手作りならではの美しさ

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70年代のフェラーリはどれも一台一台ボディに合わせてドアを加工してとりつけている。
今の車のように新しいドアをそのままとりつけてもきちんとつかないのです。
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これは308の左のドア。上の方がドアの厚みがあり、下はすっきりしている。上の部分を折り曲げて成型しなおしてボディのちりに合わせているのです。
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こちらは運転席側。上がすっきりしているのに対し、中央部分は肉厚になっているのがわかりますか?
けっしてこの車が事故をおこして新しいドアに交換されたのではなく、新車時からこのように一台一台、当時の職人が自分の目で確認し、感覚で車に合わせて、ドアをフィッティングしていくのです。
今のコンピューターを使用してつくられたものは1ミリの狂いもなく、同じものが出来るのでそのまま取り付ければいいだけ。技術の進歩はすばらしいが、70年代のような美しいフェンダーラインは作ることが出来ない。
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ちなみに何台ものBBをレストアしている当社の板金工場の社長の話ではBBのドアウインドウフレームは運転席側より助手席側の方が寝ているし、リアフェンダーは助手席側の方がなで肩のように下がっているという。
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はっとするような美しさは当時のフェラーリならではで、イタリア人の美意識の素晴らしさには感動してしまう。
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このような細かい繊細な職人の手作業がモダンカーとは一線を期す美しさの秘密なのかもしれない。

  by cavallino-cars | 2014-12-04 20:00 | Comments(1)

Commented by 岩槻のTT at 2014-12-08 17:48 x
これを日・独のメーカーは「ノイズ」と感じるのでしょうね。私が以前乗っていたアウディがどうも肌に合わなかったのは、そういった窮屈さを無意識に感じていたのかもしれません。是非はともかく、こういったアナログなものづくりは、決して廃れさせてはいけないと、最近とくに強く感じます。

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