Bologna の 308GTB

Bologna の 308GTB_a0129711_1991977.jpg
前回の出張時に、休暇中で見れなかったボローニャにある79年の308GTBのオーナーから26日にイタリアにもどるので27日はいかがですかという連絡をいただいた。
すぐに航空券を手配し、26日火曜にミラノに向かった。
今回もブリティッシュエアウエィズでヒースロー経由でミラノに入る。
午前10時50分初のBA5便に乗り、ヒースロー到着は午後の3時20分。6時半のミラノ便に乗り、リナーテ到着は午後の9時半。
翌日8時にミラノを出発してボローニャに向かう。
Bologna の 308GTB_a0129711_19105077.jpg
天気は快晴。オリジナルコンディションのこの車は2オーナーで今のオーナーは2000年に手に入れている。
待ち合わせは自宅ではなくオーナーの知り合いのワーゲンのディーラー。
10時の約束の5分前に到着した。
Bologna の 308GTB_a0129711_19121959.jpg
今まで何台ものGTBを見てきたが、いずれもひと目見て、がっかりするものばかりだった。
しかし今回のものは車を一周しただけで欲しくなってしまったほど。
マフラーはオリジナルのシングルパイプ。
Bologna の 308GTB_a0129711_19132730.jpg
フロントには当時オプションだったフォグライトも備わる。これは簡単に取り外しも出来る。
ない方が好ましい人にも問題ない。
Bologna の 308GTB_a0129711_19402748.jpg
時計には新車の時につけられていた時計の取り扱い説明書もいまだについている。
Bologna の 308GTB_a0129711_19415913.jpg
前回ベルギーで見たシルバーのものよりも塗装のコンディションははるかによく、内装の状態もいい。
東京でレストアすれば新車のように蘇るのが目に見えるようだ。
Bologna の 308GTB_a0129711_19503811.jpg
Bologna の 308GTB_a0129711_1918122.jpg
オーナーが下回りも見てみないかといわれ、車をリフトしてもらう。
ショックは4本ともKONIの新しいものが入れられ、ガソリンタンクのフューエルホースも交換したばかり。
Bologna の 308GTB_a0129711_19194362.jpg
通常オイルパンにはナットにオイルが滲んでついているものがほとんどだが、写真のようにそれがない。
Bologna の 308GTB_a0129711_19245982.jpg
ホィールは一度すべて剥離して塗装をしなおしたとのこと。
7.5J のCROMODORA のホィールは新品のような美しさだ。
Bologna の 308GTB_a0129711_19263334.jpg
ミラーはvitaroni の打刻のあるオリジナル。California のステッカーも当時のもの。ウインドウ周りの黒のフレームの塗装の美しさもこの車のハイライトの一つだ。多くのものは焼けて色があせたり、塗りなおしたりしているが、オリジナルでここまでの状態のものはほとんどない。
Bologna の 308GTB_a0129711_1930541.jpg
エンジンフードの後ろのトランク部分には黒のカーペットが写真のようにつく。しかしほとんどの車がなくなってしまっている。その意味でもこの2オーナーの308の状態の良さがわかる。
Bologna の 308GTB_a0129711_1931121.jpg
写真はエンジンフード裏に貼られた当時のこの車のカラー番号を示したステッカー。
少なくともフード裏はオリジナルペイントのままの証。
Bologna の 308GTB_a0129711_19321829.jpg
エンジンフードのエア抜きのアルミのルーバーの塗装の美しさも当時のまま。
Bologna の 308GTB_a0129711_19361918.jpg
貴重なファーストオーナーの名前が記載された保証書やブックレットも揃っている。
タイミングベルトは今年の6月に交換済みで、古いものも捨てずにとっておいてあったので見せてくれた。
その時にエアーフィルターも交換している。
Bologna の 308GTB_a0129711_19224371.jpg
この固体は1979年の初期モデルでエンジンフードのストラットはファイバーモデルと同じシングルステイのタイプがつく。
後にガスショックのストラットが左右に2本つくものに代えられるが、ガスが抜け、エンジンフードを支えることが出来なくなり、何年かに一度は交換しなければならなくなる。
シングルステーのものはその心配がないばかりか、そのシステムも優れており、デザイナーの細かいこだわりを感じられ個人的にも好ましい。
Bologna の 308GTB_a0129711_19241269.jpg

エンジンをかけるとF106 はスムーズなアイドリングをする。
ひとたびアクセルを踏むとキャブ独特の鋭い加速と乾いたあの狂おしいほどのサウンドがコックピットを満たす。フルブレーキングをしてもハンドルが左右にとられることもなく、シフトアップやダウンシフトも吸い込まれるようにきまる。ショックも新しいものに交換されているのがすぐにわかるほどそのドライブフィールは素晴らしい。助手席に乗るオーナーにCompro,Grazie.(買います、ありがとうございます。)とその場で返事をさせていただいた。
オーナーは会計士の仕事をされている方で穏やかな紳士。
予想していたとうり、私の後には何人もの購入希望者がいたようで、売れてしまったと断りの連絡をしたら、そのうちの一人は7000ユーロ高く買うので譲って欲しいと言ったらしい。
今までオーナーと交渉してくれたローマの従兄弟の丁寧な対応がこの車が日本にくることに結びついたのだと思う。
オーナーからのGentilissimo Sig. Hasumi からはじまるメールからもそれが感じられます。
次回ボローニャに来た時には是非ローマの従兄弟といっしょに美味しいレストランに招待するのでよって欲しいとの内容には感動しました。

いろいろな人のおかげでまた一台、イタリアの宝が日本にやって来る。

  by cavallino-cars | 2014-08-30 19:54 | Comments(0)

<< Bologna から Paris へ Welcome to Japan ! >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE