタリアへ向かう。

いつものようにBritish Airways でロンドン経由でミラノのリナーテ空港に。最近は毎月のようにイタリアに行くためもう国内出張と変わらない気分です。

何度この空港に降り立ったことだろう。

空港内のカフェでカプチーノとクロワッサンの軽い朝食をすませ、モデナに向かいます。

このgt4は1976年3月18日にローマのディーラーからデリバリーされた1オーナーカー。
chassis#は11376 。

内装はフルオリジナル。
ダッシュボードやメーター、ハンドルなど、どれを見てもすべてがシャキッとしていて、ひと目見ただけでそのコンディションのよさがわかる。

走行距離は52000km。
39年間一人の愛好家のガレージで過ごしてきた。
75年から80年にかけて作られた208gt4の総生産台数は840台。
そのうちこのような素晴らしい状態のものはごくわずかに違いない。

新車時のマニュアルケースはもちろん、マニュアル、保証書、

スペアキーもすべて当時のものが揃う。
75年の発売初期のモデルは座面と背もたれのすべての部分がモケットとなる。左右のサポートがビニールレザーになったのは76年後期のモデルからだ。
ブラウンのモケットの状態は驚くほどよく、以前マントバで譲り受けたシルバーのものと遜色ないほど素晴らしい。

クラッチペダルの絨毯部分はほとんどの車が擦り切れているのだが、ご覧のようなコンディション。

リヤのマフラーもオリジナルのシングルパイプなのもいい。
前回の出張で見た何台かのgt4とは雲泥の差だ。

初期型のホィールキャップのつくCROMODORA製のホィールはリムに多少の傷はあるものの、レストアすれば新品のようになる。ホィールキャップにはすべてDino のオリジナルのエンブレムがつくのもいい。

なんといってもこの車のハイライトは内装の美しさで、これほど当時のままの状態を保っている車は数年に1度、出会えるかどうかのもの。

革のシートであれば補修も可能だが、このようなモケットのものは一度穴があいたり、切れてしまったものは完璧な補修は不可能なのだ。

こちらは助手席のフロアマット。40年も経過しているとはにわかに信じがたい。

メッキ類も傷はなく、美しい状態。フロントウインドウも交換暦もなく、

リヤのトランクのカーペットも当時のままだ。

左右フェンダーのウインカーレンズも、

フロントスペアタイヤセクションもオリジナルのまま。

助手席前のヒューズボードも焦げて交換してあったり、改造してあるものがほとんどなのに対し、ご覧のように当時のままのコンディションを維持している。

その場で購入させていただいたのは言うまでもない。

後でお聞きしたのだが昨日ドイツからこの車を見に来た人がいて、私が買わなければ購入する旨の契約書を書き、今もモデナに泊まって結果を待っているとのこと。パスポートのコピーのついた契約書を見せてくれた。それほどコンディションの良いgt4は少なくなってきているのだろう。

良い車との出会いは本当に一期一会。このような素晴らしい固体と出会えたことは本当に運がよかった。また1台素晴らしいgt4が日本にやって来る。