france からのメール

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フランスのAUTODROME Paris というクラシックカーディーラーからメールが昨日届いた。
Knight Frank というアナリストによるとクラシックカーの価格の上昇率は過去10年間において456パーセント。美術品の193パーセント、コインの227パーセント、宝石の156パーセント、切手の250パーセント、時計の77パーセントなどを大きく引き離している。
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美術品の40パーセントの投資家が中国人で、その中国で今まで認められていなかった中古車の輸入が解禁されるという動きがある。近い将来クラシックカーの登録ができるようになればその上昇率にはずみがつくのは間違いない。Forbes, HBC,JPMorgan などもこの動きには注目しているという。
近年日本でも外資の大手銀行が愛好家を集めて過去20年ほどのクラシックカーの価格の推移をグラフ化して投資のすすめを行っているほどだ。
ますます手が届かなくなる前にクラシックカーを買いなさいというセールストークだ。
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ここ1年で最も上昇した246Dino の価格は1年前は13万ユーロ。今や35万ユーロもする。
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フェラーリに関しては過去1年で車種にもよるが300パーセントも上昇している。
車好きが何倍にも増えたとは考えられず、投機目的で購入する人が増えたということだろう。
もしくは私のような古くても良いものを愛する人が増え、購入希望者が現存する車の価格を押し上げたとも考えられる。5年ほど前に海外に販売したマクラーレンは2億円、今や10億円もするようになった。
数年前には4000万円で買えたF40 は今や9000万円、1年前には2000万円だったトヨタ2000GTでさえも今や1億近い価格で売買されている。

愛好家にとっては誠に残念なことではあるがオーナーにとっては嬉しい現実に違いない。
こちらは昨日ミラノから届いた308GTBのオファー。
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紺のものが8万5000ユーロ。もう一台赤のファイバーは16万ユーロ。
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日本円に換算すると1258万円と2368万円。輸入した場合の販売価格は1700万円と2900万円にもなってしまう。現地イタリアでも急激に価格は上昇中だ。
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今や308のファイバーグラスモデルは458の新車価格に近い。今後どのように価格が推移していくかは興味深い。

英国では過去1年間に不動産価格は20パーセントも上昇し、バブル景気真っ只中。米国のサブプライムローンのようなものが投資家により作られ総額の僅か5パーセントの資金があれば購入できるという。
価格の上昇がとまり、下落に反転した時にそのシステムは崩壊する。
クラシックカーへの投機的動きも同じようなことがおきないともいえないが、住宅などに比べれば安定はしている。1億円を超える価格のミウラやルッソなどはもはや気軽にドライブに行くことの出来ない車になってしまった。
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308は乗っても見ても、実に楽しく、美しい車だ。
その車が投資家により、手の届かない価格になってしまうのは実に寂しい。

  by cavallino-cars | 2014-12-08 11:57 | Comments(1)

Commented by cavallino-cars at 2014-12-14 12:40
読者の方からいい加減な評論家と車屋が言ってることというご意見をいただきましたが、ナイトフランクは英国大手不動産仲介業者で彼らの数字は信頼できるものです。クラシックカーの価格の上昇率に注目し、ファンドを集めて実際に動いている会社もあります。彼らは次のGTOを探しているのです。

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