クラシックフェラーリは絶対に見て、乗って買うべし。

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最近ネットの写真だけで海外からクラシックを購入する人が増えているように思える。
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確かに運がよければ、良いものが安く入手できる。そこが並行輸入の魅力。
だがそれと引き換えに多くのリスクもともなう。
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まずはペイント。写真と現物が大きく異なるのはよくある。日本でオールペイントを行うと300万円から500万円。細かい傷の補修でさえ30万円から100万円ほどかかるのです。
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次にミッション系のトラブル。シンクロがだめでシフトアップができてもダウンシフトをする時にギヤが入らない場合は120万円ほどは覚悟しなければならない。
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さらにエンジンのコンプレッションが低い場合はオーバーホールに150万から200万円の費用を要する。日本での改善費用や補修に、私が実際に見て、乗ってきた車でさえ100万から200万円ほどかかるのだ。時間に余裕のある人なら絶対に海外に行って車をみてから買うことをおすすめします。
少々辛いがエコノミーなら航空券は20万円ほど。この手間をおしむととんでもないものがくる確率90パーセントです。

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実際、送ってもらった写真をみて、いいと思って現地へ行って裏切られるケースがほとんど。
そういう経験を何度もしてきている。
いくら費用がかかっても直せばいいという考え方もあるが、そういう方は信頼のおけるディーラーに任せるはず。そもそも自分で輸入しようとは思わないでしょう。
数日休みをとり、わずかな費用で数百万円の無駄な出費をくいとめられるはずです。

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ここ1年ほどはいい車はあっという間に現地で売れてしまう。残っているのは極端に高価か、コンディションのよくないものと思ってほぼ間違いない。
200万円安く買えても、後で200万円かかれば同じこと。それでもきちんと走るようになればまだいいでしょう。治らなければ、ただの鉄くずです。
それほど40年近く経過したフェラーリはコンディションが固体によって極端に異なるのです。
しかもフェラーリはエンジンが命。気持ちよくトップエンドまで回らない車はまったく魅力がない。

以下はカーマガジン1991年7月号に掲載された原将人氏の米国から輸入されたDino208gt4 の記事の抜粋。

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いざ走りださん!と、クラッチミートをさあセルと途端にスッと回転が落ち、ストールしそうになってしまう。
やはり低速のトルクはそれなりに細いようで、308のように気楽なミートは禁物と言えそうだ。
ブォンと一発ブリッピングをくれてやり、タイミングを合わせてクラッチをつないで見たら、今度はうまくスタートできた。クルマに慣れるまで回転をそれほど上げずに走ってみるが、発進の時に少々気を遣う必要がある以外は、下げられたファイナルのおかげもあって、それほど気難しさは見せず、3000rpmを目途にシフト・アップしていっても、流れには充分乗れてしまう。
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だが甘えてはいけない。前の車がどいたか飛び出そう、と、そのままアクセルを踏み込んでも、グズグズとするだけで期待した加速Gは得られず、208gt4は”そこまで出来ないよ!”とばかりにドライヴァに不満を告げる。エンジンが本領を発揮するのは3500rpm辺りからで、レヴ・カウンターの針が4000rpmを越えると、それまでとは明確に異なった力強さで、グイグイと前方へと押し出される。308gt4もほぼ同様の傾向をしめしたが、そこまでとそこから上の落差は208のほうが大きく、それこそ一気にクライマックスへと駆け上がっていく感覚で、絶対的なスピード云々ではなく、フィーリングだけで言えば確実にこちらのほうがファンだし、勝っていると思う。
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試乗前に抱いていた”きっとこういう加速だろう”という予想は見事的中。一度その味を覚えてからは、加速G中毒となり、ワクワクしながらアクセルを踏み込むようになってしまった。
残念だったのはそのサウンドで、期待した甲高いフォーンというミュージックが効かれず、ヴァーンといった感じの太めの音に終始した点だ。まぁ決して魅力のない音ではないし、想像の域を出ないけれどもオリジナルの
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1本だしのエキゾーストではもっと味気無い音だったろうと思えるから、これはこれでよしとしておこう。
イタリアの小排気量モデル式に、各ギヤで上まで(赤の細ライン手前の7000rpmまで)引っ張ってみたが、想像通りこれが正しい運転方法であるようで、配分のよいギヤ比は4000rpmを下回らない所で次々とバトンを受け取ってくれるから、不満のない・・・いや、充分に満足のいく加速を得ることが出来る。
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100km/h は5速で3500rpm、4速で5000rpmで、5速は明らかにクルージングギヤとしての役割を担っており、高速道路で追い越しをかけるような場合は、面倒がらずに4速へとシフト・ダウンをすべきだ、なんて言わなくてもきっとそうせざるをえない衝動にかられるはずだ。
フェラーリの名を持たず、跳ね馬のエンブレムも付かないし、排気量は2.0Lしかなくても、このクルマは乗る者を充分に楽しませ、酔わせてくれる魅力をもっている。エンジンを目一杯回す悦びを、久々に感じさせてくれた1台だった。

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私が納車した4台の208gt4のオーナーはこの記事を読んで首をかしげるにちがいない。
それほどそのインプレッションはことなる。
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ライターの原氏をあの乾いた高度1万メートルを飛ぶジェット機のようなキーンというフェラーリサウンドに満たされたコックピットに招待したい。
エンジンレスポンスもこの記事とはまったく異なる。
308gt4よりも軽快に回るエンジンは246Dino のようなライトウエイトスポーツを運転しているようなドライブフィールだ。
多少のトルクのなさは感じるものの、ヴォーンとブリッピングしなくともスムーズに発進できないというのは大げさでアイドルスタートさえこなすフレキシビリティも備える。

何十台ものgt4やGTBを見てきた経験上、実車を見ないで購入するのは危険すぎると断言できる。

  by cavallino-cars | 2014-11-18 14:32 | Comments(0)

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