Alessandria からおおよそ40分の丘の上に建つ邸宅に向かう。

オーナーのための専用の道を上り、ゲートを開けてもらいさらに進むと目的のgt4がガレージにあった。


あまりの素晴らしいご自宅に圧倒されながら、見たgt4は期待とは裏腹にがっかりするものだった。


リヤにつく跳ね馬は本来のものではなく、フォードのムスタングにつくエンブレムに似ている。

フェンダー左右のウインカーレンズもノンオリジナル。

おそらく後でつけられた内装の赤のパイピングにいたっては言葉もでない。

ステアリングやダッシュボードの変色も気になる。

フロントウインドウのモールは浮き、

雨漏り必至の状態だ。

ドア内張りのライトも本来メッキの枠のつくものがつくが、これはオリジナルではない。

これでASIのゴールドプレートが取得できるのだからASI(イタリアクラシックカー協会)をあまり信用しないほうがいいかもしれない。
生産されてから40年近い年月を経て、オリジナルのまま美しく保存されているものとの差は歴然で、ひと目みただけで購入する気がうせていく。
今回見た3台はどれもFerrari には違いないが、ガンメタリックの1台は本物だけのもつ美しさに溢れている。美しいものには手を加えず、オリジナルのままが一番美しい。

クラシックフェラーリの美しさはローマの遺跡や

イタリアの美しい街並みに共通する繊細なまでの美しさと歴史的文化遺産のようなものをかねそなえているように思える。
そんな街を走ってきた珠玉の一台がガレージにある生活はそれだけで楽しい。